材料
- 鶏もも肉 500g
〜ブライン液〜
- 水 1L
- 塩 20g(水に対して2%)
〜味付け〜
- 料理酒 15g
- みりん 10g
- 濃口醤油 10g
- ウェイパー(海鮮)4g
- 白胡椒 適量
- 生姜 5g
- にんにく 20g
〜衣〜
- 片栗粉 200g
- 米粉 80g
ポイント1:保水力を高める切り方
1.鶏もも肉についている軟骨や骨、血合いや筋を取り除き、鶏肉についているドリップをキッチンペーパーでふいておきましょう。
2.鶏もも肉を切り分けていきます。
ポイントは、分厚い部分と薄い分をつなげて、大き目に切ること!
肉の保水力が高まり、ジューシーな唐揚げに仕上がります。また、小さく切ってしまうと、水分の蒸発スピードが早くなってしまうため、面積を大きくすることでさらに保水性を高まます。
鶏肉1個あたりの大きさの50~60gを目安にしましょう。
ポイント2:ブライニング
【ブライニングとは】
ブライン(塩水)液に肉を漬け込んで肉を柔らかくして、ジューシーに仕上げる調理法です。
●注意点
- 鶏肉に直接塩をかけると、浸透圧によって水分が抜けてしまうので、必ず塩水につけましょう。
- 塩水の塩分濃度は2%。
- 塩を入れすぎると、ジューシーになりますが、料理が塩辛くなるため、あとから味付けを足す料理の場合は、塩分量をイメージしながら調整していきましょう。
- 水の温度が30℃を超えると食中毒の危険性があるので、夏場は氷を使うなどして温度調整をしましょう。
- 油と鶏肉の温度差があると、水分が抜けやすくなるため、20℃~29℃ぐらいの水温を意識してください。
3.塩水(水に対して2%の塩)の中に鶏肉を入れ、1時間漬け込みましょう。
4.ブライニング後、水気をよく拭いた鶏肉に味付けの調味料をよく揉みこんだあと、30分ほど漬け込んでおきましょう。
ポイント3:片栗粉と米粉のハイブリッド
5.片栗粉に米粉を加えて混ぜ、鶏肉に衣をつけていきます。
少しずつ粉を入れて混ぜながら調整していき、粉が水分によって程よく湿り、衣にダマがポツポツとついていたらベスト。
片栗粉に米粉をプラスすることで、ザクザクした食感にすることができます。粉を混ぜるときは、ダマが残ってるぐらいでOK。むしろ、このダマがいい食感になります。
粉を味付けした鶏肉の方に入れて衣付けすることで、粉がしっかり水分を吸収するので色合いのいい唐揚げになります。
ちなみに、鶏肉を1つずつ粉につけて衣付けすると、竜田揚げのようなカリカリの白っぽい衣になります。
ポイント4:低温+余熱+高温の二度揚げ
6.160℃の油で鶏肉を7割火を通すイメージでじっくり揚げましょう。鶏肉の中心温度74℃ぐらいが目安。
7.一度油から取り出し、5分ほどおいておきましょう。余熱で9割ぐらいまで火を通すイメージ。
8.180℃の油で再度、キツネ色になるまで揚げましょう。鶏肉の中心温度は86℃ぐらいが目安。
唐揚げを高温で一気に上げようとすると、肉の中心に火が入る頃には周りの水分が蒸発しすぎてパサパサ、ガリガリになってしまいます。まずは低温で7割ほど火を通し、5分の余熱で9割火を通すイメージです。そして、180℃の高温で完璧に火を通し、いい色合いになるまで仕上げましょう。
今回ご紹介した裏ワザはいかがでしたか? 唐揚げのレシピの決定版になったのではないでしょうか。ちょっとした下処理をすることで、鶏肉の保水力を高め、噛んだ時に驚くほど肉汁があふれる唐揚げになります。ブライニングと米粉を加えた衣、ぜひ試してみてください。
今回教えてくれたのは、岩野上幸生さん
岩野上 幸生(いわのうえ こうせい)さん
1985年生まれ。長崎県出身。18歳から料理の修行を始め、24歳で独立。現在は東京で飲食店を複数手がける人気料理人となり、企業コンサルティングや料理の技術指導なども手掛け、マルチに活躍中。YouTubeチャンネルの「飲食店独立学校 /こうせい校長」では、さまざまな料理のテクニック、役立つ情報を発信している。