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「出生前診断」は受けるor受けない?生まれるまで不安な高齢妊婦のリアルな声

家族・人間関係

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2021.11.22

「35歳以上の高齢出産は残念ながら、母体の出産リスクはもちろん、胎児にも疾患などのリスクがあることがわかっています」というのは看護学博士であり、現役の助産師でもある朝澤恭子先生。そこで希望すれば、事前に胎児の疾患の有無を検査する「出生前診断」が可能です。その詳しい内容について、朝澤先生に詳しくお話をうかがいました。

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教えてくれたのは……朝澤恭子先生

東京医療保健大学東が丘・立川看護学部看護学科准教授。看護学博士。看護学修士。助産師。看護師。妊娠、出産、不妊治療の臨床の現場に立ち会いながら、産後ケアなど婦人科目の論文を積極的に発表。各種メディアにて、不妊や生理など女性特有の悩みについての正しい知識を発信し続けている。

5種類ある出生前診断

エコー検査出典:stock.adobe.com

「出生前診断」といっても、いくつか種類があります。「胎児超音波検査」は、胎児の健康について調べるエコー検査のことで、高齢出産でなくてもすべての妊婦が100%受けるものです。

それに対し、「母体血清マーカー検査」「新型出生前診断」「羊水検査」「絨毛検査」は希望して受ける検査です。
実際は、妊婦全体で受けている方が7%なのに対し、高齢妊婦に限定すると、25%の方がこの検査を受けています*。

*参考:佐々木愛子ら(2016).日本における出生前遺伝学的検査の動向1998-2016.日本周産期・新生児医学会雑誌.54(1),101-107.

100%の確定診断は2つだけ

出生前診断出典:stock.adobe.com

5つもある検査ですが、実は100%正確なのは「羊水検査」と「絨毛検査」です。

「羊水検査は、羊水穿刺といって、直接子宮に針をさして羊水を採取します。そのため、高い数値ではありませんが流産のリスクもあります」(朝澤先生)

高齢出産で一気に上がる発症リスク

100%診断できる検査は1つだけ、さらにリスクも伴うのに、何故高齢妊婦の多くは、あえて「出生前診断」を受けるのでしょうか?

「それは高齢出産になると、胎児の染色体異常が徐々に増えていくからです。
ただ新型出生前診断は、認定遺伝カウンセラーが所属する認可施設で受けたほうがいいでしょう。
また、認可施設では誰でも受けられるわけではなく、いくつか条件があることを知っておいてください。
最近は、認可されていないのに遺伝カウンセリングをする病院もあるため、きちんと認可されているか調べてから受診しましょう」(朝澤先生)

母体年齢と先天性疾患の発生率母体年齢と先天性疾患の発生率
参考:Loane M, Dolk H, Morris JK; EUROCAT Working Group. Maternal age-specific risk of non-chromosomal anomalies. BJOG. 2009;116(8):1111-9.

母体年齢と児の染色体疾患罹患率母体年齢と児の染色体疾患罹患率
参考:Gardner RJM. et al. Chromosome Abnormalities and Genetic Counseling. 4th ed. New York: Oxford University Press:2011.

実際に受けた高齢妊婦の声は

出生前診断出典:stock.adobe.com

こんなリスクを負っても「出生前診断」を受けた、高齢妊婦の皆さんの声がこちら。

「40歳をすぎているので、異常がないことを確認して、安心して産みたかった」
「子どもに異常があったとしても、準備をして臨みたかった」
「主治医に勧められたので、羊水検査を受けた」
「勧められて受けたが、結果が出るまでは漠然とした気持ち、不安があった」

「出生前診断を受けるか受けないかは、情報を十分に得て、パートナーとよく考えてから受けて欲しいです。そのときは、遺伝カウンセリングを同時に受けることをおすすめします」(朝澤先生)

高齢出産になるとお腹の赤ちゃんのことなども心配になりますが、出生前に行えるさまざまな検査があることがわかりました。診断を受けたいと考える場合は、医師のほかに、遺伝カウンセリングなど専門家のサポートを受けることも大切なようです。

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