教えてくれたのは……抗菌博士 梶浦義浩さん
1985年、株式会社シナネンゼオミックに入社。以来抗菌剤「ゼオミック」の研究・開発に従事。現在は同社プロジェクト担当として、市場開拓も担当。抗菌試験管理士、臭気判定士の資格も有する。コロナ禍で抗菌博士として講師を務める。
歯ブラシには1億個以上の菌がついている!
「口腔内には非常に多くの菌が存在しています」と話すのは、抗菌博士の梶浦義浩さん。歯ブラシのお手入れをいい加減にしていると、菌が増殖する原因になるとおっしゃいます。
梶浦さん「歯ブラシ1本あたりには、1億個以上の菌がいるという報告もあります。使用済みの歯ブラシを濡れたまま放置していると、空気中に漂っているカビの胞子が付着して増殖したり、そのほかの菌が増殖して、臭気が発生することがあります」
抗菌博士おすすめ!歯ブラシのお手入れ3つのポイント
では、使用中の歯ブラシは、日々どのようにお手入れしたらいいのでしょうか? 梶浦さんが教えてくれた3つのポイントを紹介します。
ポイント1.使用後はしっかり水洗いして、乾燥させる
歯ブラシで菌が増殖するのは、口の中に残った食べかすと水分が主な原因です。歯ブラシを使ったあとは、流水でしっかりブラシの汚れを洗い落として水気を切り、乾燥させましょう。
ポイント2.ケースに閉まって持ち運んだときは、帰宅後に再度水洗いする
通勤先や旅行先へ歯ブラシを持ち運ぶとき、歯ブラシケースを使用している方もいるかもしれませんが、歯ブラシカバーを付けっぱなしにするのは絶対NG! 歯ブラシが十分に乾燥せず、菌が増殖しやすくなります。帰宅後は再度水洗いして、十分に乾燥させましょう。
ポイント3.電動歯ブラシは柄の部分も洗う
最近人気の電動歯ブラシ。本体とブラシ部分が取り外しできるものが多いですが、結合部分に水分が残っていると、内部にヌメリやカビが発生することがあるのだそう! 梶浦さんは、実際にカビが発生した電動歯ブラシを見たことがあるとおっしゃっています。
電動歯ブラシは、ブラシ部分に加えて、柄の部分も水洗いして、しっかり乾燥させましょう。
歯ブラシは定期的に交換しよう!
毎日使う歯ブラシは、思っている以上に摩耗しています。次のどちらかに該当したときは、歯ブラシを交換する目安。新しいものに取り替えましょう。
- 歯ブラシの毛先部分が開いている
- 歯ブラシの毛がへたっている
梶浦さん「虫歯の原因となるミュータンス菌は、バイオフィルムという微生物の集合体が発生すると増殖しやすくなります。口内にバイオフィルムを発生させないためには、汚れをしっかり除去することが大切。そのためには、十分な洗浄ができるへたっていない歯ブラシを使用することが必要なのです」
しっかりお手入れした歯ブラシは、歯のトラブルを防ぐ第一歩。虫歯と歯周病を予防して、歯を健康に保ちましょう。