市井紗耶香さん×ryuchellさん対談【幸せを自分で決めるということ】〈2〉「子育て」に生かしている母の教えとは

家族・人間関係

2022.05.21

つねに自然体でSNSでの前向きな発信が若者を中心に話題となっているryuchellさん。昨年の10月に初の著書「こんな世の中で生きていくしかないなら」(朝日新聞出版)が発売され、注目を集めています。今回saitaでは大人気のryuchellさんと、現在#本音で話そう を連載中の市井紗耶香さんの対談企画をお送りします。現在子育て真っ最中のお2人に子育てのことを中心にじっくりと語り合っていただきました。

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子育てをしている上で遣わないようにしてる言葉

——りゅうちぇるさんの型にはまらない生き方は、今の若者にとても参考になると思います。今後はどんな風に生きていきたいとお考えですか?

ryuchell:やっぱり家族と共有できる時間をきちんと持って、健康でいるということですね。

市井:そう、それが一番。

ryuchell:僕はプライベートが充実していないとお仕事に影響が出てしまうタイプなので、家族の時間を大切にして自分の軸がぶれないようにしたいと考えています。大変なことも嬉しいことも家族でちゃんとシェアをし、つねにコミュニケーションを取っていきたいです。

市井:SNSで地元に帰っている様子を拝見しました。

ryuchell:実家には帰れるときに帰っています。僕の地元の沖縄や、パートナーの地元である大阪も息子に見てほしい。自分のことを息子に好きになってもらいたいし、息子が「自分がこの世界に生まれてきたこと」を奇跡なんだって思ってもらいたくて。そのきっかけづくりを意識してますね。もちろん、僕自身が地元が大好きなので、地元に帰って友だちと朝まで飲んで語ることも大事にしたいですね(笑)

りゅうちぇるさん

市井:うわ~最高。バランスを取りながら仕事もプライベートも充実させていきたいですよね。私も子どもが4人いるので、子どもたちとの時間を大切にしたいと思っていますよ。

ryuchell:そうですよね、市井さん4人のママですよね。僕も5人兄弟の末っ子なんです。

市井:そうなんですね。我が家には高校生、中学生、小学生、保育園生の子どもがいるので今の時期はコロナ関係のお知らせが毎日4か所から届きます(笑)

ryuchell:それは大変!うちは一人なので夫婦で集中していろいろと言ってしまわないように気を付けています。小さくてかわいくてもやっぱり叱ることはあります。市井さんは子育てで大切にしていることはありますか?

市井:私も余裕がない時は語気を荒らげてしまって自己嫌悪に陥ることがあります。それこそ、長女が思春期真っ只中の時は、娘と喧嘩して、「私が出ていくから!」って言って深夜のマックで泣いたこともありました(笑)。いろいろある中でも、子育てをしている上で1つだけ遣わないようにしてる言葉があって、それだけは守っています。

ryuchell:それはどんな言葉ですか?

市井:それは「嫌い」という言葉。言葉には命が吹き込まれるので「嫌い」って言葉を使った時点でその対象と自分は分断されてしまうと考えています。だから子どもには絶対に「嫌い」という言葉は遣わないようにしています。

ryuchell:それは人に対してだけですか?

市井:人以外にもすべてですね。たとえば食事の時に「あれ?トマト残しているけれど嫌いなの?」ではなく、「トマト、苦手なの?」とか、答案用紙を見て「漢字はちょっと苦手かな。そしたら今日から特訓しようか」という風に、苦手という言葉に言い換えたり、ポジティブな部分を残す言い方をしますね。いつかは「好き」に変わるかもしれないのにこちらが「嫌い」と決めつけるのはよくないと思うので。だからこの言葉だけは遣わないように気を付けていますね。

ryuchell:なるほど。今日から我が家の子育てにも取り入れます!

市井:あとは子どもが安心して戻ってこられるように、常に環境は整えておいてあげたいなとは思っています。

市井紗耶香さん

ryuchell:うわ~素敵。それは市井さんのお母さんの教えですか?

市井:我が家は母が女手ひとつで私と姉を育ててくれました。今は亡くなってしまったのでこの世にはいないのですが、昼も夜も休みなく働いてくれた母に感謝しています。太陽のように明るく、子どもの前で一切弱音を吐かない強い母でしたが、あまりにも母が忙しかったので幼い頃の私はどこか孤独を感じていました。自分が母親になった今、子どもたちには帰る場所が「ここにあるよ」と伝えていきたいと思っています。そして、こうして自分も母親になってみると、当時一人で仕事と子育てをしていた母の大変さは計り知れないものがあります。私がオーディションに合格した時、とても喜んでくれたので少しは親孝行できたかなと思っています。

ryuchell:僕の母と似ています。僕の母もとっても明るくて温かい人。帰省の度に元気をもらいます。母からずっと言われている言葉があるのですがそれは「人の痛みが分かるようになりなさい」です。小さい頃はピンときませんでしたが、最近になってこの言葉は「どんどん傷つきなさい」という裏メッセージだと捉えています。辛い経験もして、いろんな世界を見ることで人の痛みが分かるようになる、と教えてくれているんだと思っています。大人になった今でもこの言葉は大事にしています。

市井:「人の痛みがわかるようになりなさい」っていい言葉ですね。ryuchellのお母さんもryuchell同様、愛にあふれた方なんですね。
 

<市井紗耶香さん×ryuchellさん対談 第3回連載>

【第1回目】「生きる」のは"愛を知るため"だと思う
【第2回目】「子育て」に生かしている母の教えとは(当記事)
【第3回目】私たちの「これから」
 

インタビュー・文/安田ナナ
撮影/長谷川梓
ヘアメイク/megu(ryuchellさん)、hm Clair(市井さん)
衣装協力/MIESROHE(市井さん)

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