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結婚10年目のNPO代表夫婦が考える「尊敬し合える関係」を続けるために大事にしたいこと

家族・人間関係

 結婚10年目のNPO代表夫婦が考える「尊敬し合える関係」を続けるために大事にしたいこと

2020.11.22

夫婦の数だけ、夫婦の形があります。多様なパートナーシップのあり方を紹介することで、これからの夫婦の時間をより豊かに前向きに過ごして欲しい。「夫だから/妻だから、こうしなければいけない」と思い込むことをやめて、もっと自由に、夫婦という"一番近い、他人との関係性"を楽しんでほしい。そんな思いから、インタビュー連載企画「夫婦は続くよ、どこまでも」をスタートすることになりました。今回は、夫婦それぞれがNPO法人を主宰するお二人に、尊敬しあえるパートナーでい続けるために大事にしていることをインタビューしました。

NPO法人「tadaima!」を運営する三木智有さんと、同じくNPOで女性の就労支援団体「ArrowArrow」を立ち上げた堀江由香里さんご夫婦。今回、夫婦で共にNPOを立ち上げ、活動するお二人に、「夫婦インタビューをさせていただきました。お二人の出会いから、結婚に至るまで。そして、結婚10年目で一度もケンカをしたことがないというお二人の夫婦円満の秘訣を聞きました。

ありのままの自分で参加した合コンで、運命の出会い

――お二人の出会いについて教えてください。

由香里さん:合コンです(笑)。職場のメンバーが、「由香里に彼氏を作ろう! キャンペーン」みたいなことを企画して、毎週のように合コンを設定してくれていた時期があったんです。彼とはその中の1つの合コンで出会いました。

智有さん:NPOで働いている女性が合コンに来ると聞いて、清楚な女性が来ると想像していたら、お笑い芸人のようによく喋る彼女がきたんです(笑)。

由香里さん:まわりから、「仕事の話はしないほうがいい」とか、「ワンピースを着たほうが、女性らしさがでる」というアドバイスをもらっていたんですが、その通りに参加した合コンでは全く結果が出なかったんです。だから、これからはありのままの自分で参加してみようと思って参加した会で、彼が「面白いね」と言ってくれたんです。「この人だ!」と思って、その後私から告白をしたんですが、最初はふられたんです(笑)。

智有さん:面白い子だな~と思ったし、人としては好きではあったんですけど、異性とか恋愛対象という存在としては見てなかったんです。

由香里さん:可能性がないと思ったので一切の連絡を絶つことにしたんですけど、彼のように、私のことをおもしろいと言ってくれる人って、この先いないんじゃないかな……と思ったので、もう一度連絡をして、「あなたが隣にいてくれたほうが、私の人生が豊になるような気がするので、友達としてまた会ってくれますか?」と言ったんです。

智有さん:男らしいことを言ってくれるな~と思いました。その言葉がすごく響いて、彼女を意識するようになって、僕から付き合ってくださいと言いました。

「やりたいことをやったらいい」の一言が、結婚を後押し

――由香里さんの言葉、すごく響きました! 確かに男前なセリフでしたね。一度ふられた相手から告白されるってすごいです! お付き合いをしてから結婚まではどのように進んだのですか?

由香里さん:付き合うことが決まってからは、結婚に向けて兵糧攻めです(笑)。とにかく、私の友達や知り合いに会わせて、「この人と結婚するんで」と言ってまわりました。そして、みんなから「由香里は良い子だよ~」と言ってもらいました。

智有さん:本当に、兵糧攻めにあっていたので結婚は意識していました。ただ、彼女と出会ったことでNPOという存在を知り、自分でNPOを立ち上げたいと考えていた時期でもあって……。

由香里さん:彼は、インテリアコーディネーターの仕事を続けながらNPOを立ち上げようとしていたんです。でも、NPOに関わっている私からしたら、そんな中途半端な立ち上げではなく、NPO1本に絞ってやるべきだと伝えたんです。

智有さん:NPOを立ち上げるって、聞こえはいいんですが収入はなくなるんですよね。結婚を考えているタイミングで、そんな冒険はできないと思っていたんです。だから、まずはNPOを立ち上げて、軌道に乗ったら結婚をしようと思っていると伝えました。そしたら彼女が、「私が働いて収入があるんだから心配しなくていいよ」と言ってくれたんです。

由香里さん:NPOは、二足の草鞋を履いてやれるような甘い世界ではないので、やるなら本気でやってほしかった。私たちが一緒に暮らしていく上で、彼が稼がなきゃいけないというルールはないから、「自分がやりたいと思うことをやったらいいよ」という話をしたら、その一週間後くらいに「結婚しますか?」とプロポーズしてくれました。

この先ずっと一緒にいるイメージが沸いた

――それぞれに、結婚の決め手になった相手の好きなところはどこですか?

智有さん:一緒にいて楽しいって感じることが多いし、何より、この先ずっと一緒にいるイメージが沸いたんです。もし、何かが起きても、一緒に乗り越えられるだろうという感覚が強かった。

由香里さん:ありのままの私を選んでくれたところかな。イチャイチャしたいとかいう好きというよりも、彼のことを心から信頼しているという意味が強いですね。

――お二人は夫婦になるべくして夫婦になったんだなぁというのが伝わってきます。すごく仲が良いお二人がケンカをするときってどんなときですか?

由香里さん:私たち、ケンカをしたことがないんです。その理由は、完全に彼が大人だからです(笑)。

智有さん:感情的に気持ちをぶつけあうようなことはないですが、議論みたいなことはよくります。二人で議論していると、周りの人から「ケンカしてるの?」と聞かれることはありますけど(笑)。

由香里さん:私、結婚する前にルームシェアをしていたんです。そのときに、一緒に住む人ってすごく近くいる他人だから、自分の感情をそのままぶつけちゃうのは私にとっても相手にとってもすごくよくないことだなということを痛感したんです。

智有さん:変に気を使ったり、誤魔化したりすることでこじれてしまうことってあると思うんです。だから、思ったことはしっかり伝えあっていると思います。ベースに、「この人は、自分を傷つけようと思っているわけじゃない」という揺るぎのない信頼があるので、例え厳しい言葉でも、自分にとって必要だと思って言ってくれてることなんだろうなと思えるんです。

由香里さん:かなり厳しめのフィードバックをもらうこともありますよ(笑)。

日常の中で助け合っているという感覚が夫婦円満の秘訣

――智有さんは、結婚をしてすぐに、NPO法人「tadaima!」を設立されていますよね。コンセプトに「10年後20年後も「ただいま!」と帰りたくなる家庭であふれた社会の実現を目標に活動している」とあります。お二人の夫婦関係が円満なのは、この活動から受けている影響が大きいですか?

智有さん:インテリアの仕事をしていると、いろんなご夫婦と仕事をする機会があるんです。そこで、家にいづらい、帰りたくないという旦那さんをたくさん見てきました。自分も結婚するとなったときに、そうならないためにはどうしたらいいんだろうと思ったことが、この活動をはじめたきっかけです。パパが、家の中で居心地よくいられるためにということをメインにしています。

由香里さん:居心地のいい関係を築くって、どちらかの努力だけではダメだなと思うんです。付き合ったばかりのころの彼は、あまり思っていることを口にしないタイプでした。私はアウトプットしてくれたものにしか反応できないので、「今、どう思っていますか?」「何を感じていますか?」って常に問い詰めていました(笑)。「察してほしい」とか、「言わなくてもわかるでしょ?」みたいな感じがあったけど、「言葉にできないなら、私はそれをないものとします。思っていることを何か私に伝えてくれませんか?」というアプローチは何度もしたし、「エスパーじゃないからわからないです」というのは言い続けていた気がします。

智有さん:インテリアの仕事で職人さんに囲まれていると、「言わなくてもわかるだろ」「見て覚えろ」というのが当たり前になっていたんです。彼女から、「そんなの分かるわけないじゃん」ということは何度も言われましたね。彼女がめげずに言い続けてくれたので、最近は言わなきゃわからないラインがわかってきたし、その感覚が揃いつつあるなと感じます。

由香里さん:でも私、本当にしつこいので(笑)、その私の問い詰めにしっかり向き合ってくれた彼はすごいなと思います。ケンカにならなかったのは、聞き方もあると思います。「あなたがこういうことをしてくれてすごく嬉しく思っているけど、どうしてそうしてくれたの?」とポジティブに聞く。とにかく、考えていることを聞くと、だんだん全てのことを共有するんだってなってきたんじゃないかなと。

智有さん:夫婦円満の秘訣を聞かれたりするんですが、夫婦の数だけ円満の秘訣ってあると思うんです。でも、どの夫婦にも言えるのは、お互いにとって必要な存在だよねということを確認し合うことが大事だということ。日常生活の中の目に見えないことって、なかなか信頼につながりにくいんです。でも、日常の中で助け合っているという感覚はすごく大事。僕が提案している家事シェアは、毎日のことだし、感謝されるし、会話のきっかけにもなるのですごく伝わりやすいんです。下手にサプライズをがんばるよりもずっと楽に夫婦円満になれます(笑)。

――お二人はそれぞれにお仕事を持ち、お互いに尊重し合いながら夫婦関係を築いていらっしゃいますが、お互いのお仕事の話をしあったりする時間はありますか?

由香里さん:もちろん! 困ったことがあったら彼に相談するし、彼の話も聞きます。無条件に応援できる相手だし、「お前は悪くないよ」と言ってもらいたいときってあるじゃないですか。そういう時、彼に話を聞いてもらえるというのはすごく助かります。

智有さん:話を聞いて、本人よりもその出来事に怒ったりすることもあります。そうすると、話した方は意外と冷静になれたりするんですよね(笑)。良いバランスができているなと思います。

由香里さん:朝、娘を幼稚園に送った後に二人でカフェに行って、話をする時間を作ったりするんです。家だとどうしてもバタバタしちゃうし、夜はどちらかが寝かしつけながら寝落ちしちゃうから(笑)。ゆっくりできる環境で、お互いの近況報告をする時間を持つというのも、私たちにとってはすごく大事な時間になっています。

智有さん:僕たちがどんな夫婦に見えているかはわからないですけど、今すぐに夫婦関係を改めたほうがいいと言われたことはないので、夫婦としてちゃんとできているのかなとは思いますね。

――最後に、夫婦10年目となる今、それぞれ相手に思うことを聞かせてください。

智有さん:最初に会った時の印象と変わらないんです。10年話を聞いてても面白いなと思います(笑)。

由香里さん:私、自分の人生の運をこの結婚で使い果たしたと思っています(笑)。彼と夫婦になれて本当に幸せです。

お話を伺ったのは…

三木智有さん・堀江由香里さんご夫婦

夫の智有さんは、NPO法人tadaima!代表で日本唯一の家事シェア研究家、子育て家庭のためのモヨウ替えコンサルタント。妻の由香里さんは女性の就労支援団体NPO法人ArrowArrowファウンダー。

インタビュー・文/上原かほり

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