教えてくれたのは……李 滝二さん
医療法人藍整会 なか整形外科 京都西院リハビリテーションクリニック 理学療法士。
理学療法士免許取得後、スポーツ整形外科で勤務。バレーボールVリーグ(サントリーサンバーズ)のトレーナーも務める。プロスポーツ選手のトレーニング、一般の方のボディメイクなど、幅広く活動している。
初心者でも気軽に始められる時短トレーニング「HIIT(ヒット)」
前回の記事では、李さんがおすすめするトレーニング方法「HIIT(ヒット)」のカロリー消費量や、行うベストなタイミングについて、ご紹介しました。
HIITとは「High Intensity Interval Training(高強度インターバルトレーニング)」の略で、負荷の高い運動と小休憩を繰り返すトレーニング法。
20秒間の運動と10秒間の休憩を8回繰り返す(1セット2分を2セット行う)だけ、さらに特別な道具がなくても簡単にできるので、初心者の方にも取り入れやすい“時短トレーニング”としても注目を集めているのだそうです。
今回は、自宅でできる「HIITのおすすめトレーニング」を、李さんから4つ伝授していただきました。いずれも畳1枚分ほどのスペースさえあればできるので、さっそくチャレンジしてみましょう!
1.「バービージャンプ」
1.両足を肩幅ほどに開き、真っ直ぐ立った状態から素早くしゃがみます。
2.床に手をつき、腕立て伏せのようなポーズになります。
3.腕立て伏せの姿勢から膝を胸に引き寄せ、素早く立ちます。
4.素早く立った勢いのまま、両手を上に上げてジャンプします。
休むことなく1~4をくり返し、なるべく全力で20秒間行いましょう。
2.「スクワットジャンプ」
1.両足を肩幅よりも広く開き、つま先を少し外に向けます。
2.太ももが地面と平行になるまで腰を落とします。
3.腰を落とした状態から素早くジャンプします。
足の裏のちょうど真ん中辺りに重心があることを意識しながら、1~3までをくり返し20秒間行いましょう。
3.「ニーハイ(ももあげ)」
1.両足を肩幅に開いて立ちます。
2.その場で早く走るように両腕を大きく振ります。このとき、太ももはなるべく高く上げます。
休むことなく1~2をくり返し、全力で20秒間行いましょう。
4.「マウンテンクライマー」
1.腕立て伏せの姿勢になり、両手は肩の真下の置きます。このとき、腰は反らないように少し丸めた姿勢を取ります。
2.両方のつま先をしっかりと立てた状態で、片方の膝を胸に近づけるように素早く動かします。
3.左右の足を入れ替え、反対の足も膝が胸に近付くように素早く動かします。
腰が反らないことを意識しながら1~3をくり返し、全力で20秒間行いましょう。
メニューの組み合わせ方は自由とのことなので、4分間の中で1~4をすべて行うもよし、1と2だけを行うもよし、自分のやりたいメニューを組み込んで全力で行ってみてくださいね!
ダイエット以外にも、うれしい効果!「HIIT」で得られる3つのメリット
ダイエットに効果的なHIITですが、李さんによると「HIITには脂肪燃焼効果以外にもメリットがある」とのこと。ポイントを伺いました。
1.基礎代謝の向上
李さん「高強度な運動で体に負荷をかけるHIITトレーニングは、一時的に酸素が不足する酸欠状態を作り出します。トレーニングが終わると大量に酸素を取り込むことになり、呼吸に対してエネルギーが多く使われるようになるため、基礎代謝の向上が期待できます。
また、有酸素運動だけを長時間行うとエネルギーが不足し、筋肉を分解してエネルギー源にしようとする働きが起こります。そうすると筋肉量が減少し、基礎代謝は低下しやすくなるのです。
HIITトレーニングは強い負荷がかかる筋トレなどの無酸素運動を中心としたトレーニングなので、筋肉量を増やすことができ、基礎代謝の向上につながります。」
2.アフターバーン効果
李さん「アフターバーン効果とは、トレーニング中だけではなく、終了後もしばらくの間、カロリー消費が続く現象のことを指します。HIITトレーニングで酸欠状態になった体は多くの酸素を消費するため、通常よりもエネルギーが消費されます。
さらに、ダメージを受けた細胞の修復にもエネルギーが必要なため、運動後もカロリーが消費されると言われています。」
3.持久力の向上
李さん「短時間で高強度のトレーニングを行うHIITトレーニングは、無酸素状態になった後で大量に酸素を取り込むため、肺機能の活性化が期待できます。
血液中の酸素を全身に行き届かせようと心臓の動きも活発になり、必然的に心肺機能が鍛えられるため、体力・持久力の向上にもつながるでしょう。」
短時間でできるだけでなく、痩せやすい身体づくりに、さらには体力アップも狙えるトレーニング法の「HIIT」。李さんに教えていただいた4つのトレーニングで、今度こそ健康的に痩せられるダイエットに取り組んでみませんか?