5月は「熱中症」が増える。熱中症が疑われる場合の“4つのNG行動”

心と体

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2024.05.04

“熱中症は夏に起こるもの”と思っている方も多いかもしれませんが、総合内科専門医の高木謙太郎院長によると、じつは5月ごろから警戒が必要なのだそうです。今回は「5月に熱中症がなぜ起こるのか」「熱中症を疑った際に注意すべきポイント」について教えていただきました。

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教えてくれたのは……高木 謙太郎院長

高木謙太郎院長出典:www.yotsuya-naishikyo.com

東京慈恵会医科大学附属柏病院、東京都立墨東病院勤務などを経て、2022年に「予防医学を世の中に広め、健康寿命を伸ばし社会に貢献する」を理念に、四谷内科・内視鏡クリニックを開院。「胃がん、大腸がんで亡くなる人をゼロに」をミッションに、人と人のつながりを大切にした、専門的で高度な医療の提供を行う。

「5月の熱中症」に要注意!夏の熱中症との違い

多くの人は「夏に熱中症対策をすればよい」と思ってしまいがちですが、実は5月は熱中症が増える時期なのだと、高木院長は指摘します。それは、なぜなのでしょうか。

高木院長「春から夏への季節の変わり目である5月に起こる熱中症は、その時期特有の環境変化に適応できないことが原因と考えられます。夏の熱中症との違いは、以下の3つのポイントがあります」

夏に熱中症が増える理由出典:www.photo-ac.com

1.急激な温度変化
急激に気温が上昇する日が認められ、25度以上に気温が上昇すると身体が適応するのが難しいと考えられます。

2.水分摂取の不足
春は、夏に比べて水分摂取が疎かになりがちなため、脱水状態から熱中症を発症しやすいと予想されます。

3.体力の差
子どもたちの体力には学年による差があり、特に低学年の間は熱中症の発症が多く見られます。そのため、部活動などの活動時は特に注意を払う必要があります。

熱中症の症状は3段階にわかれる

熱中症は、重症度により3つの段階に分けられるとのこと。緊急を要する場合もあるため、いざというときのために知っておきましょう。

  • 「軽症のI度熱中症」……めまい、立ち眩み、筋肉痛、体がつる、大量の発汗等の症状が認められます。現場での応急処置で対応可能です。
  • 「中等症II度熱中症」……頭痛、吐き気、嘔吐、倦怠感、虚脱感、失神が認められます。病院への搬送を必要とします。
  • 「重症III度熱中症」……意識障害、手足の運動障害、けいれん、高体温が認められます。入院し、集中治療を必要とします。

熱中症が疑われる場合の「4つのNG行動」

熱中症が疑われるときにやってはいけない行動として、高木院長は以下の4つを挙げています。ただ単に水分補給をすればよいのではなく、「何を摂取するか」も重要なポイントになるようです。

4つのNG行動出典:www.photo-ac.com

NG1.温度と湿度の高い室内にエアコンがない状態で過ごす。
NG2.水分を摂取せずに運動を続ける。
NG3.アルコールとカフェインを摂取する。
NG4.甘いスポーツドリンクや、塩分を含まないお茶や水のみで水分補給する。

高木院長「アルコールとカフェインは脱水の原因になるため、控えましょう。加えて、熱中症の状態のときは発汗が原因で体内の塩分が不足しているため、塩分を意識的に摂取することも大切です。

スポーツドリンクは塩分も含まれますが、糖分が多く含まれるため、尿糖が排泄される際に水分も排泄されます。スポーツドリンクは摂取しないよりは摂取したほうがよいですが、強くお勧めはしません。むしろ経口補水液オーエスワン(OS-1)を推奨してします。熱中症の症状が認められる場合は、早めに医療機関に相談してください」

熱中症にならないためには「対策と予防」が大切

最後に、熱中症になりにくくする対策と予防について教えていただきました。

熱中症にならないために出典:www.photo-ac.com

高木院長「熱中症の対策で重要なのは、脱水を防ぐためにこまめに水分補給をすること、涼しい場所で休憩をとること、冷たいタオルや扇風機及びエアコンで体温調節をすることです。

また、睡眠不足にならないように十分な休養をとること、高カロリー食は避けて栄養バランスのとれた食事内容を心がけることも熱中症のリスクを下げることにつながります。規則正しい生活を心がけましょう」

これから、ますます温度や湿度が高くなる時期。夏本番ではないからと油断せず、今からしっかりと対策をして、健やかに夏を迎える準備をしましょう!

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著者

shukana

shukana

小学生、幼稚園児の男の子のママ。出産前まで紳士服業界に携わり、TES(繊維製品品質管理士)の資格を取得。 暮らしをより楽しく、よりラクに過ごすための方法を日々模索中です。

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