ストレスを避けるのが上手な子ども。“嫌な気持ち”との付き合い方をどう学ぶ?

家族・人間関係

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2026.06.08

臨床心理士・公認心理師のyukoです。今の子どもたちは、嫌な気持ちになる前に避けるスキルが高いように感じます。また、大人も子どもが嫌な気持ちになる前に配慮する機会が増えているかもしれません。このような環境の中で育ちにくいのが、嫌な感情を処理する経験。ストレスとの付き合い方は、どのように学んでいくのがよいのでしょうか。

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ストレスを避けるのは悪いこと?

昔からその場の空気を読むのが上手な小4の長女。やりたい係が他の子とかぶりそうになると手をあげない、友達と少し気まずくなるとすぐに距離を置く、習い事では苦手な子が入ってきたことを理由に行きたがらないなど、人との衝突を極端に避けるところがある。人間関係のトラブルはないものの、嫌な気持ちとの向き合い方や乗り越え方を学ぶ機会を失っているのでは、と少し心配に。

考える子ども出典:stock.adobe.com

最近の子どもたちは、“ストレスを察知して避ける力”が高い世代といわれています。

たとえば、

  • 空気が悪くなる前に離れる
  • 嫌な話題を避ける
  • 面倒な人とは関わらない

このような判断をする子どもが増えているように感じます。
もちろん決して悪いことではありません。
「みんな我慢してやっている」「嫌でも頑張るべき」と押しつけられ、心が壊れてしまうような時代より、生きやすくなったといえるでしょう。

一方で相談に来る子の中には、‟嫌な感情をどう扱えばいいかわからない”子が増えている印象があります。
嫌な気持ちを避けたい、嫌な気持ちをなかったことにしたい、傷ついたあとの回復の仕方がわからない。
このように感じやすい子どもたちを、どのように支えていけばよいのかを考えてみましょう。

「嫌なことを避ける」より「嫌なことがあっても大丈夫」と思える経験を積む

「即解決」しすぎない

心配性だったり、子育てに丁寧に向き合っていたりする親御さんは特に、子どもが嫌な思いをするとすぐに、

  • 学校に相談して対応してもらう
  • 習い事や遊ぶ場所など、環境を変える
  • トラブルのあった相手と距離を取らせる

など、動きが早いです。

もちろん必要な対応もありますが、すべてを即解決しようとしていると、子どもは「嫌な感情=すぐ消すべきもの」となっていきます。

大きなトラブルでなければ、

「それは嫌だったね」
「そんなこと言われたら傷つくよね」
「今は、もうやめたいって気持ちなんだね」

と、一度嫌な気持ちを受け止め、心に留めておく時間も必要です。

会話する親子出典:stock.adobe.com

すると、「嫌な気持ちがあっても、大丈夫なんだ」という感覚をもちやすくなります。

「切る」以外の選択肢を一緒に考える

子どもでも大人でも難しいのは、苦手な人・合わない人との付き合い方。
もちろん、一緒にいると毎回嫌な気持ちになる、傷つけられる子とは、距離を置いたほうがよいです。
しかし、「一言嫌なことを言われた」「昨日まで仲良くしてたけど、今日嫌な気持ちになったからもう切る」など、極端な対応をしようとしていたら少しフォローがあってもよいでしょう。

  • 「距離を少し調整してみたら?」
  • 「毎日一緒に帰ってこなくてもいいかもね」
  • 「クラスでは別の子といて、部活では今まで通り関わる方法あるかな」

など、“ゼロか100か”ではない関わり方も一緒に考えていくのが大切です。

 “機嫌を完璧に整えすぎない大人”を見せる

最近は、‟家庭の中で嫌な気持ちを見せてはいけない”と感じている親御さんが多いように感じます。
しかし、“大人が嫌な感情をどう回復させているか”を見て学ぶ経験も子どもにとって大切です。
そのため、子どもの前ではネガティブな気持ちを出してはいけない、愚痴をこぼしてはいけないと徹底する必要はありません。

  • 「今日ちょっと仕事で嫌なことあったから、元気なく見えるかも」
  • 「今日はなんだか小さいことでイライラしちゃうな。ご飯を手抜きにしてもいい?」
  • 「一週間とっても疲れたから今日はご飯のあとアイス食べちゃおうかな」

など、“感情を抱えながら調整している途中”を見せても大丈夫です。

伸びをする女性出典:stock.adobe.com

ストレスは「感じてはいけないもの」ではなく、「ある程度抱えていてもなんとかなる」と捉えていく中で耐性もついていくからです。

嫌な思いをしても、たくさん寝たら気持ちが軽くなる、美味しいものを食べて切り替える、人に話して整理する。
いくつかの選択肢を親が見せていけると、子どももストレスとの付き合い方が上手になっていきます。
嫌な気持ちを完璧に避けるのではなく、程よく付き合っていく術も身につけていけるといいですよね。

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著者

yuko

yuko

臨床心理士・公認心理師。現在は小児の総合医療センターと大学の心理教育相談センターにて勤務。児童期から思春期の子どもへのカウンセリングやプレイセラピー、子育てに悩む保護者の方への育児相談を専門にしています。色彩心理学やカラーコーディネートについても学んでおります。

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