煮え切らない返事ばかりでイライラ
小5の息子と今後の習い事について話したときのこと。「もし受験するなら、習い事を少し減らすか考えた方がいいかもね。どう思う?」『うーん』「サッカーはどうしていく?」『うーん』「塾のカリキュラム増えていったらきつくなると思うけど」『そうだよね』と煮え切らない返事ばかり。つい、「ちょっと、ちゃんと考えてよ!」とイライラしてしまった。自分のことなのに、どうして他人事のようなんだろう。ちゃんと考えてほしいけどどうしたらよい?
小学校後半になると進路や習い事、友だち関係など、 子ども自身の選択が増えていきます。
中学に向けて自立していくときだからこそ、親は子どもに「自分のことは自分で考えてほしい」と思うように。
だからこそ、
- 「ちゃんと考えてる?」
- 「どうしたいの?」
- 「自分のことなんだから考えなさい」
などと声をかける親御さんは多いです。
しかし、子どもから思うような回答が得られず、もやもやするばかり。
なぜ、「ちゃんと考えてる?」と聞いても、しっかりした返事が返ってこないのでしょうか。
「ちゃんと考えて」が通用しないのはなぜ?
「ちゃんと考えて」「自分のことなんだよ、どうしたいの?」
実はこれ、子どもにとってはかなり難しい問いなんです。
たとえば、習い事を続けるかどうかを考える場合でも、子どもの頭の中には
- サッカーは好き
- 友だちと離れたくない
- でも塾も気になる
- 勉強も不安
- でもやめたくない
と、いくつもの気持ちが同時に存在しています。
まだ整理されていない思考を「どうしたい?」と一言で聞かれると、頭の中がフリーズしてしまいます。
「ちゃんと考えなさい」と言ったとき、大人が求めているのは
- いくつもの気持ちがあることを理解する
- 優先順位やそれぞれの気持ちの強さを整理する
- 総合してどの選択がよいかを判断する
- 自分の言葉でまとめて意思を伝える
と、なかなか難しいものなんですね。
そのため、思考の整理や言語化を手伝ってあげる必要があるんです。
「うーん」で終わらせないために。子どもが考え始める問いの作り方
気持ちを分けて聞く
「続けるの? やめるの? どっち?」→ 「続けるメリット、嬉しい点は何だと思う?」「やめるって決めたらどんな気持ち?」
「決めて」と迫られると、子どもは答えに詰まりやすくなります。
まずは気持ちを分けて考える質問にすると、自分の価値観を整理し始めます。
困っている部分を聞く
「なんで決められないの?」→ 「生活が変わるとしたら、ちょっと心配なところはある?」「塾が始まったら何が一番きつそう?」
人は「困りごと」を言葉にすると、そこから解決の思考が動き始めます。
決められない理由を責めるより、引っかかっている部分を一緒に見つけていく方が考えやすくなります。
仮の選択肢を作ってみる
「結局どうしたいの?」→ 「もしサッカーを続けるとしたら、どう工夫したらいけそう?」「もし塾を2コマにするなら、どんなスケジュールになるかな」
決断ではなく“仮の選択”を考えると、人は思考を進めやすくなります。
途中の考えを聞く
「要するにどうするの? 決まった?」→ 「今の時点では、どっち寄り?」「何パーセントくらい気持ちが傾いている?」
このように聞くと、子どもは「完璧な答え」を出すプレッシャーから解放されます。
考えの途中を言葉にすること自体が、思考の整理につながっていきます。
子どもは「うーん」の中で考えている
大人のように考えを整理してまとめて言語化するのは難しい年頃。
「自分で考えて決めてほしい」と思う親御さんは多いですが、「自分で決めること」と、「結論を言わせること」は違います。
うまく考えられないところは大人がサポートしながら一緒に思考をまとめ、「よし、このプランでいこう」と心の底から感じられたら、初めて「自分で決めた」といえます。
「うーん」は考えていないサインではなく、心の中が見えていない状況。
少し時間がかかっても、子どもにとって後悔のない選択を積み重ねていけるといいですよね。



