教えてくれたのは……管理栄養士・関口絢子さん
料理研究家・管理栄養士・インナービューティスペシャリスト。「健康な体と豊かな心を育む食卓」をテーマに、季節の体の変化や旬の食べ物にフォーカスした食の知恵をお届けします。YouTubeでも体に優しいレシピや知識を発信。
丸ごと食べられるピーマン
今回は、ピーマンの栄養を丸ごと食べ尽くす、包丁を使わずに焼くだけで作れるレシピをご紹介します。
種やワタにも素晴らしい栄養素がたっぷり含まれています。特に、夏場のダメージをケアする栄養素が豊富に含まれています。今回は、丸ごと調理をしていきます。ご飯のおかずやお酒のおつまみにもおすすめの一品です。
ピーマンにはたくさんの栄養素が入っている!
じつは、ピーマンは野菜の中でもトップレベルのビタミンCが含まれています。ピーマンは1日1個から2個食べれば、1日に必要なビタミンCが摂れます。じつはレモンの1.5倍も含まれるんですよ。たっぷり作り置きをしておくと、栄養補給にも役に立ちます。
また、ピーマンにはヘスペリジンというポリフェノールが含まれており、ビタミンCの吸収を助け効率よく吸収できる特徴があります。また緑黄色野菜としてβ-カロテンが豊富で、若返りのビタミンとも言われるビタミンEも含みます。
これらは抗酸化物質なので、がん予防や免疫力アップ、また肌の健康にも重要な働きがあります。そのほかにも、体が喜ぶ栄養がたくさんあります。
- 種やワタ……ビタミンCはもちろん、カプサイシンやピラジンという成分が含まれる。血流を促進するので、ダイエット効果や冷え対策にも有効
- クエルシトリン(苦み成分)……高血圧の予防、血中脂肪の抑制効果が期待できる
- カリウム……夏場、汗で失われがちなカリウムも含まれる。脱力感や食欲不振を防ぎ、夏バテ予防にも役立つ
厳しい残暑にこそ、ビタミンCが多い食材をしっかり摂ることをおすすめします。
包丁は不要!「ピーマンの丸ごとしょうが焼き」
今回はピーマンをたっぷり使って、たくさん作っていきます。作りたい量だけ作るという感じで、お好みの量で加減してください。
ピーマンには、油に溶ける栄養素がたっぷり含まれています。油で調理した方が、効率よく栄養を摂れます。
材料
- ピーマン……10個
- しょうゆ(みりんと同量)……大さじ2
- みりん(しょうゆと同量)……大さじ2
- おろししょうが……大さじ1(お好みの量でOKです)
- ごま油……適宜
しょうゆとみりんは同量なので、ピーマンの量に合わせて調節してください。
作り方
1.ピーマンをきれいに洗います。大きめのポリ袋にピーマンをすべて入れて、1個ずつ袋の中でつぶします。ピーマンの上に手を置き、体重を上からかけて、ピーマンをつぶします。
ピーマンの種が飛び散らないように、袋の中に入れています。
2.ピーマンをつぶすと、ヘタの部分が外しやすくなります。すべてのヘタ(先端の硬い部分のみ)を、手で外してください。
※傷んでいるピーマンは種の中が虫食いになっている場合がありますので、ピーマンの中を見て、チェックしてください。
3.中に種とワタが残ったまま調理します。フライパンに少し油をひき、中火にかけます。フライパンにピーマンをすぐに並べて、焼きます。しんなりぺったんこになるまで、ピーマンの両面を焼いていきます。
〈ピーマンの焼き方ポイント〉
最初は油をからめるように焼き、ピーマンの表面が油でテカテカとしてきたら、コップ半分程度の水(分量外)を入れ、ふたをして蒸し焼きにします。
途中、ピーマンの焼き具合を確認して、柔らかくしたい場合は水(分量外)を足して、ふたをしてください。水(分量外)を加えてふたをすることを繰り返すことで、柔らかさを調節できます。
※コゲがつきそうな場合は、火を少し弱火にしてください。
4.ピーマンをお好みの柔らかさまで加熱したら、均等に火が入っているか確認をします。水分が残っている場合は、飛ばしてください。
水分がない状態にしてから、しょうゆ、みりん、しょうがを入れます。弱火にして、ピーマンに煮汁を染みこませます。
ポイント
火を強くして慌てると、ただ煮汁が煮詰まるだけで、ピーマンの中まで染みこみません。弱火にして、じっくりと調味料を絡めていく方がおいしくしあがります。
5.全体に煮汁を絡めて、火を止めて、できあがりです。煮汁を残している状態にすると、さらに味が染み込みます。保存容器に入れる場合は、ピーマンと一緒に煮汁も入れてください。
種もワタが入っていても、柔らかく煮えており、おいしくしあがります。また柔らかいので食べやすいです。
今回は、「ピーマンの丸ごとしょうが焼き」をご紹介しました。お弁当のおかずやお酒のおつまみにもおすすめです。ぜひ、冷蔵庫にストックしてください。
▼詳しいつくり方は動画で確認できます。
※こちらの記事は元動画の提供者さまより許可を得て作成しております。