お話を伺ったのは……西岡壱誠さん
株式会社カルペ・ディエム代表。偏差値35から東大を目指すも、2年連続で不合格。崖っぷちの状況で開発した「思考法」「読書術」「作文術」で偏差値70、東大模試で全国4位になり、東大合格を果たす。著書『東大読書』『東大作文』(いずれも東洋経済新報社)は、シリーズ累計30万部のベストセラー。三田紀房『ドラゴン桜2』(講談社)の監修を担当。
『東大×マンガ』(内外出版社)
著者:東大カルペディエム
監修:西岡壱誠
価格:1,650円(税込)
受験生の子どもがなかなか勉強をしない……
親は子どもにしっかり勉強してほしいと願うもの。特に受験生の子どもがいると、なかなかスイッチが入らないわが子にイライラしたり、心配したりしてしまいますよね。そんなやる気の出ない子どものモチベーションを上げるために、親はどんなことをしてあげたらいいのでしょうか?
「やる気アプローチ」と「やる理由アプローチ」
西岡さん「お子さんは頭では勉強をしなければいけないとはわかってはいると思うのですが、いざ机に座っても集中できない状況なのかもしれませんね。
勉強へ気持ちを持っていくには『やる気アプローチ』と『やる理由アプローチ』の2種類あるのですが、まずは『やる気アプローチ』の場合は、本や漫画、テレビ番組を使うのも効果的です。たとえば『ドラゴン桜』のような漫画やドラマを見ると『勉強しようかな?』という気持ちになります。
また、『3月のライオン』という漫画もやる気の起爆剤としてはもってこいの作品です。私も受験生のときは、この作品を読んでモチベーションを上げていました。親がガミガミ『勉強しなさい』と言うよりも、身近にある漫画でもやる気を引き出すことはできます。
対して『やる理由アプローチ』も大事です。私は、今の子どもたちは頭がいい子が多いと思っています。そういう子たちは『勉強ってやって意味あるの?』と考えていることも多いです。
『やる気が出ない』、『なんかサボってしまう』という子は脳の中の島皮質(とうひしつ)と呼ばれる、『報酬』を司る部分が関係しているかもしれません。つまり、『これをやれば、僕は(私は)どれくらいもらえるんだろう』と、損得勘定を計算してしまう部分が働きすぎてしまい、『やったところで意味あるのかな?』と考えてしまう傾向にあります。」
「勉強ってやる意味あるの?」に対する親がとるべき行動とは?
西岡さん「『勉強って意味あるのかな?』と思っている子に親がとるべき解決法として、2つのアプローチがあります。
1つ目はシンプルに「報酬」を与えてあげること。たとえば、好きなお菓子や欲しがっていた文房具など、その子が頑張ったことへの『ご褒美』をあげることでモチベーションが上がり、『また次も頑張ろう』という思考に変化する子が多いです。
2つ目は親が『勉強をやる意味』について子どもと一緒に考えることです。『勉強ってどうしてやらなければいけないんだろうね?』と子どもに問いてみて、その答えを一緒に考えてあげてください。たとえば『お母さんも子どものころはどうして勉強しなければならないのか不思議だったけれど、勉強がわかるようになったらコレが面白くなったよ』、『お父さんは勉強をしたから、子どものころからなりたかった職業につけたんだ』など、その子が勉強をやる理由を一緒に探してあげてください。
勉強をやる理由の答えを導いてあげておくと、ふと『なんで勉強しなきゃいけないんだろう』と再び思ったときに『そうだ! この間、お父さんとお母さんと話して、こういう理由だったな。よし、頑張ろう』と、その想いが原動力となり、勉強に対してのモチベーションが保たれます。」
子どものやる気が出ないといった悩みは、大半のご家庭で直面することかもしれません。そんなときはお子さんに「勉強しなさい」と頭ごなしに言うのではなく、問題の解決に向けて冷静に考え、行動してみてはいかがでしょうか。