教えてくれたのは……抗菌博士 梶浦義浩さん
1985年、株式会社シナネンゼオミックに入社。以来、抗菌剤「ゼオミック」の研究・開発に従事。現在は同社プロジェクト担当として、市場開拓も担当。抗菌試験管理士、臭気判定士の資格も有する。イベント等では抗菌博士として講師を務める。
タオルで手を拭くと菌がつく!?
みなさんは、手拭きタオルはこまめに交換していますか? 手を拭く時にタオルがベッタリ湿っている……なんてこともありますよね。そのタオル、もしかしたら使わない方がいいかもしれません。手拭きタオルは菌の温床になりやすい場所だったんです。
手拭きタオルにいる菌とは?
手拭きタオルに存在する菌の種類は、皮膚の表面にいる表皮ブドウ球菌・黄色ブドウ球菌など常在菌が殆どです。洗濯をせずに数日間湿った状態が続く手拭きタオルでは、これらの菌が増殖していきます。
手拭きタオルにいる菌が引き起こすこと
手拭きタオルで菌が増殖し、食中毒を引き起こす可能性があります。また、菌の増殖により異臭の発生の原因にもなります。
交換しないまま同じタオルを使い続けると……
同じタオルを複数人で数日間使い続けた場合、タオルから検出される菌はトイレの便座よりもはるかに多いと言われています。湿った状態のタオルは菌が増殖しやすい条件が揃っている上に、使用する度に新たにタオルに付着する菌の種類も増えるからです。
健康被害が起こる可能性もある
病原性のある菌や、ノロウイルスのようなウイルス類が付着すると深刻な健康被害が発生する可能性が高くなってしまいます。
手拭きタオルを清潔に保つためにできること
【家族で使う場合】
使用済みタオルは、毎日洗濯をして清潔な状態を保つようにしましょう。手拭きタオルには、手に存在する菌と水分がタオルに付着しています。湿った状態のタオルは細菌やカビが増殖しやすい環境のため、タオルが湿ったら交換することをおすすめします。
【不特定多数が使う場合】
不特定多数の人が同じタオルを使う場合は、病原性の菌やウイルスの拡散の可能性があります。できるだけ菌やウイルスの除去できるように入念な手洗いを行い清潔なタオルを使用するようにしましょう。使い捨ての紙タオルなどを使うとさらに安心です。
いかがでしたか? 4人家族の我が家では学校や仕事が休みの日は、手拭きタオルを使う頻度も多くなります。手拭きタオルが菌の温床にならないように、こまめにタオルを交換するように心がけたいと思います。