「私らしい」が見つかる。40歳からのライフスタイルメディア
連載記事

地域に愛され20年!素人ママ劇団「にのいち」のモットーは「現状維持」。仲間づくりのヒントを座長が直伝!

カルチャー

 地域に愛され20年!素人ママ劇団「にのいち」のモットーは「現状維持」。仲間づくりのヒントを座長が直伝!

2022.07.14

役者を目指したことがある人、学生の時に演劇部に所属していて、今でもお芝居をやりたい!気持ちはあるけれど、どうすれば?と悩んでいる人はいませんか?地域に密着した活動を続ける「劇団にのいち」は、その名の通り「2年1組」のママたちが集って20年。結成のきっかけやメンバーとのつながりについてお聞きしました。

地域で活動20年!大人気のママ劇団。

プロポーズ彦星が織姫にプロポーズ!「たなばたものがたり」の1コマ。

劇団にのいちは、主婦がボランティアで演じる地域で大人気の劇団。発足から20年を迎え、コロナ禍も乗り越え、ますます元気に活動中です。実は10年ほど前にも1度取材をしましたが、その時の座長のコメントが今も忘れられません。「今後の目標?現状維持かな。」その言葉の通り、劇団にのいちは当時のスタンスを崩さず、今でも幼稚園や小学校、市内のイベントなどさまざまなところから出演依頼が舞い込みます。

おりひめ懸命に機を織る織姫と、音響&ナレーションのキーボード担当。

中には大きなホールでの有料イベントのお誘いも。「気持ちはありがたいけど、チケットを売るノルマとか、そういうのはしんどい。しんどいことは続かないし、続けられないことはやらない。」自分たちのフィールドをよく理解し、その中で無理の無い活動を続ける…仕事を持ち、主婦業を続けながら子育ても経験したチームならではの「継続の秘訣」はここにあるようです。

結成のきっかけは「絵本の読み聞かせ」

たなばた彦星が牛の世話をするシーンは、子どもたちも大笑い!の
楽しい場面。

結成のきっかけは、当時2年1組の保護者だったママたちが、週に1度の絵本の読み聞かせボランティアに参加したのはいいけれど、手を挙げた人が多すぎて!1学期の間に全員が読み聞かせ当番が回ってこなかったことから「じゃあ、全員で何かをやろう!」という声が上がったのがはじまり。

注意書き同じ目線で、子どもたちと一緒に楽しむのが信条。

劇団にのいちが20年、多くの公演機会に恵まれているのは、人形劇やペープサート、紙芝居などのグループはあっても、交通費やお弁当程度の負担で呼べる「人が演じる劇団」が他にあまり無い…というのも、理由のひとつかもしれません。照明や音響の設備や舞台が無くても、少し広い教室で同じ目線で繰り広げられる物語に、子どもたちは時にツッコミ、大笑いしながら楽しんでいました。劇団にのいちのお芝居には、昔話の中に旬のニュースや話題が散りばめられていて、大人が見ても楽しい、というのも人気の秘密かも。

キーボード音響は持ち込みのキーボードの生演奏のみ。
臨機応変な対応も求められ、アナウンスも努めます。

お芝居をしたい!でもどうすれば?

まさみちゃん「大阪で生まれ育った、という環境が私にはとても良かったのかも…」
と語る、劇団にのいち座長の金子真佐美さん。
普段はお花屋さんと幼稚園で働く、見ての通りの明るくパワフルな女性です!

冒頭にも書いた通り、読者の中には演劇経験者や「お芝居をやってみたい」と思う方はきっとおられるはず。そんな方のために「仲間を作る方法」について、笑顔がチャーミングな座長の金子真佐美さんにお話を伺いました。

総踊り時にはこんなダンス場面もある、にのいちの舞台。
彦星役、青い衣裳が金子さん。
子どもたちもノリノリの手拍子で参加していました。

演技の経験はありません。

──読み聞かせのボランティアで知り合ったママたちと知り合ったのが、劇団のきっかけということですが、ご自身の演技経験は?

金子さん:演技を教わった経験はなくて…でも小学生の頃、クラスの「お誕生会」を率先してやる子でした。最初はひとりで手を挙げたんですが、そのうちクラスの活発な女の子が「私もやりたい!」と集まって、6年生の時はハゲかつらをかぶってステテコを履いてホームコメディのお父さん役をやりました(笑)。

ひこぼしやく彦星役を熱演中の金子さん

地域で育つ子どもたちと同じエリアで

にのいち開演前、舞台裏での気合入れ!

──小学校の活動で出会ったということで、団員は同じ地域に住む方々が多いですよね。地域で活動をすることの良い点は?

金子さん:子どもが小学生の時には、劇団の活動で学校に出入りをすることで、学校の様子を知ることができたり、先生とお話しする機会が持てたのが良かったです。私はPTAにも参加していましたが、どちらも学校に行く口実ができるので、自分の子どもだけでなくクラスの様子も見れました。

市報や地域のお祭りは情報の宝庫

誕生日ちょうどお稽古日にお誕生日を迎えた団員に誕生日のお花をプレゼント。
こんな細やかであたたかな心遣いも20年を迎えられた秘訣の1つかも。

──子育て中でも「お芝居をやりたい」と思っている人は、きっとたくさんいると思います。仕事や家事、子育てを続けながらも、そんな夢を持っている人に「どうすれば仲間を作れるか、出会えるか」のアドバイスを。

金子さん:子どもは地域で育つので、同じエリアでママが仲間や趣味を持つことは、人脈や情報を得れるなど、メリットになることが多いのでオススメです。市報や公民館、地域のお知らせなどに目を通して会員募集をチェックしてみるとか、実際に地域の劇団やお祭りで活動するチームを見に行って「仲間に入れますか?」と聞いてみるといいですよ。実際に公演を見て「私もやりたい!」と言われると、とってもうれしいです!

旗を振る人を見つける!

けっこんしきたなばたものがたり
織姫と彦星とかささぎの名シーンでは
子どもたちも真剣に物語を見守ります。

──子育て中は、なかなかママが趣味のために遠くへ出かけることは難しいですよね。地域の活動で趣味を続けることは、メリットが多そうです。

金子さん:この地域に引っ越してきたときに、マンション内の子育てサークルを紹介してもらいました。その後、読み聞かせボランティアをするために下の子を、サークルの友だちに預けていたんです。友だちは「人前に出ることは苦手。」と言ってたのですが、いつの間にか?一緒にお芝居をすることになって(笑)今では役者さんとして活動中です。あ、そう、地域の活動に参加して、旗を振る人を見つける!というのも、きっかけに繋がる第一歩ですね。

仲間この中に、かつては「私は苦手」と言っていた…仲間が!

──そんな、劇団にのいちと金子さんの今後の目標は?

金子さん:10年前に目標を「現状維持」と言った時には気づきませんでしたが、コロナ禍での公演中止を乗り越えた今、「現状維持って最高!」と思っています。その時には、何気なく言ったものの、意外と「いいこと言ったな。」(笑)と。やっぱり、今も変わらず現状維持で、ゆるく楽しく続けていくのが目標です。

たなばたフィナーレでは、子どもたちと一緒に歌を。

劇団にのいちを取材して

さよなら子どもたちを手を振ってお見送り。
「彦星かっこいい!」「牛、めちゃおもろい!」と
子どもたちは口々に感想を言いながら教室を後にしていました。

お稽古、本番を見学して、また金子さんのお話を聞いて「地域でママが趣味を始める」ことの大きなメリットを感じました。団員の中には自身の子どもが「にのいちのお芝居に出て欲しい」と言ったのをきっかけに仲間に入る人もいたそうです。
そんな団員の子どもたちは、もうすでに成人していますが、今の小学生たちに「また来てね!」と声を掛けられることも多く、中には「明日は、にのいちが学校に来るのが楽しみすぎるから、早く起こしてね!」とお母さんにお願いする子、そして「私もにのいちに入りたい!」と言ってくる子までいるのだとか。
これからもたくさんの元気と笑顔を…そして何よりも「ワタシ」自身が楽しいお芝居を、多くの人に届けて欲しいです!

劇団にのいち:ninoichimasami@yahoo.co.jp
※公演依頼は吹田市内限定で受付中。


著者

みやむらけいこ

みやむらけいこ

ライター歴20年。「あなたに逢いに行きます」取材ではなく出会い、インタビューではなく会話。わかりやすい言葉で丁寧に「ひと」を伝えます。好きなものは、サーフィンと歌舞伎、主食はチョコレート。#人生はチョコレート