‟子どもの気持ちを尊重すべき”が強く求められる時代
毎年連休明けは学校を行き渋りやすくなる小6の長男。「今日は行きたくない」と言われると、無理させないほうがいいのかなと思い「しんどいなら休む?」と聞くことが増えた。でも家にいても退屈そうだし、学校に行ったら楽しんで帰ってくる日もあるし。外食先も旅行先もなるべく子どもの希望を優先しているが、「どうしたい?」と聞いたらイライラし始めることもあるので難しい。
今の子育てでは、「否定しない/気持ちを受け止める/無理をさせない/本人の意思を尊重する」などの関わりが、大切にされています。
しかし一方で、臨床の現場でよく言われているのは、「今の親は、子どもを尊重することと、委ねすぎることの境界が曖昧になりやすい」という課題。
親が引き受けるべき責任と、子どもの意思の尊重。親子に合ったバランスを考えていきます。
「優しさ」と「責任」のバランスをどう取るか
「どうしたい?」だけで終わらせない
子どもの意見を聞くことも、尊重してあげるのもとても大切な関わりです。
しかし毎回「どうしたい?」と聞かれ続けると、子どもが疲れてしまうことも。
たとえば、子どもが学校を休みたがる場合。
「行く? やめとく?」だけを尋ねて判断を委ねるのではなく、「行きたくないくらいしんどいんだね。1時間めだけ行ってみて、無理なら迎えに行こうか?」など、方向性を提示すると安心しやすくなります。
選択肢や方向性を提示してあげると、「じゃあそうしてみる」や「早退は嫌。それなら遅刻していく。」など、意見が言いやすくなるからです。
「一人で判断しなくても大丈夫、一緒に考えるよ」という気持ちを込めて伝えられるとよいでしょう。
「嫌がる=避けたほうがいい」だけではない
子どもにとって負担が強すぎる場合は休んだりやめたりするのは、もちろん大切です。
しかし一方で、今は‟無理をさせない”ことを重視しすぎている風潮もあります。
塩梅が難しいのですが、子どもにとっては「少し嫌だけどやってみる経験」も大事。
「習い事を辞めたい」と言われたとき、「じゃあ辞めよう」だけではなく、
- 「何が嫌なんだろう?」
- 「あと1ヶ月やってから考える?」
- 「ずっと嫌な気持ちがあった? 嫌だという気持ちは、今日急に出てきたもの?」
と、気持ちを整理する時間を入れてみてください。
「嫌がる→辞める」だけが道ではなく、嫌な理由を考える、嫌な気持ちとの付き合い方を学んだり、嫌なことを乗り越える経験をしたりするのも選択肢としてあります。
「親が決める場面」を、あえて残しておく
最近は数十年前よりも、子ども中心で回っている家庭が増えたように感じます。
SNSでも、‟子どもの経験が大事”、‟子どもが機嫌よく過ごすために”、”親に付き合わせるのは親のエゴ”など、「子ども優先=正解」と発信しているものが多い印象。
しかし実は、「大人が決める場面」が多少ある方が子どもの安心感にもつながります。
たとえば、
- 「今日は家族でここ行くよ」
- 「今週はちょっと疲れてるから、予定減らそうね」
- 「これはまだママとパパが決めておくね」
と、親が責任を持って決める場面を残しておく。
すると子どもは、“全部を背負わなくていい”感覚を持ちやすくなります。
休日の予定に関しても、"親に付き合う時間”が子どもにとって意外と楽な時間になっている子もいるもの。
"決めなくていい”を作っておくのも大切なんですね。
優しいだけでは、子どもは安心できない
子どもの意思を聞くのは大事ですが、子どもは全部自分で決めたいわけではありません。
心も身体もまだ成長途中の時期は、「自分で決めたい気持ち」と、「誰かに決めてほしい気持ち」の間で揺れています。
気持ちは聞いてくれる、でも最後は大人が支えてくれる。
そんな感覚の中で安心感は生まれます。
「優しさ」と「責任」のバランスを取るのは難しいですが、親子の‟ちょうどいい”を見つけていけるといいですよね。



