長風呂さんは要注意!肌荒れの可能性ありなのにダイエット&デトックスには効果なし!?

心と体

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 長風呂さんは要注意!肌荒れの可能性ありなのにダイエット&デトックスには効果なし!?

2021.02.26

ダイエットをしよう!そう決意した時、熱いお風呂に浸かって、たっぷり汗をかこうとする方もいるのではないでしょうか。実は、お風呂で汗をかくことは、直接ダイエットには繋がりません。 ダイエットに繋がるお風呂の入り方は、視点が必要なのです。

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お風呂のよくある勘違い!汗をかいてもダイエットにはならない!?

「今日は食べすぎちゃったから、長風呂で発散しよう」
「ダイエットのために、お風呂で燃焼!」

そう思いながらスマホを観ながら一生懸命汗をかいているそこのあなた!実は、長風呂が直接ダイエットには繋がらないことを知っていますか?
saita読者によるアンケートによると、約半数の方が長風呂でダイエット効果があると感じているという結果に。

長風呂でダイエットできる?

実は、以前の私も長風呂でダイエットが出来ると信じており、食べ過ぎた日には苦しい思いをしながら熱いお湯で大量に汗を流したり、長くお風呂に入れない日は罪悪感から落ち込んでしまったりしていました。

何故お風呂で痩せると勘違いをしていたかというと、「お風呂で汗をかくとデトックス効果がある」と思っていたからかもしれません。saita読者でも約6割の方がお風呂にデトックス効果を期待していることがわかりました。

長風呂にデトックス効果はあるのか

或いは、身体が熱くなる感覚を「燃焼している」と感じているのかもしれません。

では、お風呂に入ると、体の中でどのような変化が起きているのでしょうか?

長風呂でデトックスはできない?汗の成分は殆ど水!

熱いお湯に長く入っていると、身体が温まり大量に汗をかきます。実際、お風呂に入る前後で体重を測ると500g程度も体重が変わることもありますよね。しかし、この時身体から失われているのは殆ど水分。汗の99%は水分なので、当然ですが汗と共に脂肪が排出されることはありません。同時に、汗から「毒素」が出ることも無いのでデトックスにはならないのです。

身体の中で最も有能なデトックス機構は、排便や排尿などの排泄器官。汗から出る不純物はほんの微々たるものです。

だからといって、汗を書くこと自体は無駄ではありません。久しぶりに汗を掻くと、ベタベタと「嫌な汗」を感じることはありませんか?
汗は血液から作られますが、汗をかく習慣が無い方は、血中のミネラルが汗とともに流出しやすく、不純物の多いベタベタ汗になってしまうのです。これは、デトックスと反対で身体に必要なミネラルが失われてしまっている状態です。

一方で、汗をかく習慣のある方は、汗腺の“濾過機能”が発達しており、ミネラルを体内へ戻すことができます。デトックスの概念とは反対で、濃度の薄い汗が「いい汗」といえるのです。

良い汗と悪い汗出典:www.kao.co.jp花王株式会社 8x4汗の基礎知識 より引用

汗をかいたらチェック!

【いい汗・悪い汗チェックリスト】
いい汗:サラサラしていて、透明。蒸発しやすくて気持ち悪くない
悪い汗:ベタベタしていて、薄く濁ることも。肌の上に残りやすく気持ち悪い。

お風呂でダイエットができない訳

デトックスができないのはわかったけど、お風呂がダイエットに直接繋がらないのは何故でしょうか?それは、「誰がエネルギーを作っているか」に答えがあります。

私達が脂肪を燃焼するためには身体がエネルギーを消費する必要があります。例えば運動で自分の身体を動かすと身体が熱くなりまが、これは脂肪を燃焼してエネルギーを作り出しているからです。ところが、お風呂で身体が熱くなるのは「風呂釜が作り出したお湯」にエネルギーをもらっているからで、自らでエネルギーを消費している訳ではないのです。

同じ「汗をかく」という現象でも、体の中では全く違うことが起こっているのですね。

ダイエットしたいなら、ぬるま湯に10~15分がおすすめ!

お風呂がダイエットに全く効果がないのかというと、そうではありません。「温熱作用」「浮力作用」「静水圧作用」など、お風呂の様々な効果によって健康な身体へ導かれることによって、新陳代謝が高まったり、運動効率が高まることで、結果的にダイエットに繋がる可能性は十分にあるからです。

「温熱作用」によって身体の芯まで温められると、内蔵が働きがよくなります。基礎代謝の4割を心臓・肝臓・腎臓などの主要内蔵が占めているため、身体を温めると同じ活動量でも消費するエネルギー量を増やすことができるのです。

人の臓器・組織における安静時代謝量出典:www.e-healthnet.mhlw.go.jp表2: ヒトの臓器・組織における安静時代謝量[2]を円グラフ化

また、水中で「浮力作用」を受けると、就寝中でさえ使っている身体の筋肉を弛緩されるため、血流が良くなったり、コリの解消に繋がり、疲れも取れやすくなります。身体の可動範囲が広がるため、日々の何気ない動きの運動効率の向上も期待ができます。

さらに、湯船で水圧を受けている身体はそれだけでもマッサージされている状態ですが、出浴時に血管が水圧から急に開放されると血液が勢いよく流れ出し、四肢末端まで血液を届けることができます。冷えの解消に加え、細胞に沢山の酸素や栄養素が届けられるため、新陳代謝の向上が期待出来ます。

このように、お風呂は健康な身体へ導く様々な効果効能を持っています。これらの効果を得るために必要な湯温と時間は40℃程度のお湯に10~15分。半身浴より、全身浴がおすすめです。

長風呂は肌を乾燥させる上に、汗をかくことで身体が「戦闘モード」へ切り替わってしまうため、寝付きが悪くなってしまいます。詳細については、「理系美容家が教える【お風呂の効果的な入り方】美肌になれる人となれない人の違いって?」にて詳しく説明しています。

ダイエットに最も必要なのは健康な身体。毎日の入浴週間で、健康的に痩せやすい身体を手にれてくださいね。

※表示価格は記事執筆時点の価格です。現在の価格については各サイトでご確認ください。

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著者

理系美容家かおり

理系美容家かおり

⼀般社団法⼈美容科学ラボ代表理事。理系美容家。化学専攻のリケジョという背景から、「科学的根拠のある正しい美容知識」の普及活動に従事。研究会や学会などで取得した知見を美容業従事者、消費者へわかりやすく情報公開し、美容の情報リテラシー向上に努める。美容セミナー講師や美容メディア監修、化粧品開発・PRコンサルティング等を行う。科学的観点から消費者に心理的・時間的負担を軽減した「お金と時間をかけない美容法」を提案。 MAQUIA(集英社)公式ブロガー、@コスメ ビューティースペシャリスト、入浴指導士 クイズ!脳ベルSHOW(BSフジ)出演など幅広く活動中。

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