「万一の備え」について26年前の1月17日を経験したわたしが今思うこと

カルチャー

2021.01.17

「忙しいワーキングマザーのための時短料理」を発信する時短料理研究家の田内しょうこさんによるコラム連載。 48歳、2人の子どもはそれぞれ高校生と中学生。子育て卒業を目前に控えた等身大の女性の毎日と、そこで得た気づきを連載形式で綴ります。

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キッチンのコンロが使えなくなって思い出した、あの日

昨夜、夕食の支度をしていたときに突然、コンロが壊れた。つけていた火がすべて消え、まったく点火しなくなってしまったのだ。困ったな。まだごはんがようやく炊きあがるかどうかという状態で、ほとんど何もできていないのに。

毎日、何気なくコンロで調理しているけれど、いざなくなってしまうと途方にくれる。わが家では炊飯器は使わずにごはんは鍋炊き、電子レンジも使用頻度が低く、調理のほとんどをガスに頼っている状態。いきなりガスが出なくなったらお手上げだ。とりあえず今日は仕方ない、インスタントのわかめスープでも作ろうかと思ってもお湯を沸かすこともできない。お湯がなければ、カップラーメンすら作ることができないのだ。電気ケトルを買っておくべきだったな、と後悔した。

異変に気づいた息子が「はい」とカセットコンロをさっさと出してくる。ああそうか、と我にかえり、わたしはIHクッキングヒーターを出した。幸いにも仕事柄、撮影で使うためカセットコンロは2台あるし、出張料理教室で使うために一口タイプのIHクッキングヒーターも2台ある。ガスコンロが止まったところでそれらを使えばよい、とわかっているはずなのに、いざコンロが壊れると慌ててしまった。備えあってこれなのだから、備えがなければどうなっていたことやら。

思い返してみると、これまでの人生で、キッチンのコンロをまったく使うことができなくなったのは、過去には一回だけ。実家が神戸にあった26年前、阪神淡路大震災で被災したときだ。

※表示価格は記事執筆時点の価格です。現在の価格については各サイトでご確認ください。

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著者

田内しょうこ

田内しょうこ

「働くママの時短おさんどん料理」「育休復帰のためのキッチンづくり」「忙しいワーキングマザーのための料理」「子育て料理」をテーマに、書籍や雑誌、ウェブサイトで発信。出張教室やセミナーのほか、食と子育て関連の情報発信を行う。著書に『時短料理のきほん』(草思社)、『働くおうちの親子ごはん』(英治出版)、『「今日も、ごはん作らなきゃ」のため息がふっとぶ本』(主婦の友)などがある。

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