決めたあとに残る、“これでよかったんだろうか”の気持ち
小5の息子。受験勉強に本腰を入れるため、塾のコースを再考することに。息子は「どっちでもいい」と言っていたが、話していく中で私が「こっちの方が将来いいよね」「このコースの方が安心だよね」と言葉を重ね、気づけばその流れで決まっていった。ふと振り返り、“息子は決まったことに何も言わないが、本音はどうだったんだろう”とモヤモヤ。思えば習い事も志望校の選択も、どこか私が誘導してきたかもしれない。
進路や習い事の選択は、どれも「これが正解」と言い切れるものではありません。
真剣に考えている親御さんこそ、「もっといい選択があったのでは」「本音を引き出せていなかったかも」と考えてしまうもの。
決断したあと、ふと振り返ったときに思う、“これでよかったんだろうか”という気持ちとの付き合い方を考えます。
後悔と付き合うために、親ができる関わり方
習い事を始めるときや、やめるとき。志望校を決めるとき。転校をさせるとき。
子どもを思う親御さんほど、「子どもに合っている選択だったか」「子どもの気持ちを大切にできていたか」迷いが残ります。
まだ自立していない子どもが選択をするにあたって、完全に中立な状態で選ぶことは、ほとんどありません。
親の言葉、安心感、不安、期待。そうしたものが混ざり合いながら、選択は形づくられていきます。
つまり、多少の「誘導」が含まれるのは自然なことなんですね。
では、親が感じる「やってしまったかも」という感覚とは、どう付き合っていけばよいのでしょうか。
1.過去を正すより、今の気持ちを聞く
- 「あのときどう思ってたの?」→「今やっていて、どんな感じ?」
- 「本当は別の選択がよかった?」→「今の状況で、モヤモヤしていることはある?」
過去の本音を掘り返すより、現在の感覚に目を向けるのが大切です。
子どもは、あとから気持ちが変わることも多いもの。
「今どう感じているか」を言葉にし、共有する中で修正するのが大切です。
2.“やり直し可能な空気”をつくる
「一回決めたから続けなきゃ」ではなく、「やってみて違うなと思ったら変えていいよ」と伝えておくのは、子どもにとって大きな支えとなります。
「一度決めたなら最後まで」を責任感と捉える方もいますが、“やり直せる”という安心感があることで、前向きに頑張れる子は多いです。
選択を“固定されたもの”から“動かせるもの”に変える関わりも大切なんですね。
3.親の迷いをそのままぶつけない
「あっちの方がよかったかな?」「やっぱりこっちじゃなかったかな」と不安や迷いをぶつけてしまうと、子どもも“自分の選択は間違っていたのかも”と感じやすくなります。
モヤモヤは言葉に出さず、「色々悩んだけど、今の選択の中で最善を尽くそう」と整理するのが大切です。
4.「決め方」を振り返り、次に生かす
過去を振り返るときは、選んだ内容よりも「どうやって決めたか」を思い出してみてください。
- 「何を大事にして選んだんだっけ?」
- 「次に選ぶとしたら、何を基準にすればいいかな?」
- 「次は他の人の意見も参考にしてみようかな」
振り返る中では、「こんな風に聞いてあげればよかった」という反省もあれば、「こういう点は話し合えていたな」という冷静な視点も出てくるでしょう。
内容ではなく、決め方を振り返り、次に生かすのが大切です。
後悔は「関係を更新するチャンス」
進路や選択は、一度で完璧に決まるものではありません。
選んで、やってみて、また考える。
その繰り返しの中で、子どもは自分なりの軸を持っていきます。
親にできることは、「正しい選択を与えること」よりも、「選び直せる関係をつくっておくこと」。
「あのときこうすればよかった」と感じたときは、「これからどういう関係性を作っていこうか」と視点を切り替えてみてください。



