乳がん検診の大切さを伝えるピンクリボンフェスティバル
「乳がんで悲しむ人を一人でも減らしたい」との想いから1980年代にアメリカで活動が始まったとされるピンクリボン運動。2000年ごろから日本でも盛んになり、今では定期的に耳にする活動となりました。
さまざまな団体が市民運動として草の根的に発展させてきた活動ですが、日本対がん協会などが主催しているのがこのピンクリボンフェスティバルです。
2003年から各地で乳がんの早期発見・適切な治療の大切さを伝える活動を続けており、乳がんで命を落とす人が一人でも減らせるよう、乳がん検診受診率の向上を目指してます。
活動の大きな柱は2つ。
●乳がんの普及啓発
・乳がんや検診、セルフチェックについて正しい知識を伝える
・若い世代にも関心を促す
・女性だけの問題にしない
・日本や海外の乳がんの現状を伝える
●乳がんの患者・家族等の支援
・最新の治療情報や生活面で必要とされる情報を伝える
・患者さんやサバイバーに勇気と元気を!
毎月19日は「ピンクの日」バストのセルフチェックを習慣化しよう
乳がんは、現在日本人女性の約10人に1人が生涯にわずらうと言われる大変身近な病気です。早期発見で治る確率の高い病気であるにもかかわらず、検診の受診率は全国平均で44.9%(2016年国民生活基礎調査:女性40-69歳)と、国の目標の50%に届かず乳がんで亡くなる方は増え続け、乳がんの罹患者数も最新の統計では推定約9万人以上となっています。
早期発見すれば90%以上が治癒が期待できる病気なだけに、定期的な検診と日ごろからのセルフチェックがとても大切になってきます。しかし、セルフチェックを毎月習慣化できている人は少ないのが現状。その理由としては、つい忘れてしまう、セルフチェックの方法がわからないという声が多いようです。
そこで「ピンクリボンフェスティバル」の取り組みのひとつとして、毎月19日を「ピンク(19)の日」とし、月1回のセルフチェックを思い出すきっかけをつくる活動を始めました。
次の項に紹介する「乳がんのセルフチェック」を毎月19日にやっていきましょう。
乳がんの早期発見へ「セルフチェック」の方法
【セルフチェック】の方法
①乳房の形を鏡でチェック
両腕を下げた状態で乳房の形を覚えます。
次に両腕を上げ、その時にくぼみやひきつれ、乳首のへこみ、湿疹のようなただれはありませんか?
②あおむけの状態でしこりをチェック
乳首が胸の上に平均に広がるように寝てください。
指の腹で圧迫するように乳房やわきの下に触れた時、固く小さなしこりはありませんか?
※バストの内側を調べるときは腕を頭の下へ、外側を調べるときは腕を下げましょう。
③指でつまんでチェック
あおむけのままで左右の乳首を指で軽くつまみ、キュッと絞った時、血のような液体は出ませんか?
【ポイント】
①乳房に触れるときは、指先でつまむのではなく、指の腹で軽く押すようにしましょう。
②乳がんができやすい乳首の上部、とくに外側をよくチェックしましょう。
【乳がんができやすい部位】
❶乳房上部外側 53%
❷乳房上部内側 19%
❸乳房下部外側 14%
❹乳房下部内側 6%
❺乳首 4%
❻全体 4%
定期健診とセルフチェックを忘れずに!
乳がんの早期発⾒のためには、定期的な検診が非常に重要です。その方法のひとつ、マンモグラフィー検査は、国の指針で「40歳以上の⼥性は、2年に1回マンモグラフィー検査による検診」が適切と定められています。年齢だけでなく乳腺タイプなどの個⼈差もあるので、専⾨医と相談して超⾳波検査との併⽤を検討してみるのもよいでしょう。
まずは⽉に1回、ピンクの日にセルフチェックを⾏い、⾃分の胸に関⼼を持つことからはじめてみませんか? 習慣化することで、胸の変化に気が付きやすくなり、早期発見につながります。
自分の胸を触ってチェックするほか、パートナーや友人らともセルフチェックの共有をすることもおすすめです。多くの人が知識を持ち、関心を持つことが乳がんで苦しむ人の減少につながるかもしれません。
乳がんは自分で見つけることのできる数少ないがんと言われています。
セルフチェックを習慣化するうちに自分のバストの状態がわかり、異常を早く見つけられるようになります。
そして40歳をすぎたら、2年に1回のマンモグラフィー検診の習慣もプラスしましょう。
※表示価格は記事執筆時点の価格です。現在の価格については各サイトでご確認ください。