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ヘルシーなはずの鍋だけど…太りやすい鍋と太りにくい鍋の違いって?注意すべきポイントは【管理栄養士監修】

心と体

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2021.02.18

年齢を重ねるにつれて太りやすく&痩せにくくなっていると感じる人は多いはず。とはいえ食事でダイエットをしようにも、家族と別のダイエットメニューを作るのは面倒。育ち盛りの子供たちに低カロリーメニューを強いるのは忍びないし、夫からは味気ないと不満も出てきそう…そんなお悩みをお持ちの女性に朗報です!管理栄養士の石松佑梨さんにダイエットに嬉しい&満足度や栄養価も高いレシピや食べ方を教わります。

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連載:ちゃっかりラク痩せごはん! #管理栄養士監修

流行りの「お鍋の素」を使うときは「食品表示」をチェック

全国的に寒さが最も厳しい季節になってきました。そんな日はやっぱりお鍋が食べたくなりますよね。シンプルな水炊きからキムチ鍋、トマト鍋や豆乳鍋も話題です。最近は、お鍋の素も多くの種類が発売されています。手ごろな値段なうえに、なによりも簡単で美味しいです。
しかし、ひとつ落とし穴が。もしあなたがダイエット中で、家族に内緒で「ちゃっかりラク痩せ」を考えているのであれば「食品表示」を必ず見てからお鍋の素を選んでください。なぜなら、中には「異性化液糖」が入っているものもあるから。では、異性化液糖とはどんなものでしょうか? 管理栄養士の石松佑梨さんに教えてもらいましょう。

液糖(液状の糖質)は肥満の原因!

「異性化液糖とは、とうもろこしなどから人工的に作る糖度の高いシロップのことです。市販のジュースやスポーツ飲料、お菓子、アイスクリーム、ドレッシングや、焼き肉のたれ、めんつゆ、キムチ、ポン酢、お鍋の素などに入っています。異性化液糖はその名の通り、液状の糖質なので、体内への吸収スピードがものすごく早く、血糖値の急上昇(血糖値スパーク)をもたらしてしまいます。体内に糖質を取り込むと、血糖値を下げようとインスリンというホルモンを分泌します。インスリンは血糖値を下げてくれる唯一の有り難いホルモンですが、実は体脂肪を溜めこむホルモンでもあります。さつまいも、お米、砂糖、液糖など、いずれも糖質を多く含む食品なので血糖値を上昇させますが、血糖値の上昇スピードが異なります。なかでも液糖の血糖値上昇スピードはとても速いです。この血糖値の急上昇を抑えるために野菜から食べるよう言われるのはこのためです。お鍋は野菜を多く含む料理ですから、まずは野菜から食す、お鍋の素を使用するときはなるべく異性化液糖を使用していないお鍋の素を使う、シンプルに水炊きで味わうなどの工夫をしてみてくださいね」(石松さん)

鍋料理のポイントはベジファースト!

「お鍋は意識しなくてもベジファーストになりやすい料理です。ベジファーストとはその名のとおり、野菜(ベジタブル)を最初(ファースト)に食べるという意味です。ベジファーストを心がけることにより、野菜に含まれる水溶性食物繊維が血糖値の上昇を緩やかにし、肥満ホルモンであるインスリンの分泌も穏やかにしてくれます。私がこの時期のお鍋におすすめする野菜は、小松菜やほうれん草、そして白菜です。小松菜とほうれん草は、今が旬なために栄養が豊富で栄養吸収を阻害するえぐみ成分が少ないのもこの時期ならではの嬉しい特徴です。
さらに白菜も100g当たり14kcalと極めて低カロリーの野菜なのでダイエットにはうってつけ。食物繊維も豊富なために便秘予防にもなります。かさ増しもできるので満腹感も得られますね。
白菜と同等に食物繊維が手軽に摂れるきのこ類もダイエットの強い味方です。腸内環境を整えてくれますよ。血糖値の上昇も抑えるのでお鍋にきのこ類は欠かせませんね。きのこの中でも干したきのこにはビタミンDが豊富に含まれています。この時期は、体内のビタミンDが不足しがちです。ビタミンDが不足してしまうと免疫力や骨・筋力の低下やうつなどを引き起こしてしまうことも。ですから干ししいたけやきくらげを用意できるときは積極的に摂取しましょう」

ダイエットにはたんぱく質が強い味方

ダイエット 鍋

「野菜を積極的に摂取したら鶏肉、豚肉、豆腐やたら、あさりなどのたんぱく質源をとりましょう。お鍋のメインとなるたんぱく質は、血液や骨、筋肉を作る重要な栄養素の一つで、体作りにおいて大きな役割を担っています。筋肉はたんぱく質から作られていることから、筋肉量の維持にはたんぱく質は必須です。筋肉量が減ってしまうと代謝が落ち、体温の維持も難しくなります。ですから、たんぱく質を多く含む食材を摂取して筋肉の増強、維持を心がけましょう。
プロテインバーやプロテインドリンクなどで簡単に摂取できるようにはなりましたが、夕食はしっかり食事からたんぱく質をとってほしいと思います。筋肉が増えれば基礎代謝がアップします。すると消費エネルギー増で自然と痩せやすい体になりますよ。
お鍋で摂取するたんぱく質は以下を参考にしてみてください。どれをメインにするかはその時の体調で決めてもいいですね。

  • 骨付き肉…疲労回復
  • タラなどの白身魚…筋肉増加
  • 木綿豆腐…イライラを抑制
  • 卵…メンタルの不調を解消

締めの炭水化物もお鍋の楽しみの一つですよね。
先に野菜やきのこから水溶性食物繊維をとっているので、自然と締め(糖質)の量が少なくてすみます。雑炊であれば野菜や肉・魚からのだしを吸い込んでお米が膨れます。美味しいうえに少量でも満腹感が得られますよ」

冬のお助け料理「鍋」で健康かつダイエットを叶えよう!

冬の献立には欠かせないお鍋。もともとヘルシーなイメージがあったかとは思いますが、今回の石松さんのアドバイスでさらに健康的でダイエットに最適なお鍋料理が楽しめそうです。まだまだ寒さが厳しい日が続くので、お鍋で栄養をしっかり摂って寒さにもコロナにも負けない強い体を作ってくださいね。

※表示価格は記事執筆時点の価格です。現在の価格については各サイトでご確認ください。

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著者

安田ナナ プロフィール画像

安田ナナ

都内で2人の娘を育てながら、書籍を中心としたライターをしています。 人と話すこと 人と一緒に食べること 人と一緒に楽しむこと が大好きです。

監修者

石松佑梨

石松佑梨

GLOCAL EATs ソーシャルデザイナー  17年間の管理栄養士経験で2万人以上の食事指導に携わる。スポーツ分野ではサッカー日本代表選手をはじめ、世界で活躍するトップアスリートたちの「なりたい」を「コンディショニングめし」でサポート。現在は、そのノウハウをソーシャル向けにリデザインし、誰もがおいしく食べて健康になれるヘルスインフラの構築に注力している。 Instagram:石松佑梨(@conditioning_meshi) 

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