「成長ホルモンが最も分泌される22~2時のゴールデンタイムに寝ると美肌になれる」という噂を聞いたことはありませんか?saita読者へのアンケートによると、「ゴールデンタイムに寝るとスキンケアやダイエットにいい」と思っている方が約88%いることがわかりました。
また、ゴールデンタイムの睡眠を実践しているorほぼ実践している人は半数以上!今日は、ゴールデンタイムの真偽について科学的に考察していきます。
「22時~2時」の間の時間、少しでも長く眠れたら美容にいいのかも……なんて思っていませんでしたか?
「今日は22時に寝るぞ!」なんて意気込んだあなた、もし、普段は0時に寝ているなら、0時でも良いんです。その理由は……
「美容のゴールデンタイム」って何?
そもそも「ゴールデンタイム」ってなんでしょうか。「ゴールデンタイム」とは、一日の中で最も成長ホルモンが分泌されやすい時間を指す言葉です。
最も有名な時間は夜の「22時~2時」ですよね。ではこの時間しか「ゴールデンタイム」ではないのかというと、そうではないんです。
成長ホルモンは脳下垂体前葉から分泌され、子供の時には骨や筋肉の成長・発達を促しますが、大人でも代謝の促進や記憶などにも関与しているホルモンです。肌の代謝にも密接に関わっていることから、「美肌には成長ホルモンが大きく関わっている」ことは間違いありません。
ところで、成長ホルモンの分泌量は、思春期以降になると加齢と共に低下してしまうことがわかっています。(1)
そう、22時~2時という時間ではなく「睡眠時には成長ホルモンを分泌しやすいように工夫すること」が実は大切なのです。
「ゴールデンタイム」は本当に存在するの?!
ここまででなんとなく分かったと思いますが、22時~2時の「ゴールデンタイム」には医学的根拠がありません。ゴールデンタイムの起源には「最適な睡眠が8時間と言われていたことから、出勤時間から遡って22時~2時となった」「テレビで取り上げられたことから広まった」「中医学的な考え方では、午後11時からは胆嚢、肝臓、肺の解毒時間で、睡眠によって解毒が進む」という考えがある(2)」など、諸説あります。
美肌に必要な本当の睡眠術って?
成長ホルモンの分泌に最も大切なのは時間帯ではなく“深い睡眠”です。成長ホルモンは眠りに入ってから約90分間の深いノンレム睡眠中に多く分泌されるため(2)、入眠後いかに熟睡できるかが成長ホルモンを分泌される重要なポイントと言えるのです。つまり、22時~2時に限らず各々の生活スタイルに合わせて規則正しい生活をすることが大切です。
オムロンヘルスケアとイプサの共同研究では、なんと就床時刻のばらつきが小さい人は大きい人に比べて、肌の水分保持力が3.4倍、ハリは6倍高くなったという報告もあります(3)。
自分だけの「ゴールデンタイム」を見つけ出そう!
「ゴールデンタイム」は人によって異なるということが、おわかり頂けたでしょうか。
美肌に必要な睡眠は「深い眠り」と「規則正しい生活」です。その規則は自分のライフスタイルに合わせていいのです。
現在、22時~2時の睡眠を守っている方は、それがあなたのゴールデンタイム。規則正しい生活を是非続けてくださいね。
お仕事の関係などでどうしても不規則な生活になってしまう方は、就寝時刻だけではなく、速やかに眠りに入るための準備をしておくことも大切です。
良い睡眠は女性の悩みを解決してくれます。キレイになるための睡眠方法を習得するのは、キレイへの近道ですよ!
あなただけのゴールデンタイムの積み重ねで、健やかで美しい肌を目指しませんか。
(参考文献)
1:成人の成長ホルモン分泌不全症「成長ホルモンとは?」, ファイザー株式会社
2:サンスター健康道場「睡眠にまつわる疑問。睡眠のゴールデンタイムってホントにあるの?」, サンスター株式会社
3:「オムロンヘルスケア × イプサ 共同調査 毎日決まった"おやすみ時間"が角層の湿潤化へ」(2013)