どうしてそんなに痩せたがるの?
今も昔も、TVやYouTube、TikTokなどのSNSで、かわいい、綺麗と話題になるのは華奢でとても細い子が多いですよね。
インフルエンサーへの憧れに加えて、細さは努力で手に入れられる・目に見えてわかる結果がある点も、思春期の子のダイエット願望に繋がります。
夜は炭水化物を控えめにする、長めに半身浴をする、適度な運動をするなど、健康的なダイエットをする子もいます。
一方、極端に食べる量を減らす、家族と同じ食事は摂らない、痩せているのになお気にし続けるなど、心配になるような子も多いです。
どうしてそこまで「痩せ」にこだわるのでしょうか。
過度なダイエットをしやすい子の特徴
ダイエットへの思い入れには、体型だけではなく、性格や物事のとらえ方も関わってきます。
- 真面目に情報収集し、ダイエットを忠実にこなそうとする子
- 周りからの評価に重きを置き、褒められる容姿を目指す子
- 理想の体型になれるよう、食事を完璧に管理しようとする子
真面目で努力家、一つのことにハマりやすい子は、極端なダイエットをしたり、痩せてもやめられなかったりしやすいといわれています。
また、「痩せていないと価値がない」「痩せているのが正義」など、物事を極端にとらえやすい子も要注意。
早めの段階で声をかけ、極端な解釈にならないよう話し合っておくのが大切です。
まずは「わかってあげる」優しさを
「十分痩せているから必要ない」
「無理に痩せようとしてもリバウンドするから無駄」
「そのままで十分かわいいから大丈夫」
ダイエットをやめてほしい気持ち、今のままで十分と思う親心からこのように伝える人は多いです。
しかし、自分の気持ちを否定されると、「そんなことない」の押し問答になってしまいます。
まずは、「ママから見ると痩せなくてもいいように思うけど、どうしてそう思うようになったの?」「自分の身体のどこらへんがコンプレックスに感じるの?」など、理解しようとする姿勢が大切です。
現実的な対処法を一緒に考える
無理に食べさせようとしたり、言い聞かせようとしても逆効果になってしまいます。
- 家族の前では食べているふりをして、外ではまったく食べない。
- 親に相談しても”わかってくれない”と感じ、SNSの情報にのめりこんでしまう。
- 親は”自分を太らせようとしてくる存在”と思い、余計に反抗する。
「わかってくれないから、好きにやってやる!」と感じて家族から孤立してしまうと、思い込みが強くなり、極端な行動を取りやすくなります。
「思春期であれば容姿は気になるよね」と理解を示し、多少ご飯の量を減らしたり、野菜を多めにする、適度な運動を提案する、など寄り添った関わりが支えになります。
「ダイエットをやめさせる」のではなく、「健康的なダイエットにシフトさせる」のが必要なんです。
病気のサインが見えたら医療機関に相談を
「自分ももっと痩せていたらな」と思う子は多いですし、多少頑張って理想の自分に近づくのも悪いことではありません。
しかし、以下のような様子には要注意です。
- 標準体重の80%を切る。
- しっかり食べていても吐き戻しがあったり、下剤を使用して痩せようとしている。
- 食生活や体重減少によって、月経が止まったり乱れている。
- カロリーや体重の数値に執着し、他のことを楽しめていない。
- 体重が増えるのを極端に怖がる、自身の体型を客観視できない。
痩せにこだわったり、食事を拒否し続けていると、命に関わる病気になりえます。
まずは保健室の先生や小児科の栄養士さんなど、話しやすい方に相談してみるのがおすすめ。
そして必要であれば、心療内科やクリニックなど、こころの専門家を頼ってください。
健康的な身体作りと年齢に適した成長を支えていけるといいですよね。