夫婦の意見が違うことは、むしろチャンス
夫婦と言っても何でもかんでも意見が同じわけじゃありません。
まったく違う意見を持つこともあるでしょう。たとえば、受験。いまでは早ければ幼稚園、小学校受験に中学校受験と小さい頃から受験させる人もたくさんいます。
「小学校から受験して良い学校に入れさせてあげたい」と情報収集し、積極的に活動する妻(夫)。
一方で「まだ小さいんだし、そんなに無理させなくても」と習い事には積極的になれない夫(妻)。
ここでの問題は、受験することが正しいかどうか、ではありません。そうではなく、「夫婦で意見が対立していること」が大きな問題へと発展していく火種となるのです。
こうした意見の違いは、なにも受験だけで起こるわけじゃありません。
・スマホをいつ持たせるか?
・ゲームをどのくらい制限するか?
・習い事をどうするか?
などなど。
教育観や価値観の違いがあっても当然です。むしろ、自分とは違う価値観を学び、自分をアップデートさせる素晴らしいチャンスです。
意見の違いをアップデートのチャンスにするためには「相手の意見になって徹底的に調べる」こと。
自分で相手の意見の魅力を調べる
人は自分の価値観や意見を強化する情報ばかりを目にしてしまいます。
「受験がいい」と思っていれば、「受験でうまくいった事例」「受験をやらせずに後悔した話」などがどんどん入ってくる。
そこに相手から「受験しないほうがいいメリット」なんて説明されたって、まともに入ってきません。
だから、相手の意見になったつもりで、自分で調べるのです。
「受験がいい」と思ってるなら「受験しないほうがいい」立場になって、「受験がいい」を説得するつもりで調べます。
逆も同じ。
そうやってお互いの意見を逆の立場から調べてみることで、寄り添いながら話し合いすることができるようになります。
「子どもに聞いてみる」はどうなの?
子育てに関する意見の違いなら、「子どもに聞いてみよう」ということもあるでしょう。子どもに関することですから、本人の意見はとても大切だし、尊重するべきこともあります。
ただし、気をつけなくてはいけないのは「子どもに決めさせる」ときです。
たとえば「子どもがこう言ってるから」と自分の意見を強化するための材料として、子どもの意見を使ってしまったり。
「自分で決めたんでしょ」と長続きしなかったり、決断を守れなかったことを子どものせいにしてしまったりするのは、あまりよくありません。
簡単な決断や、子どもが自分の責任で守れる範囲のことであれば、裁量権をゆだねるのは大切です。でも難しい決断になるほど、子どもは大人ほど深い解像度で考えられていないこともあります。
安易に子どもに責任を押し付けない
年齢や性格によって、子どもが自分で責任を持てる範囲は違ってくるでしょう。
でも「子どもに決めさせたらいいじゃん」と安易に子どもに責任を押し付けるのは違います。
とくに、意見が割れて夫婦が揉めているときに、その決断を子どもに押し付けるような方法をとるのは、子どもにとって、重たい決断となるでしょう。
「(習い事など)まずは体験させてみて、様子を見てみよう」
「本人がどう思ってるか、話を聞いてみよう」
と、子どもの様子や意見を決断のための参考にしながら、夫婦でどこまで子どもの意見を尊重するかについても話し合ってみる。
子どもを尊重するとは、子どもをよく観察し、話を聞きながら考えることで、子どもに責任を押し付けることではありません。