感染予防のためのステイホーム。健康的には骨が弱っていく可能性が!
自宅にいる時間が長くなり、身体を動かす機会も減ると気になる健康面。内科医の中山久徳先生は、家にいる期間が長引くと体の働きが衰えてくると言います。
「おこもり生活が長く続くと、活動量が減り心肺機能低下、消化器機能低下、筋肉の萎縮など体の働きが衰えてきます。それが進むと、体を支える骨の老化も加速し、進行すると生活不活発病という病気に発展する可能性も出てきます。
動かないと骨や筋肉が衰えるだけでなく、手足の動きと脳がうまく協調できず、動きが鈍くなり転倒などにつながります。さらに、骨が弱っているので骨折をひき起こす可能性が非常に高くなってきます」
家で過ごす時間が長くなることで、筋肉だけでなく骨まで弱っていく可能性が高まるとのこと。それだけでなく、メンタルにも影響があるようです。
「活動量が少なくなると、体だけでなくメンタルにも影響します。やる気が起こらない、周囲への関心が弱まる、知的活動が少なくなることが多くなり、進行するとうつ状態になることもあります。メンタル不調から食欲不振、逆に過食に走り、栄養状態のバランスが崩れ、体づくりへも大きな影響を及ぼします」
骨を丈夫にするために重要なことは、栄養と運動
運動不足により最も心配なのは、骨の老化と中山先生は続けます。
「運動量が低下することで、一番心配しているのは骨老化です。骨密度は思春期から高まり、女性ではおよそ20歳で、男性では少し遅れてピークに達します。そしてこの最高値が女性では閉経するころまで維持され、男性では40歳代ころから低下していきます。したがって、最大骨量に達するまでの間に骨密度を高める努力、つまり骨貯金することがとても重要となります。しっかりとした骨格を作るこの時期に、活動量が少ないのは問題です」
女性は特に20歳ころまでにしっかり骨密度を高める努力をする必要があるようですが、20歳を超えても骨密度の低下を補うべく、カルシウムをしっかり摂取することは大切なようです。
ただカルシウムをただたくさん摂取すればいいのかというと、そういうことでもないとのこと。
「年齢と共に、男性はゆるやかに骨密度が低下していき、女性は閉経でガクンと低下します。男女共に骨を丈夫にするために重要なことは、栄養と運動です。だたし、カルシウムを摂取するだけでは不十分であることがわかっています」
「骨を丈夫にするにはビタミンDが重要です。ビタミンDは日光にあたることで皮膚でつくられるため、おこもり生活でも積極的に日光にあたる機会をつくりましょう。
また、カルシウムの吸収効率をあげることも重要です。レモン果汁とカルシウムを含む食品の摂取で、骨密度を改善することがわかっています(※)。食事の中で、上手にレモン果汁を加えていくことがポイントになります」
※ポッカサッポロ「広島県大崎上島町におけるレモン長期観察介入研究」
吸収しにくいカルシウム。クエン酸がカルシウムの吸収効率をアップ
カルシウムを含む食べものはレモンと一緒に摂ることが効果的なようです。それはなぜでしょうか?
「カルシウムはとても吸収しにくいミネラルで、豊富に含まれ牛乳でも吸収率は50%程度、小魚は30%程度です。そこで、レモン果汁と一緒に摂ることをおすすめしています。レモン果汁に含まれるクエン酸は、カルシウムをキレートして腸からの吸収を促すことがわかっています(※)。キレートとは、“溶けやすい形に変えるチカラ”のことです」
※堂本時夫「レモンの健康効果に関する研究の動向」
レモンの香りが交感神経を刺激し、やる気をアップして活動的に
レモン果汁は、カルシウムを吸収しやすくするだけでなく、やる気をアップする効果もあるようです。
「リモネンという果汁成分が交換神経を高める作用があることがわかっています(※)。自律神経には、交感神経と副交感神経の2つがあり、交感神経はやる気や集中力をアップさせるアクセルの役割があります。動きたくない、やる気がでないといった気持ちを、動きたいという前向きの力に変えてくれます」
また、外出自粛中の体への影響を少なくするには、簡単で効率的な運動をプラスすることが重要だと中山先生はおっしゃいます。レモンの香りで気持ちも前向きになったら、自宅でもできるような運動をプラスしましょう。
中山先生オススメの運動は、目を開けて片足立ちを行う「開眼片足立ち」や踏み台昇降のように、階段の 1段目を利用して片足ずつ上って降りことを繰り返す「階段昇降」、室内での「エアなわとび」などです。その運動も、足腰や心肺機能に問題のある方は無理のない範囲で行いましょう。
※堂本時夫「レモンの健康効果に関する研究の動向」
レモン果汁を食事に取り入れて骨密度アップ!
おこもり生活中は積極的に「レモン果汁+カルシウム」で骨老化を予防することが分かりました。毎日の食事に取り入れるためにも、簡単レシピをご紹介します。
レモンラッシー
<材料>(1人分)
牛乳150ml
ポッカレモン100大さじ2
はちみつ大さじ1
<作り方>
グラスにすべての材料を入れ、よく混ぜ合わせる。お好みで氷を浮かべる。
※レシピにははちみつが含まれます。1歳未満の乳児には与えないでください。
レモンクリームパスタ
<材料>(1人分)
パスタ100g
きのこ50g
ベーコン20g
にんにく1片
バター10g
牛乳200ml
とろけるチーズ1枚
コンソメ小さじ1/2
ポッカレモン100大さじ1と1/2
塩・胡椒適量
パセリ適量
<作り方>
1 熱したフライパンにバター、にんにく、ベーコン、きのこを入れ、きのこがしんなりするまで炒める。
2 牛乳を2、3回に分けていれ、ふつふつとするまで火にかける。
3 細かくしたチーズとコンソメを加え溶けてきたら茹でたパスタを加えからめる。
4 レモン果汁を加えひと混ぜし、塩・胡椒で味を調える。お皿に盛り付けパセリを振ったら出来上がり。
牛乳とレモンで作るカッテージチーズ
<材料>(作りやすい分量)
牛乳600ml
ポッカレモン100大さじ3
<作り方>
1 耐熱性ボウルに牛乳を入れて電子レンジ(500W)で約6分温める。(目安の温度は60°C)
2 1にポッカレモン100を入れ、軽く混ぜる。
3 しばらく置いて、透明な液体と白いかたまりに分離したら、ざるをセットしたボウルにペーパータオルを敷き、少しずつこす。約10分こしてできあがり。
じゃことチーズのカリカリサラダ
<材料>(4人分)
サニーレタス5~6枚
ミニトマト8個
ちりめんじゃこ20g
プロセスチーズ4切
オリーブオイル大さじ1
ポッカレモン100大さじ2
しょうゆ大さじ1
砂糖適量
胡椒適量
<作り方>
1 サニーレタスは洗ってひと口大にちぎり、冷蔵庫で冷やす。ミニトマトは半分に切る。
2 チーズは7~8mmの角切りにする。
3 フライパンにオリーブオイル、ちりめんじゃこを入れ弱火で3~4分炒める。
4 器に1を盛り、2を散らし、3を油ごとじゅっと回しかける。
5 ポッカレモン100、しょうゆ、砂糖、こしょうをかけ、全体をざっくり混ぜながら食べる。
教えてくださったのは……中山久徳(なかやまひさのり)先生
国立山形大学医学部卒業後、東京大学医学部アレルギーリウマチ内科に入局。2012年4月、世田谷区砧にて「そしがや大蔵クリニック」を開院。リウマチ内科医として、関節リウマチ・膠原病・骨粗鬆症の診療に従事。全身疾患の臨床経験を生かし身体の全般についても診察。テレビ、雑誌などでも活躍。
※表示価格は記事執筆時点の価格です。現在の価格については各サイトでご確認ください。