そのルールは、子どもを守るため?親の不安を和らげるため?
中学1年生の娘。中学になり、少し遠くにも遊びに行くようになったが、帰ってくるまで気が気でない。「何時に帰るの?」「連絡すぐ返してね」と次々に確認してしまう。娘は母親を心配させないよう、「大丈夫だって」と返事をしていた。しかしあとから行ってはいけないと伝えていたゲームセンターに行っていたことが発覚。問いただすと、「ママに言うと心配すると思ったから」と。娘の安全を守りながら、親の心配とどう折り合いをつければよいのでしょうか。
小学校高学年頃から、少しずつ「自分で考える/選ぶ/失敗する」経験を増やしていくのが理想的。
しかし最近は、ネットやSNSで様々な情報が入ってくることもあり、親の不安が先立つ家庭が多いように感じます。
「それ危なくない?」「やめといたほうがいいんじゃない?」「絶対忘れると思った」
こうした声かけを無意識にしている親御さんは多いでしょう。
しかし子ども視点で考えると、‟自分で考える前に親の不安が先に置かれている状態”といえます。
子どもの感じ方や考えの前に親の不安が先立つと、子どもは「自分はどうしたいか」より「親はどう思うか」に目がいくようになります。
すると、
- 親が心配しそうなことは言わないで隠す
- 親に否定されることを予想して言い出せなくなる
- 自分で考える前に「どうしたらいい?」と聞く
などの癖がついていきます。
「子どもに必要な制限」と「親が安心するための制限」。
多くの親御さんが悩みやすい、線引きの仕方を考えていきます。
親の不安をルール作りから切り離す方法3つ
「完璧な確認」ではなく「子どもが考える余白」を意識する
- 「何時に帰る?」
- 「スマホ持った? 充電器もある?」
- 「GPS見てるからね」
完璧な確認や言い聞かせは、たしかに親の不安を軽減させるかもしれません。
しかし子どもが自分で確認して、ルールを守る意識を育てていくのも重要。
- 「一緒に約束したこと、なんだったっけ」
- 「もし~したら、どうしたらいい?」
など、子どもが思い出したり考えたりする余白を残した声かけを意識してみてください。
すると親子で作ったルールは、‟親から守らされているもの”ではなく、‟自分の身を守るもの”となっていきます。
「危ないから禁止」ではなく、“動けるルール”を一緒につくる
SNSでは毎日のように、「こんな事件があった」「この場所は危ない」「中学生同士のトラブル」など、不安を煽る情報が流れてきます。
つい、「それ危ないんじゃない?」「やめておいたほうがいい」「知らない子いるならダメ」と、“危険を避ける会話”が増えやすくなります。
もちろん、安全を守ることはとても大切です。
しかし子どもに必要なのは「危険そうなものは全部避けること」ではなく、「危ないかもしれないと思ったら自分で動ける感覚」です。
たとえば、
- 待ち合わせ場所を変更したときは連絡する
- 困ったとき、どこに行けばよいか、どんな人に声をかけたらよいかを考えておく
- 嫌な雰囲気になったら「親が迎えに来る」を理由に抜けてもいい
など、“何か起きたときの動き方”を一緒に決めておくのがおすすめです。
「危ないから行くな」と言われると子どもは反発したくなるもの。
「何かあったときは自分で動ける」と思えると、親から信用されていると感じ、責任を持った行動をとりやすくなります。
親自身が、「不安にとらわれている自分」に気づく
- 失敗した姿を見るのがつらい
- 危ない思いをしてほしくない
- 親として間違いたくない
これは親として自然な感情です。
しかし不安が強すぎると、人は‟コントロール”で安心しようとするもの。
つまり、「言っておけば安心」「止めておけば安心」になりやすいんです。
だからこそ時々、「これは本当に子どものため? それとも、自分の不安を減らしたい?」と立ち止まってみる視点が大切です。
子どもが育っていく過程で本当に必要なのは、“親が全部先回りしてくれること”ではなく、“自分で考えて、試して、調整できる経験”です。
子どもが「自分で生きる力」を育てていけるように、不安を感じながらも信じて見守るかかわりを増やしていけるといいですよね。




