教えてくれたのは……石原 新菜(いしはら にいな)先生

イシハラクリニック副院長、ヒポクラティック・サナトリウム副施設長、健康ソムリエ理事。クリニックでの診察のほか、わかりやすい医学解説と、親しみやすい人柄で、講演、テレビ、ラジオ、執筆活動と幅広く活躍中。
50代前後の女性に積極的に食べてほしい食材7選
40代から50代にかけては、更年期による女性ホルモンの変化や加齢の影響で、太りやすくなる、骨密度が低下する、便秘が起こりやすくなる、肌や髪が変化するなど、体にさまざまな変化が現れやすい年代です。また、ダイエットや食事量の減少などにより、タンパク質や鉄、カルシウム、食物繊維などが不足しやすい傾向もあります。
こうした変化が重なりやすい時期だからこそ、意識したいのが食生活です。「基本となる食材を続けて食べること」が、健康づくりの土台につながりますよ!
1.納豆
納豆は、植物性タンパク質や大豆イソフラボンを手軽に補えるため、50代前後の女性には特におすすめの食材です。パックを開けるだけでそのまま食べられるため、忙しい日でも無理なく続けられるのも魅力です。
腸内環境を整える食物繊維や、骨の健康に欠かせないカルシウム、女性に不足しやすい鉄分も含まれています。1日1パックを目安に、毎日の食卓に積極的に取り入れてくださいね。
2.豆乳
「タンパク質を摂ろう」と意識すると、肉類ばかり食べてしまう人も少なくありません。しかし、動物性タンパク質と植物性タンパク質をバランスよく摂ることが大切です。近年は植物性タンパク質が不足しがちな人も多いため、納豆や豆乳などの大豆製品を意識して取り入れることをおすすめします。
豆乳は、植物性タンパク質に加え、大豆イソフラボンも補えます。1日200mL程度を目安に、朝の習慣として取り入れるのがおすすめです。無調整豆乳が飲みにくい場合は、調製豆乳や味付きのものを選んでもよいでしょう。
また、開封していなければ常温保存できる商品も多く、冷蔵庫のスペースを気にせずストックできるのも続けやすさにつながります。お気に入りの豆乳を選んでみてください。
3.味噌
味噌は、大豆を原料とした発酵食品で、タンパク質や大豆イソフラボンを補えるだけでなく、腸内環境を整えるサポートも期待できます。味噌汁なら毎日でも無理なく食べやすく、具材を工夫すれば野菜やきのこ類も一緒に摂れるため、栄養バランスも整えやすくなります。
4.ヨーグルト
更年期世代は、女性ホルモンの減少や加齢の影響で、太りやすさや便通の変化が気になり始める年代です。ヨーグルトは、タンパク質やカルシウムを補えるだけでなく、腸内環境を整えるサポートも期待できます。1日100~200gを目安に取り入れるのがおすすめです。
大腸で働く「ビフィズス菌」入りの商品を選ぶと、腸内環境をより整えやすくなるとされています。
5.お酢
女性ホルモンの減少に伴い、50代前後はコレステロール値が上がりやすくなり、動脈硬化のリスクも高まりやすいです。お酢に含まれる酢酸は、コレステロールを下げる働きがあるとされています。1日大さじ1~3杯程度を目安に、納豆にかけたり、ドレッシングに使ったりするなどして上手に取り入れるのがおすすめです。
酢酸に加え、酢酸菌も含まれる「にごり酢」を使うと、免疫ケアや腸活により効果的です。
6.ビタミンDを含む食材
ビタミンDは、骨の健康維持や免疫機能のサポートに関わる大切な栄養素ですが、日本人は不足しやすいと言われています。アジ、イワシ、サバなどの青魚や鮭、きのこ類に多く含まれているため、毎日の食事に取り入れるのがおすすめです。
ビタミンDは心の健康にも関わる栄養素で、セロトニンなどの神経伝達物質の働きにも関係していると考えられています。骨や体だけでなく、毎日を元気に過ごすためにも意識したい栄養素です。
また、適度に日光を浴びることも、体内でビタミンDをつくるために役立ちます。長時間浴びて肌が赤くなるほどにならないように注意は必要ですが、無理のない範囲で日光を取り入れましょう。
7.鉄分、ビタミンB12を含む食材
50代前後の女性は、鉄分不足にも気をつけてほしいです。特にまだ月経がある人は、出血によって鉄が失われやすいため、意識して補うことが大切です。
鉄には、肉や魚の動物性食品に含まれる「ヘム鉄」と、植物性食品に含まれる「非ヘム鉄」があります。
ヘム鉄は体に吸収されやすいため、赤身の牛肉やマグロ、カツオなどを積極的に取り入れるのがおすすめです。また、ほうれん草や小松菜、納豆、プルーン、レーズンなども非ヘム鉄の補給に役立ちます。非ヘム鉄はビタミンCと一緒に摂ることで吸収率が高まるため、野菜や果物と組み合わせるとより効率よく補えます。
さらに、赤血球をつくる働きに欠かせないビタミンB12も重要な栄養素です。牡蠣やあさり、しじみなどの貝類や魚、肉などの動物性食品に多く含まれているため、貧血を予防するためにも鉄分と併せて意識して取り入れましょう。
毎日の食事に無理なく取り入れるコツは「ルーティン化」
体によい食材でも、長く食べ続けなければ十分な効果は期待できません。続けるうえで大切なのは「自分なりの基本の習慣」を決めることです。
たとえば、朝に豆乳を飲む、夕食に納豆を1パック食べるなど、生活の中に取り入れるタイミングを決めておくと、無理なく継続しやすくなります。納豆にお酢をかけるなど、組み合わせを工夫するのもおすすめです。毎日の食事の中で楽しみながら続けられる習慣を作ることが、健康づくりの土台になります。
適度な運動も健康づくりの大切な習慣
また、食事だけでなく、適度な運動や質のよい睡眠も大切です。運動によって筋肉に適度な負荷をかけることは、骨の健康維持や足腰の筋力低下予防にもつながります。さらに、体を動かすことで気分転換になり、ストレス発散にもなります。
心地よく体を動かして疲れることは、睡眠の質を高めるきっかけにもなります。食事・運動・睡眠を整えることで、自分自身の心と体をいたわる習慣につながっていくのです。
更年期を乗り越えた先の“黄金期”に向けて
50代前後は、更年期による体の変化に加え、親の介護や子どもの反抗期などの家族に関すること、仕事など、さまざまな出来事が重なりやすい年代です。つい周りを優先して、自分のことを後回しにしてしまう人も少なくありません。だからこそ、この時期は特に「自分の体をいたわること」を大切にしてほしいと思います。体に必要な栄養をしっかり摂ること、適度に体を動かすこと、そして自分のための時間を持つことも大切です。
更年期を上手に乗り越えていけば、その先にはホルモンの変化に振り回されにくい“黄金期”が待っています。元気で充実した60代、70代を迎えるために、今から少しずつ体の土台を整え、これからの人生を楽しむための準備をしていってくださいね!












