「人の気持ちに敏感な子ども」に親ができる“3つのこと”【臨床心理士が解説】

家族・人間関係

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2026.06.12

臨床心理士・公認心理師のyukoです。周囲の気持ちに気づきやすい子は、先生の機嫌や友達の表情、グループ内の微妙な空気まで敏感に感じ取ってしんどくなることも。共感力や対人理解の高さは強みになる一方、本人の負担となってしまうことも少なくありません。“気づける力”をどう守り、どう付き合っていくかを考えます。

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周囲の感情を受け取るあまり、疲れてしまうわが子

小4の娘が、「研修旅行の班、私はいつものメンバーと一緒になれたけど、〇〇さんはどこのグループにも入れなくて」と話し出した。どうやらクラスで大人しくて内気な子がうまくグループに入れず、結局先生が割り当てたという。「気まずかったな、あのとき」と呟き、ご飯を残して部屋にこもってしまった。人一倍、周囲の気まずさや誰かの怒りや悲しみを受け取るわが子、繊細なのかな、敏感すぎるのかな。

悩む子ども出典:stock.adobe.com

周囲をよく見て、人の気持ちを感じ取り、配慮できる子。
共感力が高いのは、長所として捉えられることが多いです。

しかし、人の気持ちまで背負い込んでしまうと、心の負担が大きくなってしまいます。

たとえば、

  • 友達が落ち込んでいると自分も引きずられる
  • 先生がイライラしていると必要以上に緊張する
  • 家族の空気が悪いと、自分が何とかしようとする

人の気持ちを感じ取る力が高い子は、他人の感情に影響を受けやすくなることがあります。
周りの感情を受け取りすぎてしまう子には、どのような支えがあるとよいのでしょうか。

「周りの感情を受け取りすぎる子」に、家庭でできること

 「気づいたこと」と「責任」を分けて話す

他人の気持ちに気づいたうえで、自分にできることを探し始める子もいます。

たとえば、

  • 先生が忙しそうだと、質問するのを遠慮する
  • グループLINEで返信が来なくなると、自分が何か言ったほうがいいかなと心配する
  • 親が疲れている様子だと、面倒なことは言わないようにしようとする

そのため、気を遣いやすい子に対しては、「感じたこと」と「責任をもつこと」を分けて話す必要があります。

  • 「先生忙しそうで質問できなかった」→「声かけづらかったね。でも質問に答えるのも先生の仕事だから遠慮しなくていいんだよ」
  • 「返信ないけど、私がした方がいいかな」→「たしかに気になるね。でも毎回あなたが場を回す必要はないと思うよ」
  • 「パパが機嫌よくないから、今日はやめとく」→「たしかに疲れてるかも。でもパパの機嫌はパパ自身が整えるものだから気を遣わなくていいよ」

会話する親子出典:stock.adobe.com

気づいたことを受け止めた上で、責任を引き受けたり、場の空気を調整したりする必要はないと伝えられるとよいでしょう。

家庭の中では「説明しなくてもいい」を許可する

敏感な子は人の感情だけでなく、“場の空気”にも反応しています。
そのため、「なんか疲れた」「ちょっとしんどい」を説明できないことも多いかもしれません。
丁寧な親御さんほど、「何があった?」「理由は?」と原因を探して解決しようとしますが、説明させるとさらに疲れさせてしまうことも。

だからこそ時々は、「なんか疲れた日なんだ」「一人でゆっくりしたいかな?」など、説明しなくても大丈夫と伝えるのが支えになります。
周囲の空気に気づきやすく、気を遣える子ほど、説明まで頑張ってしまうもの。

「話したかったら話せばいいし、言いたくなかったら何も言わなくても大丈夫。」
家庭でこの感覚をもっておけると、気持ちの負担がぐっと軽くなります。

「優しいね」だけで終わらせない

周りをよく見て配慮できる子は、「優しい」「気が利く」「しっかりしてる」と言われやすいもの。
特に、下にきょうだいがいる子は、家でも外でも気を回す側になることが多いかもしれません。

気遣いを褒めようとして、「優しいね、助かった」「しっかり者だもんね」と評価すると、‟周囲を気にする役目”をさらに頑張ってしまいます。
"気遣いができる子”という、役割意識を強めてしまうんですね。

そのため、

  • 「今日は弟・妹のこと考えなくていいよ」と、親と二人きりの時間を作る
  • 「自分優先の日があってもいいんだよ」と、習い事を一回休むことを許す
  • 予定を決めるとき、「あなたが楽なのはどっち?」と気持ちを優先する

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家では、‟配慮しない自由”も伝えていくと、自分を大事にする感覚が育っていきます。

周囲の感情によく気づき、気を遣えるのは、対人関係を維持する上で長所となる力です。
しかし一方で、抱え込んだり、疲れてしまったり、本人の負担が大きくなりやすいもの。

そのような子に対しては、「気づいたとしても、全部抱えなくてもいいんだよ」と伝えていくのが大切です。
自他の境界を知っていくことで、"気づける力”は本人を苦しめるものではなく、強みとして捉えていけるはずです。

 

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著者

yuko

yuko

臨床心理士・公認心理師。現在は小児の総合医療センターと大学の心理教育相談センターにて勤務。児童期から思春期の子どもへのカウンセリングやプレイセラピー、子育てに悩む保護者の方への育児相談を専門にしています。色彩心理学やカラーコーディネートについても学んでおります。

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