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キッチンをコックピット化して、料理のスピードを大幅アップ!【知的家事プロデューサー本間朝子さん連載⑦】

家のこと

 キッチン収納

2020.12.15

広くはないキッチンなのに、いつもあっちへうろうろ、こっちへうろうろしながら料理を作っていませんか。料理時間が長くなってしまう……。そんなお悩みを持つ方への、知的家事プロデューサーの本間朝子さんからの提案は「キッチンをコックピット化」すること。 具体的にどのようにすればいいのか、さっそく教えてもらいましょう。

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特集:家事の面倒をなくす“ゼロ家事”術!

理想は使うものにさっと手が届く、コックピットのようなキッチン

こんにちは。知的家事プロデューサーの本間朝子です。今日はキッチン全体の配置を見直して、料理を時短化するワザを皆さんにお伝えしたいと思います。

まず、コックピットというのはご存知の通り、飛行機の操縦室のこと。パイロットは椅子に座っているだけで手を伸ばせば必要なものに手が届き、全ての操作ができるので操縦に集中することができます。料理もそれと同じ。キッチンもできるだけ移動しないで済めば料理に集中できます。

キッチンをコックピット化するには「使う場所のそばに道具を置くこと」、これにつきます。シンクまわりには水を使うもの、コンロまわりには加熱や調味に使うものを配置します。

定説では「ざるやボウルはシンクの下で、鍋やフライパンはコンロ下に」といわれていますが、片手鍋のように最初に水を入れるものはシンク下に置いたほうが便利なんじゃないかなど、自分がどんな動きをするかによって、何を配置するかを決めるといいですよ。 

要は「シンク」「コンロ」「冷蔵庫」!

  建築の世界では「ワークトライアングル」という考え方があって、キッチンという限られたスペースの中で要となるのは「シンク」「コンロ」「冷蔵庫」の3つ。この3つが、それぞれ2~3歩で行き来できる距離にあり、なおかつ正三角形に近い形で配置されていると調理がしやすい、といわれています。逆に、2〜3歩よりも近いと、調理するスペースや収納スペースが狭くなってしまいます。

キッチンが広いと、調理したり収納スペースが広く設けられるのですが、その分移動距離が長くなってしまうという難点があるので、ちょうどいい距離というのが2~3歩なのです。

また、「調理家電」や「ゴミ箱」がシンクやコンロから離れた場所にあるのもNG。移動距離が長い場合はもっと近くに配置できないか、試してみるのも効果的ですよ。
 

使うものをまとめる「Iライン収納」

キッチン収納イラスト/セキモト

ご飯は毎日のように炊くものなので、ご飯にまつわるものはまとめて収納してしまいましょう。炊飯器は電源があるので基本的に場所を自由に動かしにくいですよね。ならば炊飯器を軸に、米びつ、しゃもじ、茶碗、保存容器などを全部炊飯器の直線上に置く「Iライン収納」にするのがおすすめです。炊飯器をあけたときに使うものを、あちこち移動せずにとれるようにすることが大事。やってみると、こんなに便利だったの?と感じると思いますよ。

調理中確保すべき、3つのスペースとは!?

基本的に、調理をスムーズに行うには3つのスペースが必要です。調理に使う食材をおく「準備スペース」と、切ったり和えたりする「調理スペース」、盛り付けるための「配膳スペース」。この3つがないとたちまちキッチンは渋滞をおこしてしまいます。

「調理スペース」は皆さんあると思いますが、「準備スペース」と「配膳スペース」がない場合、どうしたらいいでしょうか。まず1つ目は、家電などが置いてある場所を利用する方法。その一角を整理して空間を作り、準備や配膳用に使いましょう。2つ目は、電子レンジやトースターの上の空間を利用する方法。市販のラックを置いてスペースを作りましょう。3つ目は、ガスコンロの下に差し込んでつかう「レンジテーブル」という便利グッズを使う方法。私も社宅に住んでいたときは調理台が幅40㎝しかない狭いキッチンでしたが、そのときはこのレンジテーブルにずいぶん助けられました。

レンジテーブル出典:www.iwatani-i-collect.comイワタニ レンジテーブル3362円(税込)

 

レンジテーブル出典:www.iwatani-i-collect.com※使用例イメージ

あなたは機能優先派?見た目優先派?

キッチン出典:stock.adobe.com

調理台の上に何も置かない方がいいか、よく質問されるのですが、それはその人のタイプによります。大まかに分けて、機能優先タイプと見た目優先タイプの方がいると思っています。

インスタグラムなどできれいなキッチンを見るとつい真似したくなりますが、機能優先タイプの人が物をしまい込んでしまうと、いちいち戻すのが面倒でかえって散らかってしまいます……。逆に見た目優先タイプの人は何もない状態がすっきりするので、キッチンツールの「吊りさげ収納」などにトライするとイライラしてしまう。自分のタイプと合わないとどこかで乱れていくので、そこは自分のタイプに合わせましょう。

私自身は機能優先タイプなので、キッチンツールをスタンドに置いたり、吊るす収納を採用しています。そうするとワンアクションでに手にとることができて戻しやすいので、変に散らかることもありません。ただ、出しておくと油が飛んだり、ほこりをかぶったりするので、それを予防するために出しておくものは毎日使うものだけに限定! そうすると毎日使うって毎日洗うので、ほこりや油汚れを防ぐことができます。

物を出しておく場合は、見た目ごちゃごちゃしがちというデメリットがあるので、ツールは色をおさえるか、同じブランドのシリーズものでそろえるのがおすすめ。私の場合は黒とシルバーに色を絞っているのですっきりさせることができています。

見た目優先タイプの人は、キッチンツールを収納する場合は、引き出しなどの一番手前、開けて10㎝以内に置くようにしましょう。調理中でもスピーディーに取り出せるのでおすすめです。奥に入れていて引き出しをいちいちマックスで開けなくてはいけないとしたら大変だし、火を使っているときに大きく動くのは危険ですよね。

家の中にものはたくさんありますが、毎日のようによく使うものは全体の2割程度です。その2割を、自分がストレスなく出し入れできる場所はどこかを考えてみてくださいね。


いかがでしたか。料理というのはその作業のほとんどを「キッチン」という限られたスペースで行うもの。その限られたスペースを機能的にするとストレスフリーで料理ができそうですね。配置チェンジは大変ですが、その後の毎日の手間を考えるとやってみる価値あり! 皆さんもぜひお試しください。

 

教えてくれたのは:本間朝子さん 

知的家事プロデューサー

自身が仕事と家事の両立に苦しんだ経験から、家事の効率化に役立つメソッド「知的家事」を考案し、メディアや講演等を通じて提案している。TV、雑誌、ラジオ出演、講演多数。著書に『写真でわかる!家事の手間を9割減らせる部屋づくり』(青春出版社)『ゼロ家事』(大和書房)『ムダ家事が消える生活』(サンクチュアリ出版)ほか多数。11月27日に新刊『「ざんねんな片づけ」から抜け出す本』(王様文庫)を出版。

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この秋、新たな試みとしてオンラインコミュニティ「家事トモ☆サロン」をスタート。オンライン上で仲間と交流を深めながら、一緒にアイデアを実践したり、情報交換ができるような会を10月1日からオープン。詳しくはHPのお知らせに掲載しています。オフィシャルサイトをチェックしてみてくださいね。 

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いかがでしたか。料理というのはその作業のほとんどを「キッチン」という限られたスペースで行うもの。その限られたスペースを機能的にするとストレスフリーで料理ができそうですね。配置チェンジは大変ですが、その後の毎日の手間を考えるとやってみる価値あり! 皆さんもぜひお試しください。

 

 

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