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関根麻里さんと乳がん専門医・増田紘子先生にインタビュー!「自分の体をまずは知って、アクションを起こすきっかけに」【ピンクリボンオープンセミナーレポート】

心と体

 関根麻里さん

2020.12.05

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自分の状況を把握することが健康には大切なこと

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――まずは、今日の感想をお聞かせ頂けますか?

皆さん、一生懸命聞いてくださったのが印象的でした。何より関根さんがとても真摯で、楽しくお話させて頂きました。自分の状況を最初に把握することが乳がんに限らず、健康には大切なことなので、忙しい時期かもしれないですけど、自分のことを考えて、こういうリスクがあるんだと気にするきっかけになればいいなと思います。

――増田先生はさまざまな場所で乳がんについて講演をされていますが、ここ数年、女性の意識が変わったと思うことはありますか?

年々、意識は高まっているとは感じています。市民講座などにいらっしゃる方も増えています。乳がんの患者さんは7、8割の方が社会復帰するので患者さんのコミュニティも大きいんですけど、女性は皆さん情報をキャッチするのが早いんですよね。でも、その一方で正しい知識を得られずに不安や心配な気持ちを抱えている方もいらっしゃるので、検診の重要性など含めて、まだまだ啓蒙が必要だなとも感じています。

同じ女性として乳がんに寄り添う女医でいたい

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――増田先生が乳腺外科を選んだ理由を教えて下さい。

最初は小児科を目指していたんです。でも、学生のときに手術に感動して。外科の道に進みました。乳腺外科を選んだ理由は、医者として乳がんには研究すべきテーマがたくさんあることがひとつ。そして、女医であることを喜んでくださる患者さんが多いということ。女性に多い病気なので、女医だと安心してくださいますし、同じ女性の目線で寄り添えるので。

――乳がんの専門医として、特に意識していることはありますか?

乳がんは、ほとんどの方が社会復帰されるので、治療方法もその方が今後どう生きていくかを考えながら、できるだけ今の生活を壊さないようにと考えていく。乳がんが見つかったとき、不妊治療をしていたり、結婚をするタイミングだったり。患者さんのライフスタイルに関わるのは、乳がん専門医だからという部分も強くあるので、医者としてはありがたいことだなと思っています。

――実際に患者さんと接していくなかで、乳がんのイメージが変わったことはありますか?

乳がんは研究としても分野が進んでいるので、新薬や医療の進歩で改善している部分がたくさんあります。それこそ、昔だったら「がんの治療に専念しなさい」となっていたところが、今はどう共存するかにシフトしている。ただの治療ではなく、患者さんの生活のために役立っているなと思うことが多くなりましたね。

自分のことを考える、アクションを起こすきっかけにしてほしい

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――改めて今回の「ピンクリボンオープンセミナー」を通して伝えたいことを教えて下さい。

乳がんに罹りやすい年齢の方は忙しく、日々の生活に追われている方が多いと思いますが、このイベントや活動が、自分のことを考える、アクションを起こすきっかけになればいいなと感じています。間違いなく、早期の発見であれば乳がんは治りやすい病気。一定の時期、治療に専念する可能性もありますけど、社会に戻れる病気なんです。少し発見が遅れるだけで治療のみならず、その後の人生まで変わってくるので、まずは検診を。「乳がん?」「検診?」って思うかもしれないですけど、これを機に考えて頂けたら嬉しいです。

 

「今日帰ったら早速セルフチェックを始めてみます!」と明るくお話してくださった関根さんには、「ぜひ! 習慣化するのが大事ですから」と笑顔で返していた増田先生。おふたりから揃って飛び出した「『ピンクリボンフェスティバル』が、少しでも乳がんについて興味を持つきっかけになれば」という言葉が印象的でした。自分を知ることが、乳がんだけでなく自分の健康のために繋がる。まずは、セルフチェック。自分の体を知ることから、始めてみませんか?

【出演者プロフィール】
講師:増田 紘子先生(昭和大学医学部 乳腺外科 講師)
2015年7月より昭和大学乳腺外科で勤務。乳がん治療を専門とし、現在の標準治療のみでは治療困難な乳がん患者さんとの出会いのなかで、特に創薬(新薬に対する臨床試験立案、施行やtranslational research)に興味を持ち、日々臨床と研究を行っている。患者さん一人一人がその人らしい、日常生活を送れること、がんに対する不安や心配から、必要以上にがんにとらわれてしまうことがないように、一緒に治療を行っていきたいと思い、日々の診療に取り組んでいる。

ゲスト:関根 麻里さん(タレント)
1984年10月22日生まれ、東京都出身。父は関根勤。2006年に米・エマーソン大学を首席で卒業後、浅井企画に所属し芸能界デビュー。テレビでMCを務めるほか、ラジオ・CM・イベントにて活動。得意の英語を生かして外国人アーティストへのインタビューも数多くこなし、映画や音楽の番組などでも幅広く活躍中。お笑いも大好きで自身のラジオ、bay-fm「関根麻里のKUSUKUSU」には数多くの芸人さんを招き、毎週楽しいトークを繰り広げている。2014年に結婚し、現在は2児の母。2020年11月28日(土)には、初めて翻訳した絵本「リトルレッド あたらしい あかずきんの おはなし」と「ラプンツェル あたらしい かみながひめの おはなし」が2冊同時発売。

TEXT:吉田光枝

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