一生における家事時間は2万時間以上!ゼロ家事のススメ
知的家事プロデューサーの本間朝子です。
皆さんは一日にどのくらいの時間、家事をしていますか?
「平成28年社会生活基本調査」によると、女性が1日のうち家事にかける時間は「2時間24分(144分)」でした。この生活が続いた場合、私たちは生涯どれくらいの時間、家事をすることになるのでしょうか。
30年のうち、なんと丸3年間も一睡もせずに家事に費やしている!?
例えば30歳から60歳までの30年間、同じように家事をしたとすると家事の合計時間は2万6280時間にも及びます。30年のうち、なんと丸3年間も一睡もせずに家事に費やしているということになります。
もしゼロ家事生活を取り入れ、家電や家事代行サービスなどを導入すれば、今の家事時間を大幅に減らすことが可能です。その分の時間で、自分だけの時間、今までやれなかったことをやれると思うとワクワクしますよね。
自分の母親と同じように家事をこなすべき?
私が結婚をして家事を始めたころは今とは全然違い、親の世代のやり方をひきずっていた時代。家事は自分がやるものと、疑いもしなかったので夫にはまかせずに私が100%やっていたのですが、もともと決して器用なほうではないので早々に家事と仕事の両立が難しくなり…。
心は折れて家はぐちゃぐちゃ、夫が帰ってきても料理も全然できていなくて、もうできない!ってしゃもじを投げてしまったことも(笑)。
その頃は「家事を楽にしたい」なんて、なまけものとかだらしないみたいなイメージがあり、とてもじゃないけどいえない雰囲気。でも、仕事と家事を両立させるのに工夫をすることってむしろ賢くて知的な行為だし、家事を合理化するのってかっこいいことなんだという風に自分の意識が変わってからは、家事を時短化するべく工夫を重ねるようになりました。
母親のように完璧にこなさなければと思っても、親世代と同じような家事の量を、同じようなやり方でこなすのは、仕事を持ちながらではどうしても無理。時代が変わったのだから、やり方を変える、ただそれだけのことです。
家事は自分の手で丁寧にするものという刷りこみから一旦離れましょう。家事というものを特別扱いせず、ほかのものと同じように積極的に効率化を図り、時間を有効に使ってほしいなと思います。
「罪悪感を感じそう……」専業主婦こそ「ゼロ家事」を取り入れて意識改革!
専業主婦=暇なわけではありません。育児や介護、地域の活動などをしていると、自分以外の人が関わるのでなかなか自分の思い通りに進まないけれど、家事なら自分でコントロールできる。そこを効率化して自分の時間をつくるというのは素敵なこと。
育児や介護をしていなかったとしても、私のような不器用な人は正直家事だけでいっぱいいっぱいという人もいるはず。仕事をしているから専業主婦だから、ではなく、困っているか困っていないか、だと思います。
家族のために時間をかけて隅々までピカピカに掃除したり、手のこんだ料理をしたりというのが自分にとっての喜びなのであれば、それはそのまま続けてほしい。でも、苦しいのであれば、苦しい部分はなるべく手放したほうがいいですよね。
実は家族はそこまであなたに求めていないし、誰にいわれているわけでもなく、“やらなきゃいけない”と、自分ひとりで思い込んで勝手に縛られているパターンも多いんです。
それでストレスがたまって家の雰囲気が悪くなるなんてもったいない。家族が健康で笑顔でいることを第一に考えてみませんか?
「ゼロ家事」って具体的には何?お金をかけなきゃできないの?
家事を時短するには、費用対効果で7種類のタイプがあります。
- 費用対効果が特に高いのは、発想の転換。家事の中でやらないことを決めたり、そもそも汚れないようにしておく予防家事など。
- 手間は小さいものから大きいものまであり、効果もそれによって比例して増えるのが環境整備。生産性を上げるために動線を見直したり、作業スペースを確保するなど。
- お金は少しかけて効果もそれなりにある家事グッズや便利グッズ。
- ある程度のお金はかかるが、効果も大きいのは最新家電。
- お金はかからないが難易度が高く、効果もそれぞれなのが家事シェア。
- お金はかかるが効果もすごく大きいのが家事代行。
- 一番お金がかからないが、効果もそんなに大きくない、家事アイデア・裏ワザ。
この7つの中で、始めやすいものからやってみましょう。私自身も意識的に取り入れるようにしてからは家事が驚くほど楽になりました。
5の家事シェアはやりたくても夫が家にいる時間が短かったり、単身赴任しているなど、環境的にできないことも多い。それで不満を持つのであれば、割り切って4の家電や6の家事代行を使うほうがいい場合も。ご自身の状況に合う、無理ない方法を取り入れてみてください。
主婦の中には、お金をかけて家事を時短化することに罪悪感を持つ方もいます。でも、お金をかける、かけないも含めて、うまくいかない部分を少し変えてみたり、色んな情報を自分からとりに行ってチャレンジしてみることは素敵なこと。ぜひ7つのマトリックスの中から自分のできそうなことは何か考えてみてくださいね。
もっと詳しく知りたい方は本で『ゼロ家事』の世界を体験!
『ゼロ家事』
著者:本間朝子
出版社:大和書房
PROFILE
知的家事プロデューサー本間朝子さん
自身が仕事と家事の両立に苦しんだ経験から、家事の効率化に役立つメソッド「知的家事」を考案し、メディアや講演等を通じて提案している。TV、雑誌、ラジオ出演、講演多数。
TEXT:長谷川真弓
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