“やめたいこと”に注目するのがコツ。40代の日々のモヤモヤが減る「やりたいことリスト」の書き方

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2023.03.30

昨年12月に『「40歳の壁」をスルッと越える人生戦略』を出版した「ワーママはる」こと尾石晴さんをご存じでしょうか。音声メディア「voicy」のトップパーソナリティでありながら、大学院に通うお母さんです。40代は日々育児や家事に追われることが多い中、大学院生、ヨガ講師、不動産、文筆業などさまざまなことを仕事にする尾石さんは、「やりたいこと100リスト」を毎年書くのだそう。今回はやりたいことを叶えるための「やりたいこと100リスト」について詳しく教えていただきました。

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お話を伺ったのは……尾石晴さん

16年間の外資メーカー勤務の後、2020年4月に会社員を卒業。ワンオペ育児の合間に「ワーママはる」という名で発信をスタートさせ「voicy」トップパーソナリティに。現在は2人のお子さんを育てながら大学院生、ヨガ講師、文筆家などさまざまな顔を持つ。4冊目の著書『「40歳の壁」をスルッと越える人生戦略』も大きな注目を集めている。尾石晴さん

『「40歳の壁」をスルッと超える人生戦略』

「40歳の壁」をスルッと越える人生戦略
著者:尾石晴
出版社:ディスカヴァー・トゥエンティワン
価格:1,650円(税込)

「私にはムリ」とどうしても自信が持てないときは

「私にはムリ」とどうしても自信が持てないときは出典:stock.adobe.com

――尾石さんの新著のタイトルに「40歳の壁」とありますが、40歳というと人によっては壁に気づいても「もう歳だから」「新しいことに挑戦しづらい」「私にはできない」と自信が持てない人も多いですよね。そんな人はどのように考えたらいいでしょうか?

私はこれまで自分のもとに届いた質問に1500件くらい答えているんですが、「自分にはできない」「あなただからできるのでは」といったものもよくあります。でも自信って、内側から湧いてくるものではないと思うんです。行動するから「これもできるんじゃないか」「こないだもできたから今度もうまくできるはず」と自分に自信がつくわけです。

「失敗したくないんです」「AかBで迷っています」という方もいらっしゃいますが、AかBで迷うならどちらもやればいいし、Aをやって失敗したらBもやればいいと思うんです。やってみないとわからないですよね。だから自信のない方は、自分のできる範囲の中で、やりたいことを小さく小さくしていき、まずは行動していくことが大切だと思っています。

「やりたいこと」を考えるよりも「やめたいこと」に注目する

「やりたいこと」を考えるよりも「やめたいこと」に注目する出典:stock.adobe.com

――尾石さんが毎年手帳に書いているという「やりたいこと100リスト」は、やりたいと思うことを言語化するのにぴったりですね。しかし100個も思いつかない場合はどうしたらいいでしょう? 

やりたいことを思い浮かべるとき、0の状態からプラスにすることを「やりたいこと」だと言いますよね。でもマイナスのことを0にする作業は、ただの「やることリスト」になりがちです。例えば、掃除をいくらしても何かがプラスになるわけではなくて、家が平常状態に戻るだけですよね。

0の状態からプラスにするにはかなりエネルギーがいるので、そのやりたいことがうまく思いつかないときは、自分が「やめたいこと」に注目してみてください。“やめたいことをやめる”ことも立派な「やりたいこと」の一つです。

やりたいことリストがただのTo do リストになるという人には、自分がやらなきゃいけない、やるべきと考えていることを、本当に自分がやるべきことなのか考えて、まずは減らしていくことを私はおすすめしています。

――尾石さんがこれまでに「やめたこと」はどんなことでしょうか?

そうですね。些細なことからお話しすると、ストッキングを履くことをやめました。

私の場合、スーツを着なくてはいけなかったのでストッキングを履いていたんです。でも「ストッキングを履きたくない理由はなんだろう」と考えたときに、夜に足が冷えて眠れないのが嫌なんだ、ということが見えてきました。冷えないようにするにはしっかり入浴したいけれど、子どもといるとじっくり入れないから、じっくり入浴するには何をすればいいのかな、夜に時間を作るために何をすればいいのかな、と考えを深堀りしていきました。その結果、ストッキングをやめたいのではなく、今の働き方(会社)をやめたいのだということが見えてきました。

人によっては料理や洗濯が嫌な人もいますが、どこが嫌なのか、何をやめたいのか、なぜそう思うのかなど、なんとなく感じている違和感を紐解いていくことがとても大事なんじゃないかなと思います。

「やりたいこと」を書きだすことで、自分の「本音」が見えてくる

「やりたいこと」を書きだすことで、自分の「本音」が見えてくる出典:stock.adobe.com

――丁寧に自分の気持ちを紐解いていく作業が必要なのですね。

先日、ある方の「やりたいこと100リスト」に「マッサージにいきたい」とありました。マッサージは予約さえ取れれば今からでも行けますよね。ではなぜ、その方はすぐに実行しないのか聞いてみると、

子どもを預けるとしたら夫しかいない→でも夫は週末の限られた時間しか空いていない→預ける人などの調整が面倒→だったら自分が我慢すればいい

という結論に至ったようです。でもその方と話をしていくと、そもそもマッサージに行きたいということではなく、実は一人で静かに横になっていたいということが見えてきました。こんなふうに「やりたいこと」を書きだすことで、自分の本当の願望が見えてくることもありますよ。

「やりたいこと」を考えたとき、確かに0から何かプラスになることを考えがちですが、「やめることを決める」という行動も「やりたいこと」の一つになるとは目から鱗でした。最後に尾石さんには読者の皆さんにメッセージをいただきました。「30、40代はさまざまな壁がありますが、この世代で壁に向き合うことはきっと先の人生の糧になると思います。私も40代に突入しました。これから一緒に頑張りましょうね」。尾石さん、ありがとうございました。

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安田ナナ

都内で2人の娘を育てながら、書籍を中心としたライターをしています。 人と話すこと 人と一緒に食べること 人と一緒に楽しむこと が大好きです。

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