医師が選ぶ、今注意すべき”新現代病”ベスト10
1位 マスク皮膚炎
2位 マスク依存症
3位 スマホ肘
4位 手洗い強迫性障害
5位 ふれあい拒否症候群
6位 デジタル時差ボケ
7位 デジタル認知症
8位 子ども腰痛、ぎっくり腰
9位 ドケルバン病
10位 急性内斜視
「コロナ禍のいま、広がる新現代病」について会員の医師たちにアンケート調査をしたところ、上のような結果となりました。いったい、どんな症状なのでしょうか。今回は、5位から1位までの症状と予防法をご紹介します。
※医師専用コミュニティサイト「MedPeer」調べ
5位「ふれあい拒否症候群」オンラインでのコニュニケーションが増えて…
注意したい理由
- デジタル社会で人対人の直接会話がないことに慣れ、対人関係が薄くなっているところへ、コロナによる接触恐怖が加わっている。(一般内科、70代)
- 自粛ムードの中、家にひきこもりがちになり、ますます他者との交流が減ってきている感じがします。(老年内科、60代)
「ふれあい拒否症候群」とは、表面的な付き合いは得意だが深い人間関係を築くのは苦手な状態のこと。たしかに、外出を控えることで他者との交流が減っていたり、オンラインでは会話するけれど直接対面で会話する機会が減っていますよね。また、コロナ以前のように他者との接触にも敏感になっている人が多いでしょう。
「ふれあい拒否症候群」の予防法
- なんらかのコミュニケーションの機会を毎日作る。(小児科、40代)
- 積極的なものの考え方を持ち、気まずくなっても気にしない事。(一般内科、70代)
コロナ以降、一人暮らしの人は特に、他者と全く関わらない日も増えましたよね。「ふれあい拒否症候群」の予防には、感染対策はした上で、買い物先の店員さんとおしゃべりしたり、友人と電話で近況報告するなど、できるだけ誰かとコミュニケーションを取るのがよいようです。
オンラインでの会話は直接のコミュニケーションよりも難しい場合も。お付き合いを円滑に進める話し方を研究することも大事な時代ですよね。
4位「手洗い強迫性障害」感染への恐怖心がストレスに
注意したい理由
- 手洗いに過度に敏感になっている印象がある。(一般内科、50代)
- 新型コロナウイルス感染症等への恐れから、病的に手洗いを繰り返すことをやめられない患者さんもいる。(一般内科、50代)
新型コロナウイルス感染予防として手洗いやアルコール消毒が推奨されてはいますが、感染への恐れがストレスになり、心理的に手洗い強迫性障害になると皮が剥けるまで長時間洗ってしまう人もいるそうです。しかし、過剰な手洗いは皮膚を傷つけ、かえって感染症にかかりやすくなってしまうこともあるのだとか。
「手洗い強迫性障害」の予防法
- 手洗いの回数を決める。(一般内科、20代)
- リラクゼーションや人に話すことで不安を和らげる。(一般内科、40代)
- 恐怖や不安をあおる情報から少し距離を置く。(一般内科、50代)
職業的に頻度の手洗いが必要な人もいるかもしれませんが、手洗いの回数を決めるというのも、予防法の一つ。もし、ストレスなどから「自分は手洗いの回数が多すぎる」と気づいたら、インターネットやテレビなど、不安をあおる情報を見ないようにするのもいいかもしれません。手洗いによる手荒れの予防は、基本的には保湿剤を頻繁に塗り、正しいハンドケアを行いましょう。
3位「スマホ肘」毎日の負担が炎症に……
注意したい理由
- スマホを長時間使用し、肘の内側外側の痛みを訴える人が増えている。(一般内科、40代)
- 日常生活でスマホの利用時間が長い。(麻酔科、60代)
コロナ感染予防のために自宅にいる時間が増えると、どうしてもスマートフォンの利用時間は長くなってしまいがち。しかし、その使用方法によって、腕の筋肉が炎症を起こしてしまうことがあるのだとか。
「スマホ肘」とは、スマートフォンを長時間持って操作し続けることで肘の骨に付着する筋肉が引っ張られ炎症を起こす症状。毎日、長時間スマートフォンを利用することで、小さな負担が積み重なって発症するそうです。
「スマホ肘」の予防法
- スマートフォンを置いて使用する。(一般内科、60代)
- スマートフォンから離れる時間を長くする。充電器を別の部屋に置いたり、すぐに手の届かないところにスマホを置く。
- セルフマッサージやストレッチをする。(消化器外科、30代)
対策法は、まずは長時間のスマートフォンの使用を控えること。これは視力の面でも体によさそうです。利用したあとには、マッサージやストレッチなどで腕の筋肉をほぐすことも有効です。また利用時には、スタンドやスマートフォンカバーを利用してスマホを置いて使ったり、いつもと逆の手で持つなど、腕に負担がかからないようにしましょう。スマートフォンスタンドなども活用するといいですよ。
2位「マスク依存症」女性がかかりやすい傾向!?
注意したい理由
- マスクがないと落ちつかない人の増加が目立つので。(一般内科、30代)
- マスクをしていないと、周囲から暗黙のプレッシャーがかかる社会が持続。(一般内科、40代)
日常的にマスクを長時間着用することに慣れてしまうと、マスクがないとちょっと不安に感じたり、マスクを外すと落ち着かない気持ちになることがありますよね。外出するのにマスクを忘れると、「あっ!」と焦ってしまうことも。マスクをする必要がない場所でも外すことができない精神状態は「マスク依存症」といわれ、20~30代女性がなりやすいのだそうです。
「マスク依存症」の予防法
- マスクが不要の場面ではすぐに外す。(一般内科、60代)
- マスクをしていることが大事なのではなく、マスクを正しく使用すること、マスクをしていない人に近寄らないなどに気をつけ、イライラしないようにすること。(健診・予防医学、50代)
コロナ禍でマスクをするのは、感染予防のため。自宅や密でない屋外など、マスクが不要な場所ではなるべく外すようにしましょう。また、たまに一人で大自然や海など日常と離れた場所に行き、マスクを外して深呼吸し、体も心もリラックスする時間を作るのもいいですね。イライラや不安が強いと感じたら、幸せホルモンを増やすためにも、日光浴、規則正しい生活を心がけてくださいね。
1位「マスク皮膚炎」言わずもがな!?マスクでトラブル多発
注意したい理由
- コロナウイルスの影響でマスクは生活必需品となったから。(精神科、30代)
- 業務上、自身や仲間が罹患(りかん)している。(救急医療科、40代)
感染予防対策として、外出時やオフィスや自宅でもマスクを長時間着用している人は多いでしょう。インフルエンザや花粉症のように時期的なものと違い、長期間に渡るマスク着用によって、肌トラブルを抱える人は増加しています。
マスクの摩擦や、素材の刺激で肌荒れリスクが高まったり、ベタつきやストレスでニキビなどを引き起こしてしまうことも。
また、マスクをすると内側は保湿されるのでは? と思いがちですが、じつは逆。マスクの着用時間が長いほど乾燥が進んでしまうのだそうです。
「マスク皮膚炎」の予防法
- 適切なマスク使用、皮膚状態の観察。(一般内科、30代)
- 保湿。自分に合った素材のマスクをつける。(一般内科、20代)
マスク皮膚炎の予防には、まず、自分の肌にあった素材やサイズのマスクを選びましょう。通勤やオフィスで長時間の着用が必要な場合は、トイレなどで少しマスクを外して、皮膚状態を観察するのも大事。着用時間によってマスクを交換したり、こまめに保湿ケアをしてみるのもいいですね。また、家や一人でいるときなどは極力マスクを外すほうがスキンケア的には良いようです。
気になる6位~10位の症状と予防対策。6位以下はデジタル社会ならではの問題がありました。
※医師の回答は全て医師専用コミュニティサイト「MedPeer」調べ
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