教えてくれたのは……美容整体師・YouTuber 井上剛志さん
表参道や浦和など3店舗展開する「美容整体アピアランスビューティ」主宰。5万人以上の女性に美容整体を施し、その独自の骨盤や内臓調整は「美容整体アピアランスビューティ」の施術として話題に。また、チャンネル登録者100万人を超えるYouTubeチャンネル「美容整体アピアランスTV」を運営。2022年12月には著書『今すぐそのマクラを捨ててください』(主婦の友社)を発売。
――“理想の睡眠”、“理想の寝返り”を手に入れるためには、どのような姿勢で寝るのがよいのでしょうか。
そもそも寝姿勢と言えば、仰向け、うつぶせ、横向き、などありがちな姿勢から、手を組んだり膝を抱えたりとユニークな姿勢まで、様々な姿勢で寝ている方がいるかと思います。また、仰向けで寝たつもりが横を向いていたり、腕の上に頭を乗せていて腕がしびれたりなど、ふと目覚めると姿勢が変わっていることも多いと思います。
当然ですが、眠っているため意識的ではなくいつの間にか動いている感じなので、気にしてもしょうがない、と思う人もいるかもしれませんが、そんなことはありません。正しい寝姿勢を理解して、寝ている間にできる限り身体に負担がかからないようにすることが重要です。
その目指すべき理想的な寝姿勢は、ズバリ「仰向け寝」です。
単に上を向いて寝ればいいということではなく、首に力が入らない、自然でリラックスできる状態にしておくことがポイントです。
実は従来の枕は、仰向け用に開発されてる事が多いんです。多くの人が使っている枕の高さだと、横向きに寝た時に必ず巻き肩になり、首も傾けて寝る姿勢になってしまいますよね。これでは首肩の筋肉に負担になってしまうので、基本的には仰向けで寝ることをおすすめします。
反対に、うつぶせは身体に負担がかかってしまいます。顔の正面を枕に押し付けて寝ると窒息しますので、どうしても顔を横に向けることになると思います。この首のねじれが身体に負担をかける原因になります。ねじれた状態の首が頭の重みを受け止めることになるので、首は緊張して力んでしまい、リラックスできなくなってしまうんです。
――では、その理想の寝姿勢を睡眠時に保つためにできることはありますか?
実は、寝ている間ずっとうつぶせ状態を保つことは難しいです。寝返りは生理現象であり、一般的に人間が寝返りを打つのは8時間の睡眠の中で20回程度と言われています。それに長時間同じ姿勢でいると身体が固まってしまうので、むしろ寝返りは打ったほうがいいんです。
では、理想のあおむけ寝から寝返りを打った場合、横向きの姿勢でリラックスできるかどうかがポイントになりますが、そこで重要なのが“枕”です。うまくフィットする枕を使っていれば、あおむけと同様にリラックスして眠れますが、フィットしていない場合は首に負担がかかってしまいます。
例えば柔らかすぎる枕に頭が沈み込んでしまうとそこにはまり込んだかのように身動きが取れなくなります。高さのないぺったんこの枕でも寝返りは難しいです。しっかりと、寝返りが打ちやすい、寝返りを打ってもリラックスできる枕を選ぶことが大切です。
――理想の枕の選び方、良い枕の条件を教えてください。
最近は数万円もする高い枕や、自分専用につくることができるオーダーメイド枕も販売されていますが、どういう枕を選べばよいかに迷いますよね。値段が高ければいいというものでもないので、もし枕選びに困った際には、ぜひ以下の4つの条件に合うものを選んでみてください。
- 首の後ろが布団から浮かないよう、空洞を埋める厚みがある
- 頭が落ちないよう、寝返りしても余裕のあるサイズ(横幅60cmくらい目安)
- 頭が沈み込まないほど良い固さがある
- 寝返りで横を向いても肩が巻かないように、ある程度の高さ(10cmくらい)がある
特に、「枕難民」から脱出するカギは、首の後ろと布団との間に空洞が生まれないようにすること、につきます。そして実は、そんな理想を追求した、こだわりぬいた枕を自分で開発してしまいました。もし上記の条件を見ても「選ぶのが大変!」という人は、僕が開発した枕をぜひ試してみてください。
自分にフィットする枕選びを
ここまで3回にわたり、“理想の睡眠”をテーマに美容整体師の井上さんにお話を伺ってきました。なんとなく「睡眠は大事だ」とわかっていながらも、実際何をすれば良いのかわからない、と思っていた方も多いのではないでしょうか。そんな方はぜひ、まずは井上さんの教えに従って、自分に合う枕を探してみてはいかがでしょうか?