「おとなしい子」だと思っていたけれど
学童で、普段はあまり自分から話さず、おとなしい印象の子が友達とのトラブルに巻き込まれたことがありました。
何があったのか尋ねても、緊張した様子ですぐには言葉が出てきません。そこで、起きた出来事を一つずつ確認しながら話を聞くと、少しずつ自分の気持ちを伝えてくれました。
それから、その子は私によく声をかけてくれるようになり、一緒に遊んだり、他愛のない話をしたりすることも増えました。
この経験から、「おとなしいからトラブルは起こさないだろう」「おとなしいから、話を聞くのは難しいかもしれない」と大人が決めつけてはいけないと感じました。言葉にするのが苦手でも、本当は気持ちを聞いてほしい子もいるのです。
大人の決めつけが、子どもの自己イメージになることも
子どもと関わっていると、「おとなしい子」「しっかりしている子」「トラブルが多い子」など、自然とイメージができていきます。
特徴を知ることは大切ですが、そのイメージだけで判断すると、今の気持ちや成長を見落とすことも。「あなたは〇〇な子」と繰り返し言われ、子ども自身も「自分はそういう子なんだ」と思い込むかもしれません。
ここからは、心理カウンセラー・学童支援員の私が気をつけたいと感じた声かけを3つご紹介します。
【3】「お兄ちゃん(お姉ちゃん)なんだから」
「お兄ちゃんだから我慢できるよね」「お姉ちゃんだから譲ってあげて」と言ってしまうことはありませんか?
同じ「お兄ちゃん」「お姉ちゃん」でも、性格や感じ方は違います。年上だからといって、いつも我慢できるわけではありません。
「本当はどうしたかった?」「困っていることはある?」と、その子自身の気持ちを聞いてみましょう。一人の子どもとして受け止めてもらえることが安心感につながります。
【2】「どうせ、またあなたでしょ」
トラブルが多い子に、事情を確認する前から「また何かしたの?」と聞くのも避けたい声かけです。
トラブルが続くと、大人にも「あの子はトラブルを起こしやすい」という印象が残ります。しかし、毎回その子に原因があるとは限りません。
最初から疑われ続けると、「どうせ話しても信じてもらえない」「自分は悪い子なんだ」と感じてしまうことも。
まずは「何があったのか教えてくれる?」と、一人ひとりの話を聞きましょう。友達に優しくできた場面など、よい姿も具体的に褒め、周りの大人と共有していきたいですね。
【1】「あなたは〇〇な子だから」
「おとなしいから大丈夫」「しっかりしているから一人でできるよね」は、一見褒め言葉のように聞こえます。
しかし、「おとなしい子」と言われ続けると、嫌なことがあっても「怒ってはいけない」と思うかもしれません。「しっかりした子」は、困っても助けを求めにくくなることがあります。
反対に、「手がかかる子」「落ち着きがない子」は、自分自身を否定されたように感じることもあるでしょう。
性格を決めつけるのではなく、「今日は静かに過ごしたい気分なんだね」「さっきは自分から気持ちを伝えられたね」と、そのときの気持ちや行動を具体的に伝えることが大切です。
「この子はこう」と決めず、今の姿を見る
過去にトラブルが多かった子が、友達を助けることもあります。おとなしいと思っていた子が、自分の気持ちを一生懸命伝えることもあります。
大人のイメージだけで判断せず、目の前の子どもの言葉や行動に耳を傾けること。それが、「自分のことを見てもらえている」という安心感につながります。
「この子はこう」と決めつけず、そのときの気持ちや小さな変化を見つけ、言葉にして伝えていきたいですね。




