教えてくれたのは……新見正則先生
オックスフォード大学医学博士(免疫学)。新見正則医院院長。
外科医×免疫学者×漢方医。2013年イグノーベル医学賞受賞(脳と免疫)。世界初の抗がんエビデンスを獲得した生薬フアイアの啓蒙者。最新刊『フローチャートコロナ後遺症漢方薬』
「セルライト」って一体なに?
新しい年を迎えて、ダイエットに取り組んでいる方もいるかもしれません。下半身、とくに太ももやおしりはなかなか痩せにくい部位のひとつ。太ももの裏側をよく見てみると、皮膚がデコボコしている……なんていうことはないでしょうか。太もも周りにはセルライトがつきやすい、と聞いたこともあるかもしれませんが、セルライトとは一体どのようなものを言うのでしょうか。
「セルライトとは、脂肪内に病的な繊維組織が蓄積した状態のこと。やわらかい脂肪ではなく、筋張っているのです」と教えてくれたのは、新見正則先生。セルライトは、俗に「オレンジの皮のような皮膚」とも表現されるのだそうです。
新見先生によると、セルライトは皮下脂肪が多い部位にできやすいとのこと。
たとえば、おしり、おなか、太もも、二の腕などが、それにあたります。
セルライトができる詳細な原因は明らかになっていませんが、加齢や肥満、皮下脂肪の増加、運動不足や食生活のアンバランス、喫煙、リンパ浮腫などによって起こるといわれているそうです。
「セルライト」がつきやすい体質とは?
「セルライトは、漢方的に『虚証』の人につきやすいと考えられています」と新見先生。
「虚証」とは、人それぞれの体質をあらわす漢方用語で、次のような特徴があるのだそうです。
「セルライトがつきやすい人」の12の特徴
- たくさん食べていなくても太りやすい
- むくみやすい
- 筋肉が少ない
- 運動不足
- 冷え性、寒がり
- ずっと立っているのが苦手
- 弱々しい
- 肉類が嫌い
- 甘いものや果物がとくに好き
- 食事量が少ない
- 下痢になることが多い
- 何ごとにも我慢ができない
「セルライト」は減らせる
では、セルライトはどうしたら減らせるのでしょうか?
新見先生は、次のように解説しています。
「セルライトは、脂肪内に病的な繊維組織が蓄積した状態です。病的な繊維組織は、一度できると簡単には取れませんが、脂肪はエネルギーとして燃やせば減少します」
脂肪をエネルギーとして燃やすために、新見先生がふだん運動していない人向けにおすすめしているのが、「散歩をすること」。
ダイエットするなら走らなきゃ! と思いがちですが、ふだん運動をしていない人が見よう見まねでいきなりジョギングを始めると、ケガの原因になるとのこと。
もし負荷を強くしたいのであれば、「プールでの水中歩行がおすすめ」とおっしゃっています。
ほかにも、バランスの良い食事や禁煙、漢方薬なら防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)や柴苓湯(さいれいとう)がおすすめと新見先生。「人によって効果に差があるので、いろいろ試して、自分にあう方法を見つけてください」とお話しされています。
セルライトがあるから痩せづらいのだと諦めずに、まずはからだを動かすことからスタートしてみましょう!