医師が選ぶ、今注意すべき”新現代病”10位~6位
10位 急性内斜視
9位 ドケルバン病
8位 子ども腰痛、ぎっくり腰
7位 デジタル認知症
6位 デジタル時差ボケ
「コロナ禍のいま、広がる新現代病」について会員の医師たちにアンケート調査をしたところ「もしかして私も!?」と心配になる現代病の名前がズラリ……デジタル社会だからこその病名も多いですよね。いったいどんな症状なのでしょうか。今回は、6位から10位までの症状と予防法をご紹介します。
※医師専用コミュニティサイト「MedPeer」調べ
不調を感じているのであれば、しっかり対策をしたうえで医師の診察を受けてくださいね。
10位「急性内斜視」1日中デジタル機器を使っていませんか?
注意したい理由
- スマホなど近い距離でものを見ることが増えている。(腎臓内科・透析、30代)
- コロナの影響もあり画面を見る時間が長くなっている。(その他、20代)
一方の目の視線が鼻側に寄る急性内斜視という病気は以前からありましたが、ここ数年、小児から若者の年代にこの症状が増加しているそうです。デジタル機器を近くで見続け、眼球を動かす筋肉の内直筋が縮まったままとなることで、ものが二重に見えてしまう症状が起こります。
「急性内斜視」の予防法
- 定期的に遠方をみるようにする。(一般外科、40代)
- デジタル機器を長時間使わない。(皮膚科、50代)
スマートフォンやタブレットの画面を見る時は、画面から目を30cm以上離したり、デジタル機器を利用するときは10分に1回は、3~4メートル離れたところを見るなど、意識して目の筋肉を休めるようにしましょう。
9位:「ドケルバン病」スマホの出番が多い人は気を付けて
注意したい理由
- スマホ社会で、罹患(りかん)者が急増しているから。(緩和医療、50代)
- いままで見られなかった若年者に多くなった。(リウマチ科、60代)
「ドケルバン病」は、親指と手首をつないでいる2本の腱と腱を覆う「腱鞘(けんしょう)」がこすれ合い、炎症が起こる病気です。手の使いすぎやスポーツや指をよく使う仕事の人にも多い症状でしたが、最近はスマートフォンの使いすぎが原因となることが多いのだそう。チェック方法は、利き腕をまっすぐ伸ばし親指を内側にして握り、手首を小指側に曲げます。この時に手首の付け根に痛みがある場合はドケルバン病の疑いがあります(※1)。
「ドケルバン病」の予防法
- 親指を休ませる。湿布などの対症療法。(精神科、50代)
- 安静、外用剤、それでもだめなら整形外科受診。(整形外科・スポーツ医学、50代)
整形外科で「ドケルバン病」と診断されたら、軽度の場合は湿布・塗り薬・内服薬で治療します。重度の場合はステロイド剤の注射や手術となることも。決して痛みを我慢せず、もし違和感を感じたら受診してみましょう。
スマホ依存解消アプリ【スマやめ】などの方法で、スマホを使う時間を意識的に減らすことも大切です。
(※1)参考:公益社団法人 日本整形外科学会
8位「子ども腰痛、ぎっくり腰」運動不足で子どもでも腰痛に!?
注意したい理由
- 親世代のテレワークや、子どもも外で遊びづらくなっているため。(一般内科、40代)
- ランドセルが重い(整形外科・スポーツ医学、40代)
なんと、子ども世代にも腰痛、ぎっくり腰があるとは驚きです。原因の1つは大きくて重たいランドセルなのだそう。ランドセル自体の軽量化は進んでいますが、脱ゆとり政策で教科書は以前より一回り大きく、総ページ数は15年前より75%増加し、重くなっているそうです。また、コロナ前より室内で遊ぶことが増え、運動量が減ったことも無関係ではなさそうです。
「子ども腰痛、ぎっくり腰」の予防法
- 体を定期的に動かす。(整形外科・スポーツ医学、40代)
重い荷物を持ち続けると、大人でも腰に負担がかかりますよね。子ども腰痛の予防方法としては、ランドセルと背中の間に隙間ができないようベルトを調整することで、腰への負担が軽減されるそうです。また、室内でもできるだけ体を動かしたり、密にならないように外遊びできるといいですね。
おうちで子どもと遊びながら体を動かせると親子でメリットあり! 工夫しながら取り組んでみてください。
7位「デジタル認知症」わからないことをすぐに調べていませんか?
注意したい理由
- デジタル化が加速する中、自分で思考し記憶しようとする人がどんどん減っているように感じられるので。(一般内科、50代)
- 実際に自分自身が経験するので。(一般内科、70代)
わからないことはインターネットで調べればすぐわかるから、と、路線や地図・電話番号など、以前に比べて覚えられないことが多い人もいるかもしれません。「デジタル認知症」は、スマートフォンやPCなどデジタル機器の使いすぎによる情報のインプット過多や依存により、記憶力・集中力が低下し認知症に似た症状になること。デジタル機器の便利さゆえに自分の脳を使うことが減ってしまっているようです。
「デジタル認知症」の予防法
- デジタルから離れる時間をつくる。定期的計画的な運動をする。(一般内科、60代)
- 意識して覚えようとすること。まずはアドレスリストの電話番号から。(小児科、40代)
まずは、1日のうちでデジタル機器に触れない時間を作る「デジタルデトックス」が必要です。スマートフォンを持たずに散歩をしたり、運動をしたり、と、意識的にデジタル機器から離れる時間を作りましょう。また、脳トレの本を試してみたり、電話帳の番号を覚えてみたりと、記憶力・集中力を高める練習をしてみるのもいいかもしれません。
集中力を高めるストレッチは体を動かせて、脳みそも鍛えられるので、一石二鳥!
6位「デジタル時差ボケ」通勤、通学がなくなったことの弊害
注意したい理由
- 老若男女問わず、スマホなどのデジタル環境に依存する時間が増えているから。(小児科、30代)
- 深夜のスマホ操作による睡眠障害が増えているので。(一般内科、40代)
在宅時間の長さから、どうしてもデジタルデバイスを利用する時間が増えてしまう状況です。「デジタル時差ボケ」とは、デジタルデバイスが発するブルーライトにより、体内時計が乱れ、昼夜が逆転する状態のこと。なんと20代の約6割が陥っているという調査結果もあるそうです(※2)。
▼デジタル時差ボケのセルフチェックはこちら。
「デジタル時差ボケ」の予防法
- 規則正しい生活を心がける。夜間はスマホを触らない。(小児科、30代)
- 朝は速く起きて通勤がなくても窓をあけたり散歩をして太陽光を15分浴びる。(腎臓内科・透析、60代)
予防にはまず、デジタル機器の作業を減らすことが第一ですが、減らせない人はブルーライトカットメガネやブルーライトカットフィルムの使用が効果的です。また、朝に太陽光を浴びたり散歩をしたりして、生活リズムを意識的に整えるようにしましょう。
1日を気持ちよくスタートできる5分の朝ヨガもおすすめです。
(※2)参考:PR TIMES「withコロナ時代の新症状!「デジタル時差ボケ」に陥っている人ほど寝ても疲れが取れていないことが判明!」
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