検索が止まらない親へ。SNS時代の育児疲れを防ぐ“3つの方法”【臨床心理士・公認心理師が解説】

家族・人間関係

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2026.06.10

臨床心理士・公認心理師のyukoです。SNSでは「この対応でよかったんでしょうか」という親の不安、それに対する評価やバッシングがあふれています。今は、SNSや周囲の目により、親自身も「どう見られるか、正しく見えているか」を意識しやすい時代といえます。育児関連のSNSとどう付き合っていくかを考えます。

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子どもだけではなく「自分の子育て」も見張っている親たち

小4の息子と小6の長女。昨日はなかなか兄弟喧嘩がおさまらず、つい「いい加減にしなさい! ママだって限界なの」と怒鳴ってしまった。夜寝る前「怒りすぎた」と後悔。その後なんとなくInstagramを開くと「怒らない子育て」「子どもの気持ちを尊重する声かけ」などの育児動画が次々と流れてきた。こういう母親になれたらよかったのに、とつい自分を責めてしまう気持ちが止まらない。

悩む女性出典:stock.adobe.com

今の親は昔よりも、‟親としての自分が評価される時代”を生きているのではないでしょうか。
いつの時代も子育ては迷いながら行われてきましたが、今は「SNS/ネット記事/AI検索」など、大量の正解候補があふれています。
そんな中で、「私はちゃんとできているのだろうか」と悩み、情報を探す親御さんが増えているようです。
SNSと子育て、どのように距離を保てばよいのかを考えてみます。

SNSによる育児疲れを防ぐためにできること3つ

検索より先に自分の気持ちを確認する

「今の言葉がけであってた?」「同じようなトラブルにあった人はどう対応してる?」
不安になると、自身で感じたり考えたりする前に検索する癖が身についている人が増えているよう。
悪いことではないですが、自分の感覚より先に‟ネット上の正解”を見てしまうと、自分を責めたり不安が余計に大きくなることも多いです。

たとえば、子どもを叱ったあと、「怒鳴る 影響」「厳しくしすぎた」「子ども 自己肯定感 下がる」と調べ始める。
すると、「毒親体験記」「こんな声かけが子どもを苦しめる」など、厳しい記事や極端な例が目につきます。

そのため一旦調べる前に、「自分は何が気になっているんだろう」「どこに引っかかってるんだろう」と自身の気持ちを確認するのがよいでしょう。

外を眺める女性出典:stock.adobe.com

理想の親アカウントを見すぎない

最近のSNSには、

  • いつも穏やか
  • 子どもの気持ちを丁寧に聞く
  • 感情的にならない
  • 食事も生活も整っている

そんな‟うまくいっている家庭”が大量に流れてきます。

でも実際には、‟うまくいっている家庭(の一場面を切り取った)”動画にすぎません。
家庭にはむしろ、さまざまなあり方があった方が自然です。
声が大きい家。会話が少ない家。冗談が多い家。放っておく距離感が心地いい家。
大切なのは、親子が居心地よく過ごせているかどうか。

SNSを見続けると、‟正しい育児フォーマット”に合わせられていない自分に焦ることがあります。
しかし、画面の向こうの生活はテレビドラマと同様、一例に過ぎませんし、正解でもありません。
見て疲れるくらいの情報なら、距離をとるのがおすすめです。

不特定多数に答えを委ねすぎない

今は、育児の悩みをSNSですぐ相談できる時代。
役立つ一方で、親が苦しくなりやすいのは、評価され始めたときです。

たとえば、

「子どものLINEトラブルの対応、これでよかったのでしょうか」と不安を解消したくて呟いた投稿。
「お母さんの対応、間違ってないと思います!」と温かい言葉をくれる人もいる一方、「その言い方はないでしょう」「子どもに甘すぎでは? そんな対応では将来~」と厳しい意見も多く、自分のやり方は間違っていたんだと落ち込んだ。

疲れている女性出典:stock.adobe.com

SNS上には、相手に思いやりをもって発言する人もいれば、自身の考えや感情を一方的にぶつける人もいます。
また、正しく、思いやりをもって発言したつもりでも、結果として相手が傷つくケースも多々あります。

子育ての悩みは、300字程度の文章だけで伝わるものでもありません。
子どもの性格、家庭の空気、親子関係、問題の経緯や文脈によって、大きく変わりうるものだからです。
だからこそ不安なときは、世間に評価を求めるのではなく、「自分たち親子を知っている人の言葉」に目を向けるのが大切。
世の中的に正解かどうかではなく、この家庭に合っているかどうかが重要だからです。

子どもは、SNSに登場する丁寧で完璧に見える親を求めているわけではありません。怒ったり声を荒げることがあっても、わが家らしい、ふっと肩の力が抜ける親子の関わりが、一番落ち着くのではないでしょうか。

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著者

yuko

yuko

臨床心理士・公認心理師。現在は小児の総合医療センターと大学の心理教育相談センターにて勤務。児童期から思春期の子どもへのカウンセリングやプレイセラピー、子育てに悩む保護者の方への育児相談を専門にしています。色彩心理学やカラーコーディネートについても学んでおります。

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