【かんたん家族革命】親子の仲を深めたいなら“本棚の置き場所を変える”だけでいい。【教育のプロ、矢萩邦彦先生に聞く】

家族・人間関係

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 親子の仲を深めたいなら“本棚の置き場所を変える”だけでいい。

2021.06.30

「本棚を見ればその人の人となりがわかる」といわれるように、本棚はその人の興味の集大成です。子どもの本棚も一緒。動物が好きな子であればさまざまな動物の本が、乗り物が好きな子であれば車や飛行機の本が本棚に並んでいるでしょう。豊かな心を育むため、楽しく生きていくために必要な本。今回は教育のプロであり、2020年に住宅設備機器・建材メーカー「LIXIL」と”イマドキの教育に応える住まい”について研究し、今年『探究ホーム』プロジェクトを立ち上げた矢萩邦彦先生に子どもの本棚の置き場所について教えていただきました。 実は、本棚の設置場所で子どもの意識や親子関係が変わるそうです。

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本棚で家族の世界観を共有する

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みなさんのご家庭では本棚を家のどこに設置していますか?

矢萩先生に伺ったところ、本はリビングに置いて家族で共有するほうがいいと言います。その理由を詳しく伺ってみましょう。

「前回、親御さんが本に対して親しみを感じている姿勢を見せてあげれば、子どもも自然と本に対して親しみを持ちますとお話ししました。家族みんなが本を読みたいときに読むという姿勢を持てば、みんなで知識をアップデートすることができます。だからこそ、子どもの本も手の届くところに置く、本との距離を縮めることが大事です。そこで、私はリビングに家族みんなが使える本棚を設置することをおすすめしています。本棚をリビングにセッティングすることで、家族の世界観を共有することができますし、本棚自体の存在価値も上がります」

「お父さんはどんな本を読んでいるんだろう?」という疑問が大事

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「家庭の本棚は、家族の興味のギャラリーでもあります。みんなで本棚の中身を作っていくことが理想です。本棚が埋まっていくと子どもは「これは誰の本かな?」という疑問が生まれます。
家族の中の誰かの興味は、他の人も魅かれる可能性が高いです。中学生くらいの息子さんがお父さんの本に手を伸ばし、読み始めることもあるかもしれません。『これ、面白いね』と息子さんが言えば、『じゃあ、次はこれを読んでみるといいよ』と、お父さんがすすめる。こうして親子関係も親密になりますし、趣味が受け継がれていきます。これがリビングに本棚を置く一番の魅力です。
さらには、本棚にある本は個人の所有物であると同時に、皆の共有物だということを子どもに理解させるチャンスです。本棚は、家族の共有知だという意識の芽生えは、社会に出てからも非常に役に立ちます。この感覚を幼いころからリビングの本棚で養うことができます」

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