教えてくれたのは……QuizKnock&どう解く?制作委員会
テレビのクイズ番組でおなじみ、東大出身者中心に構成される知識集団「QuizKnock」の皆さん。そして、子どもたちに大人気の道徳書『答えのない道徳の問題 どう解く?』の制作メンバーが、タッグを組んで出版した『10歳からできる 自分のあたまで考えること』(ポプラ社)。子ども向けにわかりやすく書かれていますが、その内容は、今の大人にも必要なものばかり。考える力を養えば、今悩んでいることに、きっと突破口が見つかります!
『10歳からできる 自分のあたまで考えること』(ポプラ社)
著者:QuizKnock&どう解く?制作委員会
価格:1,760円(税込)
毎日のお弁当作りが大変……
毎日の家事を負担に感じる人は多いはず。例えば毎日のお弁当作りをストレスに感じていたら、こんなふうに考えてみるといいかもしれません。書籍『10歳からできる 自分のあたまで考えること』には、問題解決のための思考テクニックが紹介されています。本の中で応用編として紹介されていたロジカルシンキングで、悩みに向き合ってみませんか。
今回は、実際に寄せられた読者の方の悩みを例に考えてみたいと思います。お弁当作りを頑張る彼女は、毎日作ったお弁当の写真をSNSにあげているとのこと。SNSにあげるために素敵なお弁当を作っているそうです。
問題解決には、自分の考えを具体的に分析してみることも必要です。
「どういう意見でも、意見を納得してもらうには、「なぜそう思うのか」という理由が必要です。自分の意見と、その理由がきちんとつながっていると、あなたの考え方に多くの人が『なるほど』と思ってくれる。こんなふうに、意見とその理由を考えることを論理的思考(ロジカル・シンキング)と言います」
例えば「なぜ、毎日お弁当を作るか?」を論理的思考(ロジカル・シンキング)で考えると……
意見:毎日お弁当を作る必要がある。
根拠:給食がないため、お弁当を持参する必要がある。
意見と根拠がつながっているため、比較的簡単に明確な答えが出てきます。でもこれが「素敵なお弁当を作る」となると……
意見:毎日素敵なお弁当を作る必要がある。
根拠:SNSでみんな素敵なお弁当を作っているから。見劣りしないお弁当が必要だから。
この場合、意見と根拠のつながりに違和感を感じないでしょうか。
自分の意見に違和感を感じたら、試してみよう!
「自分の意見が『本当に正しい?』と、疑って考えることを、批判的思考(クリティカル・シンキング)と呼びます」
毎日素敵なお弁当を作る必要がある、という意見について、批判的思考(クリティカル・シンキング)で考えてみると、
批判的思考:素敵なお弁当を作る必要はあるのか?
ここからまた考えたり子どもに聞いたりすると、本当に子どもが望んでいるのは「好物を入れること」であることが見えてくるかもしれませんね。
「素敵なお弁当」を作ることは、決して悪いことではありません。でももしそれが、毎日の負担になっているのであれば、その負担を軽くする方法を考えることができますね。
時間が経てば、物事を見る目はまた変わってくる
問題解決のための思考テクニックとして、もう一つの方法があるそうです。
「理由を考えるときに、目の前のことを考えるのと、10年先、20年先を考えるのでは、その理由が違って見えてきます。問題のポイントをしぼり、部分を見ることを『ズームイン』。離れて全体を見ることを『ズームアウト』と言います」
「毎日素敵なお弁当を作る必要はあるのか?」という問いに対して、
ズームイン(今):「素適なお弁当をSNSに載せるのは楽しい!」
ズームアウト(10年後):「子どもが大きくなったときに、お弁当がおいしかった思い出や、大切に育てられたという自信が残るといい」
これらを考えると、素敵なお弁当は、どちらかというと自分の趣味だから毎日作らなくても良い、という考えになるかもしれませんね。これで毎日頑張るべきストレスが解消されるかもしれません。
いろいろな角度から視点を変えて!
こうして、いろいろな角度から悩みを見ていると、ストレスの原因となるものが見えてきました。原因がわかれば、問題解決方法を見つけるのは簡単です!
もしストレスに感じていることがあれば、その悩みをさまざまな視点から考えてみると、今までなら思いつかない方法で、問題解決ができるかもれません。