そもそもタカラヅカって?
宝塚歌劇団は、兵庫県宝塚市に本拠地を置く劇団。1914年創立の未婚の女性だけで構成された歌劇団で、現在は花(はな)・月(つき)・雪(ゆき)・星(ほし)・宙(そら)の5組と、ダンスや歌唱などの技術が高いスペシャリスト集団の専科に分かれています。
出演するのは宝塚音楽学校の卒業生で、団員たちは「タカラジェンヌ」の愛称で親しまれ、舞台は宝塚・東京や全国ツアーなどの各劇場の他にもCS放送専門チャンネル『TAKARAZUKA SKY STAGE』で見ることができます。
トップスターは男役
女性だけの劇団のため男性役も女性が演じ、身長を目安に宝塚音楽学校在籍中にどちらかを希望した上で決定。ファンの間では、圧倒的に男役の人気が娘役と比べて高く、お芝居の主役やショーの主役は男役のトップスターが勤めます。
タカラヅカとの出会い
対談に参加したのは、子どものころから今もクラシックバレエを続けているという、アグレッシブな40代大阪在住のあづきさん。そしてもうおひとりは、福岡在住のまり~んさん。3人の子育てが落ち着いた今、料理の腕を生かして間借りカフェで活動中の50代。
──まずは、おふたりの「タカラヅカとの出会い」についてお聞きしたいです。
あづき:高3になりたての4月に父が会員だったクレジットカード会員誌のタカラヅカ特集を見て「なんて美しい人たち!」(グッと身を乗り出す)と、ドはまりしました。1991年涼風真世(すずかぜまよ)さんが月組トップ就任お披露目公演の「※ベルサイユのばら」でオスカルを演じられた時のヴィジュアルが本当に素敵で!(笑)当時のアンドレ(オスカルの相手役)が各組のトップスターさんたちと、プラス月組2番手スターで…
まり~ん:ゆりちゃん(天海祐希さん)だよね。よかったよねぇ…(目がハート)あ、私は、あづきちゃんと少し年齢差があるので(笑)私の「タカラヅカ第2期」があづきちゃんの出会いの時と同じかな。私の第1期はベルばらの初演で安奈淳(あんなじゅん)さまのオスカルに榛名由梨(はるなゆり)さまのアンドレで世のベルばらブームに乗っかりました。まだ小学生だったけど、NHKの舞台中継を見たり、いとこのお姉さんに連れられて東京宝塚劇場に通いましたね。
※ 池田理代子の同名漫画『ベルサイユのばら』を原作にした1974年初演のミュージカル作品
ときどきブランクもアリなんです。
──おふたりとも、出会いからずーっと今までファンだったわけではなくて、ブランクもあったんですよね?
まり~ん:しばらくブランクがあって、再度引き戻されたのが大浦みずきさまのフェルゼン。1990年花組のベルばらで、これが第2期。
あづき:そう…やっぱり、きっかけはベルばらなんですよね…(しみじみ)。
まり~ん:この時期の月組オスカルが涼風真世さまだから、ここがあづきちゃんの1期と重なるのよね。
──初対面とは思えない息の合い方ですが(笑)やはりタカラヅカ愛が重なるんですね。そして気になるのが離れるときなんですが、どんな理由なんでしょう?
あづき:月組が大好きで振付も歌も全部覚えて「ひとりベルばら」ができるほどのめりこんでいたというのに、涼風時代・天海時代がそれぞれ2年ほどで終わった後は、自分が社会人になって多忙になったのと、次のトップさんが、そこまで好きでは無かったこともあって熱が冷めてしまいました。いや、夢から覚めたのかな?(笑)
まり~ん:そういえば、ゆりちゃんの退団直前に阪神大震災が起こって大劇場が被災するアクシデントもあったね。私はすでに社会人だったけど、あづきちゃんと同じく(笑)月組熱がダウン。と同時に、自分の生活も結婚、出産が続いて、しばらくタカラヅカから離れました。
そして今!現在進行形の推しは?
──紆余曲折を経てファンとしてのキャリアを積み上げてきた、目の肥えたおふたりのOGを含めた推しスターさんを教えてください。
あづき:私もトップ交代で一度離れましたが(笑)100周年記念のベルばらで夢の世界に引き戻されまして…この時は凰稀かなめ(おうきかなめ 元宙組)さまのオスカルがきっかけです。やっぱりベルばらの世界観、LIVEのパワーはスゴイ!その次は声の芝居が素晴らしい明日海りお(あすみりお 元花組)さま、今は女優さんとして活躍中ですよね。そして、今や日本を代表するミュージカルスターとなった望海風斗(のぞみふうと 元雪組)さまですね。
まり~ん:ミュージカルの大作と言えばこの人、という存在が望海風斗さま。女になっても(笑)実力があるから歌もダンスもお芝居もとてもいいね。
あづき:そして、ナウ(笑)今の推しは「あーさ」こと雪組の2番手朝美絢(あさみじゅん)さま。女役もとても美しくて。
まり~ん:そう、男役のやる女役って色っぽいのよね!(笑)娘役とはまた違って。
Let's なりきりタカラヅカ!
あづき:そして私、実は…こんなことをInstagramでしていたことがありまして…
まり~ん:えっ!スゴイじゃん!これ、あづきちゃんなの?キレイ!
──こんな楽しみ方もあるんですね。でもやりたくなる気持ちは分かります。おふたりともブランクから戻るきっかけはベルばらなんですね。
まり~ん:実は、出産、子育ての17年間は東方神起とジャニーズでやり過してきたんだけどね…
1軍=タカラヅカ、2軍=ジャニーズ???
──えっ、ジャニーズが2軍扱い?やり過ごすって…!
まり~ん:推しがグループを脱退したあと、私を癒したのがやっぱりベルばらなの(笑)。私も、明日海りおさまに辿り着いて「ああ、やっぱりいいじゃんタカラヅカ!」って。そして、早霧せいな(さぎりせいな 元雪組)さまがきっかけで24時間タカラヅカ三昧の『TAKARAZUKA SKY STAGE』に加入。今のイチオシは、月組の月城かなと(つきしろかなと)さま、鳳月杏(ほうづきあん)さま、花組の柚香光(ゆずかれい)さま、専科の水美舞斗(みなみまいと)さま。
タカラヅカの楽しみ方は∞
──舞台のチケットの入手方法は?専門チャンネルを見る費用は?
あづき:チケットは宝塚歌劇webチケットサービスで購入できます。『TAKARAZUKA SKY STAGE』は2800円ですが、スカパーなどCSが見られる環境が必要です。
まりーん:そのために「頑張って働こう!」って思っちゃう(笑)。
ジャニーズ&韓流ファンはハマるはず…!
──まだ見たことがない人にアドバイスを!
あづき:朝美絢さまはジャニーズを意識してビジュアルを作られているので、ジャニーズファンの方はぜひ一度画像だけでも見てください。
まり~ん:若手男役スターがショーの中盤で韓流やジャニーズのグループ的に魅せる演出で登場する場面。その時の「色んな種類のカッコよさ」に注目です。
タカラヅカ対談を終えて
就職や結婚、出産、子育てなど、人生の節目で疎遠になる時代を経て、何度もタカラヅカに舞い戻るおふたりは、もしかするとスタンダードなタカラヅカファンなのかもしれません。読者の中にも「ちょっとなら知ってる」という方もきっとおられるのでは?
来年、またもやベルばらが再演!とのニュースも入ってきました!
「見るだけで幸せになれる」タカラジェンヌを推して、華やかな美の洪水に身を委ねてみては?
◆『ベルサイユのばら』2024年雪組公演情報◆
宝塚大劇場(兵庫県)
公演期間:2024年7月6日(土) ~8月11日(日)
一般前売:2024年6月15日(土)
東京宝塚劇場(東京都)
公演期間:2024年8月31日(土)~10月13日(日)
一般前売:2024年7月28日(日)
協力:宝塚クリエイティブアーツ