教えてくれたのは……大嶺 卓司先生
腎・泌尿器科 おおねクリニック院長。
“世の光であれ!(来院することで元気になれる希望の光のように)”、“ 守侍医として(患者さんの側に侍り、病から守る)” 、 “地域の健康ステーション”を基本理念として、泌尿器科専門医としての専門性を生かし、地域のかかりつけ医として貢献したいと考えています。
男性の更年期障害を発症しやすい人「7つの特徴」
前回の記事では「男性更年期障害の特徴」や「よくある症状」について、お話を伺いました。
大嶺先生によると、更年期障害を発症しやすい人には特徴があるとのこと。下記の7つに当てはまる方は、要注意なのだそうです。
- 仕事や家庭で責任を負う責任世代である
- 責任感が強い
- 過度のストレスを抱えている
- ストレスを発散する趣味などがない、あってもその時間が取れない
- ストレスをため込む傾向がある
- 食生活が不規則
- 睡眠不足が常習化しているなど
大嶺先生「男性の更年期障害に大きく影響する男性ホルモンのテストステロンは、社会性ホルモンといわれています。定年後などで生活リズムが乱れ、社会との関わりが極端に減少すると、男性ホルモンが減っていきます。
社会的な役割がある、趣味などをもって人生を楽しんでいる方は、ホルモン分泌が低下しにくいといわれているため、無趣味で家の中で体も動かさず、ボーッとする機会の多い方は注意が必要です」
「夫が更年期障害かもしれない」と思ったときにできることは
「最近、夫の様子が変わったかも……」と、パートナーの変化に気づいたときに、家族としてどのようなことができるのでしょうか。そのポイントを教えていただきました。
大嶺先生「倦怠感などの症状が、体のどこかの悪性腫瘍や神経疾患などの兆候である場合もあるので、まずは全身の精密検査が必要となります。
そのうえで、特に異常が見当たらない場合は、パートナーの方自身が女性の更年期障害を経験されている場合では『私と同じかもしれない』『男性の更年期かもしれない』などと、男性更年期障害を疑ってみることが大事です。男性のうつの半分が、じつは男性更年期障害だともいわれています」
治療法があることを知っておく
男性更年期障害だと判明したときには、治療する方法もあるのだそうですよ。
大嶺先生「適切な男性ホルモン補充療法などの治療を行うことで、元気ではつらつとした生活に戻れることが大半です。家族の方は、しっかりとした治療法があることを知っておくことが大切です。
日本メンズヘルス医学会では、メンズヘルス外来やテストステロン治療認定医をホームページで掲載しているので、検索していただくとよいと思います」
まずは、「男性にも更年期障害がある」と理解することが必要です。さらに、夫婦で一緒に散歩やウォーキングするなど、外に出るきっかけや楽しみをつくりながら、心身ともに健康的なライフスタイルを築いていけたらよいですね。