つい自分を責めてしまう人へ。幸福度を下げる“思考のクセ”と整え方

カルチャー

stock.adobe.com

2025.11.07

なんとなく自分を責めてしまうクセに心当たりはありませんか? 自己否定は、長年の思考習慣から生まれるもの。 まずはそのクセに気づくこと、そして少しずつ整えていくことが大切なのだそうです。心理学や脳科学に詳しいマインドトレーナー田中よしこさんに「幸福度を下げてしまう3つの“思考のクセ”と、向き合い方のヒント」を教えていただきました。

広告

教えてくれたのは……マインドトレーナー 田中よしこさん

田中よしこさん

株式会社コレット代表取締役。心理学、脳科学、コーチングの知見を取り入れ、「自分を本当に知る」ことをメソッド化。個人セッションやセミナーなどを中心に、潜在意識を整え、本心と「未来の理想の思考」を引き出す方法を伝えている。『モヤモヤしない考え方』(ワニブックス)/最新刊『私は私を幸せにできる』(KADOKAWA)がある。

1.褒め言葉を反射的に否定してしまう「謙遜のクセ」

日本人には、謙遜を美徳とする文化があります。しかし、せっかくの褒め言葉を反射的に「いえいえ、私なんか」「そんなことないです」と否定してしまうのは、もったいないこと。脳は、あなたが否定した言葉をそのまま受け取り、「自分には価値がない」と認識してしまいます。

対策:素直に「ありがとう」を伝える練習をする

お茶する女性出典:stock.adobe.com

褒め言葉をもらったときは、そのまま受け止め、「ありがとうございます。うれしいです」と笑顔で返してみましょう。最初は恥ずかしさを感じるかもしれませんが、相手の好意を素直に受け取ることは、自己肯定感を高める一番簡単なトレーニングです。「自分は褒められるに値する人間だ」と、脳に新しい回路を作っていきましょう。

広告

2.過去の失敗を何度も頭の中で再生してしまう「反芻(はんすう)思考」

夜寝る前やふとした瞬間に、過去の失敗や誤解を生んでしまった言動などを何度も思い出して、自分を責めてしまうことはありませんか? 

これは「反芻思考」と呼ばれ、過去のネガティブな経験を繰り返し考えることで脳が慢性的なストレス状態に陥り、自己否定を強めてしまうのです。

対策:次の行動を考える「建設的思考」の練習をする

伸びをする女性出典:stock.adobe.com

「あ、またあのことを考えているな」と気づいたら、すぐにストップします。そして、「この失敗を次はどんなことに活かせるかな」と、思考の流れを切り替えてみましょう。反省を自己否定で終わらせず、未来に向けた具体的な行動計画に結びつけることで、過去の失敗を“学び”へと昇華させることができます。体を動かしたり、場所を変えたりするなどの行動も、気持ちの切り替えに効果的です。

3.他人と自分を比較し続けてしまう「SNSスクロール」

SNSでは、他者の「成功」「充実した生活」「若々しさ」など、ポジティブな部分だけが切り取られて流れてきます。情報は絶え間なく更新されるため、キリがありません。

特に夜間や疲れているとき、無意識に友人や著名人と自分を比較する“SNSスクロール”を続けると、「それに比べて自分は……」という劣等感が生まれやすく、幸福度を大きく下げてしまうことになります。

対策:時間制限を設定し、意識的に「フィルター」をかける

スマホ禁止出典:stock.adobe.com

まずは、夜間のSNS断ちをしたり、通知をオフに設定したりして、比較する時間そのものを減らしましょう。そして、見るときには「これは編集されたハイライトだ」「他人の人生には見えない苦労や努力がある」と意識的なフィルターをかけるようにします。自分と他人との間に“適切な壁”を作り、「私は私、他人は他人」と言い聞かせることが大切です。

また、SNSを見る代わりに「机を片づけよう」「枕カバーを替えよう」など、自分のやりたいことや別のことに意識を向けるのも効果的です。

自己否定を手放して、幸福度を上げていく

自己否定の習慣は、長年の経験から染みついた「思考のクセ」のようなものです。大切なのは、それに気づいた自分を責めるのではなく、一つずつ新しい習慣で上書きしていくことです。今日から少しずつ、「心の言葉」や「自分への指示の出し方」を整えてみませんか?

広告

著者

shukana

shukana

小学生、幼稚園児の男の子のママ。出産前まで紳士服業界に携わり、TES(繊維製品品質管理士)の資格を取得。 暮らしをより楽しく、よりラクに過ごすための方法を日々模索中です。

教えてくれた人

田中よしこ

田中よしこ

株式会社コレット代表取締役。心理学・脳科学、コーチングの知見を取り入れ、「自分を本当に知る」ことをメソッド化。個人セッションやセミナーなどを中心に、潜在意識を整え、本心と「未来の理想の思考」を引き出す方法を伝えている。

この記事をシェアする

気になるタグをチェック!

saitaとは
広告

人気記事ランキング

ランキングをもっと見る