食べずに体重を減らそうとしてない?極端な“食べないダイエット”で起こる「3つのデメリット」

心と体

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2023.02.21

「ダイエット=食事制限」といったイメージが強く、極端に食事を減らしている方も少なくないかもしれません。でも、食べないダイエットは要注意! イライラなどのストレスを抱える、太りやすい体質になってしまうなど、さまざまなリスクを抱えることも……。そこで今回は、東京医療保健大学教授の御堂直樹さんに「食べないダイエットをすることで起こる3つのデメリット」について、お話を伺いました。

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教えてくれたのは……御堂直樹(みどうなおき)さん


東京医療保健大学教授。1965年生まれ。筑波大学第二学群生物学類卒業。東北大学博士 (農学)、CSCS(アメリカに本部を置く国際的な教育団体であるNSCAが認定するアスリート指導に特化した資格)。専門分野は、食品学、食品加工学、食品機能学。競技として、アメリカンフットボール、ボディビルディングを経験。ボディビルディングでは、2002年日本社会人大会優勝した経歴をもつ。御堂直樹さん

“食べないダイエット”は逆効果!

食べないダイエットは逆効果!出典:www.photo-ac.com

“食べないダイエット”をして、いち早く体重を減らそうとしていませんか?
低カロリーの特定のものだけを食べるようにしたり、食事量を極端に減らしたりすることで、一時的には体重を減らすことはできるかもしれません。

しかし食べないダイエットをおこなうことは、身体にとって多くの悪影響を及ぼすことがわかっています。
一体、どんなデメリットが考えられるのでしょうか?

デメリット1「ボディラインが崩れる・やせにくく太りやすい体質になる」

一つ目のデメリットは「ボディラインの崩れや、太りやすい体質への変化が起こる」ということです。

ボディラインの崩れや太りやすい体質へと変化出典:www.photo-ac.com

御堂さん「わたしたちの体内では、常に栄養素から生命活動に必要なエネルギーが生み出され、古くなった組織は生まれ変わっています。
食べる量を減らすと、生命活動を維持するために体内に貯蔵された栄養素を分解することになります。これが脂肪組織であればよいのですが、筋肉のたんぱく質も分解されるため筋肉量が減少し(1)、筋肉によって作られていたメリハリのあるボディラインが崩れることになります。
筋肉量が減少するとエネルギー消費量もその分少なくなり、やせにくく太りやすい身体に変化することも知られています(2)。

実際に、2000人弱の若年者を追跡調査した研究において、極端に少ない量しか食べなかったり、食事を抜いたりするダイエットをおこなっていた人は、そうでない人に比べて10年後の体重が増加したという報告があります(3)。」

デメリット2「健康障害のリスクが高まる」

二つ目のデメリットは「必要な栄養素が不足し、月経不順や骨粗しょう症など健康障害のリスクが高まる」ということです。

健康障害のリスクが高まる出典:www.photo-ac.com

御堂さん「食べる量を極端に減らすと、当然のことながら各種栄養素が不足します。
たとえば、エネルギー源となる炭水化物や脂質が不足すると、疲れやすくなって活動量が低下します。この状態が続くと身体に変調をきたし、月経不順になることも(4)。カルシウムやビタミンDが不足すると骨粗しょう症、鉄分の不足は貧血、食物繊維の不足は便秘、といった健康障害のリスクを高めることになるのです。」

デメリット3「イライラして怒りっぽくなる」

最後に、3つ目のデメリットとして挙げられるのは「精神的ストレスを抱えやすくなり、イライラして怒りっぽくなる」ということです。

ダイエット中だからと、好きなものを食べるのを我慢することもありますよね。その状態が続くとストレスになり、我慢しすぎた衝動で結局リバウンドしてしまった、という経験がある方も多いのではないでしょうか?

イライラして怒りっぽくなる出典:www.photo-ac.com

御堂さん「体重が減少していくにつれ、身体はより食べ物を求めるようになり、ストレスを感じます。食べる量を極端に減らすとさらに強いストレスがかかり、イライラしてちょっとしたことで怒りっぽくなることがあります。

また、肥満に対する恐怖心から、痩せることや食べることにとらわれすぎて一度食べ始めると食欲が止まらなくなり、「むちゃ食い」をしてしまう過食症などの摂食障害につながることも考えられます(5)。」

心も身体も健康的にダイエットをするためには、極端に食事量を減らした無理なダイエット法はNGです。御堂さんによると、ダイエットの成功は“たんぱく質”がカギになるそうですよ。

次回の記事では「ダイエット時にたんぱく質を摂るべき3つの理由」についてご紹介します。どうぞお楽しみに!

参考文献:
(1) Seimon RV et al. JAMA Netw Open, 2, e1913733, 2019.
(2) 高橋恵理ら, 栄養学雑誌, 65, 241-247, 2007.
(3) Neumark-Sztainer D et al., J Adolesc Health,50,80-86, 2012.
(4) 江澤郁子, 日本家政学会誌, 52, 1029-1034, 2001.
(5) 摂食障害情報ポータルサイト, 摂食障害の概説と疫学

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著者

shukana

shukana

小学生、幼稚園児の男の子のママ。出産前まで紳士服業界に携わり、TES(繊維製品品質管理士)の資格を取得。 暮らしをより楽しく、よりラクに過ごすための方法を日々模索中です。

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