本棚の配列は、大人にとっての台所と同じ
では次に、本の配置について矢萩先生に伺いました。どのように置けば家族が快適に使うことができるのでしょうか。
「キッチンで料理するとき、使いやすい道具であっても奥にしまってしまうと使いません。そのために、よく使う道具は取り出しやすいところに置いていませんか? 本棚もそれと同じ。子どもにとって本が手の届くところにあるのと、届かないところにあるのではまったく世界が違います。ですから、よく読む本やお気に入りの本は子どもの目線に並べてあげてください。
手に取りやすい場所に配置してあれば積極的に読むようになるでしょう。家族で共有できる辞書や辞典なども手前に置いておくといいでしょう」
リビングに本棚を置くメリットを存分に感じてもらえたのではないでしょうか。
とはいえ、「この本は家族と共有しなくてもいいな」と思った本は、自室の本棚に置くという選択肢も大事ということも矢萩先生に教えてもらいました。
「家族と本を共有する」、「リビングの本棚を共有知とする」という考え方、ぜひ参考にしてみてください。
お話を伺ったのは……矢萩邦彦(やはぎくにひこ)先生
実践教育ジャーナリスト
リベラルアーツ・アーキテクト、株式会社スタディオアフタモード代表取締役CEO、知窓学舎 塾長、教養の未来研究所 所長、一般社団法人リベラルコンサルティング協議会 理事、聖学院中学校・高等学校 学習プログラムデザイナー、ラーンネット・エッジ『自由への教養』カリキュラムマネージャー、HIS『探究Journey』監修・コンセプター、『探究ホーム』プロジェクト クリエイティブフェロー。
探究型学習・想像力教育・パラレルキャリアの第一人者。
25年間、20000人を超える直接指導経験を活かし「すべての学習に教養と哲学を」をコンセプトに「探究×受験」を実践する統合型学習塾『知窓学舎』を運営、「現場で授業を担当し続けること」をモットーに学校・民間を問わず多様な教育現場で出張授業・講演・研修・監修顧問などを展開している。
(株)LIXIL
トステム・INAX・新日軽・サンウエーブ・TOEX(旧 東洋エクステリア)という住まいのブランドがひとつになって生まれた、住宅設備機器・建材メーカーとして、住まいの新築・リフォームから公共施設・空間まで、誰もが願う、豊かで快適な住まいの実現に向けて先進的な技術と製品を開発、提供しています。