ヘッドレストの意外な使い道とは……?
追突事故の際にむちうちを防止するためのヘッドレストですが、岡山市の公式ホームページでは少し違う使い方を紹介しています。
その方法は、「車内に閉じ込められた場合の緊急脱出手段」として用いるというものです。
たとえば、
・なんらかの理由で車のカギが閉まって開かなくなった
・車が水没し、車内に水が流れ込んできた
車が水没すると、外からの水圧によってドアは想像以上に重くなり、簡単には開きません。そのように、ドアから車外に出るのが困難な状況では、窓から脱出せざるを得ません。そこで岡山市では、ヘッドレストで窓を割る方法を紹介しています。
ヘッドレストで窓を割る方法
窓ガラスには、「LP(合わせガラス)」と「TP(強化ガラス)」の2種類があります。今回は、強化ガラスであることを前提に、それをヘッドレストで割る2つの方法を紹介します。
方法1.ガラスの四隅を金具で叩く
まず、ヘッドレストを座席から取り外します。そしてヘッドレストのクッション部分を持ち、金具の先端でガラスを叩きます。ポイントは、ガラスの四隅を狙うこと。それほど力を加えなくても、ガラスを割りやすいです。
方法2.窓ガラスとドアの隙間に金具を差し込む
窓ガラスとドアの隙間にヘッドレストの金具を差し込み、「てこの原理」を使って窓を破壊します。力が必要だったり、金具が滑りやすかったりとコツがいるため、難易度は少し高いです。
必ず成功するわけではない
今回紹介した方法では、窓ガラスの種類や割る人の力、やり方によってガラスを割れないこともあります。JAF(日本自動車連盟)が行ったテストによると、水没時という特殊条件(水の抵抗により力が入れにくい)では、ヘッドレストを使っても窓ガラスを割ることはできなかったという結果に。
ヘッドレストで窓ガラスを割る方法は、あくまでも緊急脱出時の対応の一例です。ただ、万が一のために知識として覚えておきましょう。
専用の「脱出用ハンマー」や「ガラスブレーカー」を常備しておくと安心です。こうしたアイテムは先端が鋭く設計されており、強化ガラスを効率よく破砕できるようになっています。シートベルトカッターがついたタイプも多く、緊急時の備えとして心強い存在です。
注意点
- ヘッドレストの使用は、ほかに道具がない場合の手段として紹介されることはありますが、成功が保証されているものではありません。
- 記事内に記載している「窓ガラスを割る方法」は、TP(強化ガラス)のみに適用可能です。自車のドアガラスがTPかLP(合わせガラス)かを事前にガラス隅の刻印で確認することを推奨します。
- なお、近年の一部車種(2020年の国民生活センター調査時点で約2割)ではドアガラスにも合わせガラス(LP)が採用されており、その場合はヘッドレストはもちろん脱出用ハンマーでも破砕できません。お乗りの車のガラス種別を事前に刻印で確認することを強くお勧めします。


