雨の日になると必ず頭痛が…。頭痛をよりひどくしてしまう“5つのNG行動”を医師に聞いた

心と体

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2023.08.01

天気が悪くなると頭が痛くなる……。つらい症状に、鎮痛薬が手放せないという方も多いのではないでしょうか? 今回は、医学博士、循環器内科専門医の藤井崇博先生に「なぜ雨の日に頭痛が起こりやすいのか」と「頭痛を誘発しやすい5つのNG行動」について教えていただきました。気をつけるとよいポイントを知っておくことで、改善への一歩になるかもしれませんよ!

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もくじ

教えてくれたのは……藤井崇博(ふじいたかひろ)先生
雨の日につらい「頭痛」の正体とは
気圧の変化で、なぜ「頭痛」が起きる?
頭痛に対してできる対処法
頭痛を引き起こしやすくなる“5つのNG行動”
1.ストレスを溜める
2.光や音の刺激を受ける
3.アルコールの摂取
4.睡眠の過不足
5.カフェインの過剰摂取

教えてくれたのは……藤井崇博(ふじいたかひろ)先生

藤井崇博先生

医学博士、循環器内科専門医。
専門領域は循環器内科で、2021年までの約10年間大学病院、関連病院で臨床、研究、教育に従事。最近では循環器疾患含む内科外来の他にも、SNSやその他コラムなどでの健康に有益な情報の発信にも力を入れている。

雨の日につらい「頭痛」の正体とは

雨の日、または雨の日の前後に頭痛が起きるなど、天気が悪くなると体調がすっきりしないという声をよく耳にします。悪天候になると、なぜ頭痛が起こるのでしょうか?

雨の日につらい頭痛の正体とは出典:www.photo-ac.com

藤井先生「雨の日や雨の日の前後などに頭痛などの症状が生じることを、正式な病名ではありませんが“気象病”と呼びます。気圧、温度、湿度などの変化に対して体がうまく適応できないことによって症状が悪化します。

気圧の変化による頭痛に関しては、もともと片頭痛が基礎にある方に起きやすいと考えられます。医療機関で診断されていなくても、定期的に頭痛を起こす方には片頭痛を持病として持っている方が多くいる印象です。片頭痛が気圧の変化(特に低気圧)により起こりやすくなるのは、論文で報告されています。」

気圧の変化で、なぜ「頭痛」が起きる?

気象病の人は内耳にあるセンサーが感知しやすい出典:www.photo-ac.com

藤井先生「耳は外側から内側に向かって外耳、中耳、内耳とに分けられますが、耳の構造で最も体の内側にある内耳には気圧を感知するセンサーが存在する可能性が高いと考えられています。気象病の人は、気象の影響を受けない人に比べて内耳の感受性が高いことが仮説として言われています。

そのため、内耳にあるセンサーが気圧の変化を感知し、前庭神経が過剰に興奮することで自律神経(交感神経と副交感神経)のバランスが乱れることが気象病の原因に。
交感神経が優位になりすぎると、めまいや片頭痛、関節痛の悪化が起こり、一方で副交感神経が優位になりすぎると、眠気や倦怠感、抑うつ症状が起こりやすくなると考えられています。」

頭痛に対してできる対処法

頭痛がつらくて、仕事や家事などに集中できないなど日常生活に支障が出る方も多いと思います。痛みがあるときに自分でできる対処法はあるのでしょうか?

市販の頭痛薬でコントロール出典:www.photo-ac.com

藤井先生「気圧の変化によって頭痛が生じた場合は、市販の頭痛薬を飲むことで対応可能です。しかし、片頭痛の薬で市販薬として販売されていない薬も多くあるため、市販薬で痛みのコントロールが難しい場合や、めまいなどの他の症状も合わせて起きてくる場合には、医療機関を受診し診断、治療を受けるのが望ましいでしょう。そうすることで、安全かつ症状の改善が早いと考えます。

また、ストレス、空腹や断食、睡眠障害、香水などの匂い、首の痛み、明るい光、アルコール、煙などは、片頭痛を誘発する原因になります。気圧の変化で片頭痛が誘発された場合でも、これらを避けていれば頭痛は重症化せずに痛みのコントロールが改善する可能性があります。」

頭痛を引き起こしやすくなる“5つのNG行動”

藤井先生によると「日常生活の中での行動によって、頭痛をより悪化させてしまうことも考えられる」とのこと。そこで、頭痛を引き起こしやすくする“5つのNG行動”を教えていただきました。

1.ストレスを溜める

NG1.ストレスを溜める出典:www.photo-ac.com

藤井先生「なかなか難しいことではありますが、ストレスを回避するというのは片頭痛予防に効果的です。仕事場や家庭内など、私たちの身の回りにはストレスが満ち溢れています。ストレス反応で頭痛が現れていると思われる場合は、可能な限り精神をストレスから解放してあげましょう。」

2.光や音の刺激を受ける

NG2.光や音の刺激を受ける出典:www.photo-ac.com

藤井先生「まぶしい光や騒音といった刺激からも片頭痛が誘発されます。強い日差しに対してはサングラスを着用するのもおすすめです。また、喧騒な場所からは距離を置くことも片頭痛予防には効果的です。」

3.アルコールの摂取

NG3.アルコールの摂取出典:www.photo-ac.com

藤井先生「アルコールを摂取すると片頭痛が起こりやすくなります。特にポリフェノールが多く含まれている赤ワインは注意が必要です。飲酒の習慣がある方はうまくアルコールと付き合っていく必要があります。アルコールの量と内容を上手にコントロールするようにしましょう。」

4.睡眠の過不足

NG4.睡眠の過不足出典:www.photo-ac.com

藤井先生「睡眠時間が長すぎる、短すぎる等の睡眠障害があると、片頭痛を発症するリスクが高くなります。睡眠に入る時間を毎日一定に保ち、規則正しい生活を送る努力も大切です。適正な睡眠時間、質の確保を心がけてください。」

5.カフェインの過剰摂取

NG5.カフェインの過剰摂取出典:www.photo-ac.com

藤井先生「カフェインには血管の収縮作用があることで知られています。軽度の片頭痛であれば、コーヒーなどのカフェイン飲料を飲むことで症状が落ち着くことも多いでしょう。ただし、飲みすぎると逆にカフェインによる頭痛を引き起こすことがあるので注意が必要です。カフェインは適度な摂取に留めておくとよいですよ。」

5つの中で、心あたりがある項目はいくつありましたか? 気圧の変化による頭痛に悩んでいる方は、まずは日常生活の見直しから始めてみてはいかがでしょうか。

参考文献:
Hassan Kesserwani ,Migraine Triggers: An Overview of Pharmacology, Biochemistry, Atmospherics, and Their Effects on Neural Networks.Cureus. 2021 Apr 1;13(4):e14243.

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著者

shukana

shukana

小学生、幼稚園児の男の子のママ。出産前まで紳士服業界に携わり、TES(繊維製品品質管理士)の資格を取得。 暮らしをより楽しく、よりラクに過ごすための方法を日々模索中です。

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