「私らしい」が見つかる。40歳からのライフスタイルメディア
特集記事

東日本大震災の語り部が振り返る防災グッズ|必要なモノ・あってよかったモノ・不要なモノとは

家のこと

 東日本大震災の語り部が振り返る防災グッズ|必要なモノ・あってよかったモノ・不要なモノとは

2021.03.11

子育て防災プロジェクトは、仙台での被災経験を伝える活動。活動を始めてから8年が経ちました。主なコンテンツは、小畑祥子(おばたさちこ)さんが語る「東日本大震災の被災体験」と、日ごろからの備えやちょっとしたアイデアの提案です。震災の「真実」と乗り越えるための「知恵」を教えてもらいました。

不便な生活の中で感じた「意外と便利なモノ」

震災直後のまだまだ余震が続く時期は、普段の生活がいつ取り戻せるか不安な気持ちのまま、日々の生活は続けていかなければなりませんでした。実際に震災3日後の月曜日、多くのお父さんたちは普段通りに会社へ出勤されたそうです。まだまだ続く不便な生活の中で意外と便利だったのは、配布された防災リュックの中のものよりも、どこの家庭にもあるようなモノや100円ショップ、ホームセンターでみかけるモノたちです。

ぞうさんジョウロが使える理由

全て100円ショップで手に入ります。

防災リュックの中身は「カスタマイズしましょう」とお話していますが、その方法を講座でも紹介しています。ネットで検索すると多くの防災用品、避難グッズがヒットしますが、どれも少し割高に感じます。便利なグッズは100円ショップでもたくさん見つかるので、まずは手軽なところから、揃えてみましょう。

上の写真にあるのは全て100ショップで手に入ります。小さな赤いぞうさんのじょうろは「子どもが小さいときにお風呂で遊んでいたわ!」と懐かしく思い出す方もおられるでしょうが、実はこのぞうさんが避難生活で節水に一役買ってくれるのです。ペットボトルの水で手を洗ったことがありますか?実は手をきちんと洗うためには、300ml以上の水が必要になりますが、このじょうろを使えば半分ほどの量で済ませることができます。じょうろがなければ、やかんや急須でちょろちょろと少しずつ水を流しながら手をこすり合わせるといいですね。ひとりで洗おうとすると両手をこすり合わせることができないので多くの水が必要になります。
お風呂になかなか入れない避難生活では、からだふきシートがあると助かります。ウェットティッシュ売り場ではなく、介護用品のコーナーにあるものの方が大判で便利です。枚数やサイズを確認して備えておきましょう。ただシート類は開封していなくても長く保管していると乾いてしまうので、定期的に買い替えを。
被災中の明かりは、ヘッドライトや首から下げるタイプのライトを使うのがベストですが、100円で手に入るランタンも近くを明るく照らすことができます。フックで吊るせるハンドルがあると使い方の幅が広がります。電池もセットしておくと便利ですが、その場合は液漏れのチェックが必要になります。非常食の賞味期限を確認するタイミングでシートとともに点検しておきましょう。電池を多く備えるなら、マンガンよりもアルカリがオススメです。
ブルーの筒状のものは、電池アダプター。中に単3電池を入れると、単2、単1電池として使えます。非常時には懐中電灯に多く使われる単2、カセットコンロで主に使われる単1電池が一斉に売り切れてしまいますが、単3電池は品切れが少ないように思えました。このアダプターがあれば、懐中電灯やカセットコンロに単3電池を使うことができます。

みんなのお悩み「トイレ問題」は黒いごみ袋とペット用シートで解決

 

震災

避難生活で女性が特に気になるのがトイレの問題ではないでしょうか…。断水が続くとトイレに行くのが嫌で水分補給を控えてしまい、脱水症状に陥る人が増える、という報道を何度も目にしますが、女性なら誰でも痛いほど気持ちがわかりますよね。トイレ問題を解消したくて、実は携帯用簡易トイレを車の中で家族全員でトライしたことがあります。男性チームは難なくクリアできたのですが、女性にはやはり難易度が高く便利なものではありませんでした。そこで準備しておくと安心なのが黒いごみ袋(できれば45リットル以上のもの)とペット用シートです。まず便器に黒いごみ袋を拡げて敷き、その上にペット用シートを拡げます。そして便座で両方のふちを抑えるように挟みます。ペットシート上に用を足して、ゴミ袋に入れて捨ててしまえばOK。ペットシートには芳香剤がついているので袋に入れてしまえば数日ならにおいも気になりません。

マルチ使いができるガーゼは多めに

 

ガーゼ

避難所へ持ち出す荷物の中にタオルを入れている人は多いと思います。もちろんあると便利ですが、かさばるために家族全員分というわけにはいきません。洗面や手拭き、マスク替わりなどに使うなら、少量の水で洗ってすぐに乾くガーゼが便利です。ハンカチサイズのものをひとり1枚はもちろんですが、大きめサイズのものがあれば寒さをしのぐストール代わりに首に巻いたり、配布された食品を包んで保管することもできますね。

我が家用にカスタマイズされた防災グッズは、災害時の大きな手助けになり、心細く不安な日々から少しだけストレスを和らげてくれます。100円ショップやホームセンターでゆっくり時間があるときに、ぜひ非常用に使えるものがないかチェックしてみてください。
そして最後にこれら防災グッズを入れるカバンですが、避難用リュックに入りきらない場合は、手持ちのキャリーバッグに入れて玄関や寝室、大きな窓の近くなどに置くといいでしょう。キャリーバッグを旅行に使うときには中身を出せばOK。他にも大きなバッグがあれば、同じように使ってみましょう。自宅で保管中は、バッグの中身は空っぽなので、そこに避難グッズを入れて備えておけば、わざわざ新しいものを買う必要はありません。

お話を伺ったのは、
子育て防災プロジェクト代表 小畑祥子さん
2012年から母親目線で被災体験を語る防災講座や防災リュックを考える子ども向けワークショップなどを通じて、多くの地域や学校、企業などで活動中。高齢者介護施設で看護師として働く2人の小学生のママ。最近は、某所にて「島クリエイト」にハマり中。

※表示価格は記事執筆時点の価格です。現在の価格については各サイトでご確認ください。


著者

みやむらけいこ

みやむらけいこ

ライター歴20年。「あなたに逢いに行きます」取材ではなく出会い、インタビューではなく会話。わかりやすい言葉で丁寧に「ひと」を伝えます。好きなものは、サーフィンと歌舞伎、主食はチョコレート。#人生はチョコレート