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【私たちの移住ストーリー】case.1 東京から愛媛へ、中島家(前編)

家族・人間関係

2020.12.26

今いる場所で、叶えられない夢や希望があるなら、思い切って「移住」という選択肢もある。【私たちの移住ストーリー】では、さまざまな想いから、ひと足先に「移住」を実現した先輩たちをインタビュー。第1回目は、東京から愛媛に家族5人で移住した、中島家の<移住を決める前まで>のお話です。

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連載:好きな場所で生きていく。私たちの移住ストーリー

中島家 プロフィール

東京で住んでいたころ

  • お話しを伺った人:中島慎二さん、佐知子さんご夫婦
  • 家族構成 :夫、妻、長男、長女、次男の5人家族
  • 移住元~先:東京から愛媛

結婚当初からあった「田舎暮らし」への憧れ

「私はずっと東京だったんですが、夫の実家が群馬だったので、その生活を見ていて漠然と『いつか田舎暮らし、したいよね』とは、夫と話していました』と言うのは、今回お話を聞かせていただいた、中島佐知子さん。

「田舎で育っているせいか、夫はすごく生命力があるんです。生きる力が強いというか、お金がなくても、何かあっても、多分大丈夫な人。移住して、子どももそうなってくれたらいいな、という思いもありした」(佐知子さん)

でも現実は、夫婦揃って東京でハードに働く毎日。運良く長男の保育園が決まったことから近所にマンションを購入。その後、第2子が誕生するまで、移住の話が出ることはありませんでした。

夫が仕事を辞めてきた

夫婦揃って、SEとして働いていた中島ご夫妻。夫の慎二さんは、子どもが相次いで大学病院にかかるほどのときでも、休むことができない仕事と家庭のバランスに疑問を感じたといいます。家族のピンチにも妻に任せきりではいけないと、今後の家族の在り方を考えたうえで、会社を退職しました。

これからの働き方を考えた時に、かつて話していた田舎暮らしへの憧れを思い出しました。しかし、「地方で今と同じ仕事はないから手に職を付けよう」と考え、「柔道整復師」資格を取るため、夜間専門学校へ通うことに。

「夫が専門学校に通っている3年間は、なかなかヘビーな毎日でした。平日ワンオペなのはもちろん、土日にも資格取得に必要な課外授業が入るため、実質この期間は1人で育児をこなしてたんです。でも、資格を取るために通っているので、休んでとも言えずに……本当に苦しかったです」(佐知子さん)

 

妻にもチャレンジしたい夢ができた

元々家族の日常を撮るのが趣味だった、佐知子さん。でも、徐々に写真への想いが高まり、写真を仕事にすることを決意します。

「夫が無事資格を取る間は会社に勤めていました。それと並行してフォトグラファーとして活動できる準備をしようと必死で動いてました」(佐知子さん)

努力が実り、慎二さんが資格を取得。佐知子さんも仕事を辞め、フォトグラファーの道にチャレンジすることに。佐知子さんのフォトグラファーとしての仕事は事前準備の甲斐もあり、順調に滑り出しました。しかし当然フォトグラファーの仕事が増えれば増えるほど佐知子さんは家を空けるため、休日は慎二さんが家事育児を全て背負わなければならなくなり、夫婦に軋轢が生まれます。数年前、慎二さんが資格の勉強をしている頃の状況が、立場を変えてフラッシュバック。夫婦関係継続の危機があったといいます。

夫婦だけの時間「未来ミーティング」

中島夫妻はこの危機を「未来ミーティング」で乗り越えました。中島家の信頼関係の秘訣「未来ミーティング」とは何でしょうか。

中島家ご夫婦

「隔週の土曜日は、夫婦だけで晩酌をしながら話をする日にしています。『未来ミーティング』として、将来の話や移住の話はもちろん、お互いに不満に思っていることも、この時間を使ってちゃんと話し合うように。まぁ、ただの晩酌で終わっちゃう日も多いんですけどね(笑)」(佐知子さん)

「自分が学校で忙しい時は、家事・育児を全部妻がやっていたんですよね。自分が支えてもらった分、今度は自分が支える番なんだと、話し合うことで納得できました。それで、夫婦の危機は脱せたんです。」(慎二さん)

この「未来ミーティング」は、愛媛に移住した後もずっと続けている夫婦の約束事。お互い思っていることを、冷静に話し合えるから、意識のズレがなくなり、喧嘩もしなくなるという見習いたい習慣です。

西条市の「移住体験ツアー」に参加して……

夫婦で話し合う時間を設ける中で、結婚当初に抱いていた「移住」の話も自然と出てきた。そこで各地でやっている移住体験ツアーに行くことに。移住場所を決めるなら、多くの人は全国を丹念に探してから……かと思いきや、中島夫妻はちょっと違いました。

「移住場所を探しだしたら、もうきりがないので(笑)移住体験というご縁があったこともあり、最後は直感で決めました」(慎二さん)

実際、西条市が主催する「移住体験ツアー」に1泊2泊で参加し、ほぼその場で決めてしまったという。本格的に引越しするまで、佐知子さんは2回、慎二さんは3回しか現地を訪れていないと聞いて、驚く人も多いはず。

「ツアーが本当によかったんですよ。私たちに必要な情報が得られるよう、ツアーは完全なオーダーメイド。地域の人と直接話をする機会も作ってくださって。その時は、マイナスなことは自分からは言えないけど、ちゃんと聞いてほしいからって、市の職員の方は席を外してくれるんです。おかげでリアルな住民の声が聞けたも大きかったですね」(佐知子さん)

「ツアー参加後も、東京でイベントがあると声をかけていただいたり、こちらにきた今も定期的に連絡をいただいて、アフターフォローがとても手厚いんです」(慎二さん)

最大の心配事は、子どものこと

夫婦共に仕事を変えて、移住先も決定。準備は万全のようにみえましたが、中島夫妻には1つだけ大きな心配事がありました。

「私たちは自分が望んでいるからいいけれど、子どもたちは違う。移住することで、子ども達のチャンスを奪うんじゃないか、子ども達の人生を左右してしまうんじゃないかと、すごく悩んでいました」(佐知子さん)

そんな佐知子さんを後押ししたのは、先輩移住者の一言だったそう。

「どうなるかはわからないけれど『決めるしかない』と言われました。私の中で、移住をすることは決めていたので、だったらこの不安を減らすことをするしかない、と思ったんです」(佐知子さん)

その結果、当初、移住先の住居は購入するつもりだったが、もしもの時を考えて、賃貸に変更。子どもたちには、「移住体験ツアー」経験後から、約1年かけて移住について説明してきました。

「その時、子どもたちには『もし、ダメだったらいつでも戻って来れるからね』と常に伝えていました。子どもたちは「最初は『わー楽しみ!』だったのが、移住が近づくに連れて、寂しさも出てきたようでしたが」(佐知子さん)

夫は、移住先で新しい仕事を始める予定。
妻は、東京での仕事をリモートで続けながら、フォトグラファーとして新規開拓予定。
子どもたちは新しい学校や保育園に通う予定。

移住先での生活に少しの不安と大きな希望を胸に、中島家は、東京から愛媛県西条市へ移住します。

移住先での中島家

後編は、移住後の愛媛での生活についてお話を伺います。

 

記事中写真:中島佐知子(サチカメ!https://sachycamera.com

Text:池田ゆき

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