教えてくれたのは……医療法人 春陽会 サクラクリニックの管理栄養士さん
愛知県名古屋市にある「医療法人 春陽会 サクラクリニック」の管理栄養士。生活習慣病、高血圧、糖尿病などのさまざまな疾患に対し、食事を通じたアプローチで指導を行っている。
NG1.「牛乳」×「ほうれん草」
ほうれん草は、牛乳との食べ合わせが悪い食材のひとつとされています。これは、ほうれん草に含まれるシュウ酸が牛乳に多く含まれるカルシウムの吸収を妨げてしまうためです。
牛乳のほかにも、カルシウムを豊富に含むチーズやヨーグルトなどの乳製品も、ほうれん草との組み合わせは避けたほうがよいとされています。
一緒に食べる場合、栄養を効率的に摂取するには?
ほうれん草に含まれるシュウ酸は、ゆでることで取り除かれます。そのため、カルシウムを多く含む食品と一緒に摂る際は、炒めたりレンジで加熱したりするよりも、ゆでる調理方法がおすすめです。こうすることで、ほうれん草とカルシウムどちらの栄養素も余すことなく摂取することができます。
牛乳は、カルシウムのほかにタンパク質も多く含まれています。そのため、運動後にすみやかに飲むことで筋肉の回復・筋肉量アップに効果があります。
NG2.「牛乳」×「トウモロコシ」
トウモロコシも、牛乳との食べ合わせが悪い食材です。これは、トウモロコシに含まれる食物繊維が牛乳のカルシウムの吸収を妨げてしまうため。さらに、お腹をこわしやすいリスクもあります。
消化酵素のひとつ「ラクターゼ」が不足すると、牛乳に含まれる成分「乳糖(ラクトース)」を分解しにくくなり、消化不良が起こりやすくなります。
トウモロコシは不溶性食物繊維が多いため、さらに消化に負担がかかってしまいがちです。胃腸が弱っているときには、一緒に食べるのを控えたほうがよいでしょう。
一緒に食べる場合、栄養を効率的に摂取するには?
トウモロコシと牛乳を使ってコーンポタージュにすると、消化がよく栄養もたっぷり摂取できる組み合わせになります。コーンポタージュはトウモロコシをクリーム状にしたものを使用するため、そのままトウモロコシを食べるよりも消化に負担がかかりにくいです。
また、トウモロコシの皮には不溶性食物繊維が豊富に含まれており、水分を吸収して便の量を増やしてくれます。身体に害のある成分を便と一緒に排出してくれるため、大腸がんのリスクも減らしてくれます。皮も捨てずに上手に活用してみてください。
意外と知らない「牛乳とのNGな食べ合わせ」をご紹介しました。調理方法を工夫しながら、おいしく健康的な食事を摂ってくださいね!