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「当時は完全に“母親”として見ていた」今仲良しの夫婦が“ときめきを取り戻すまで”

家族・人間関係

 「当時は完全に“母親”として見ていた」今仲良しの夫婦が“ときめきを取り戻すまで”

2023.12.19

夫婦の数だけ、夫婦の形があります。多様なパートナーシップのあり方を紹介することで、これからの夫婦の時間をより豊かに前向きに過ごして欲しい。「夫だから/妻だから、こうしなければいけない」と思い込むことをやめて、もっと自由に、夫婦という“一番近い、他人との関係性”を楽しんでほしい。そんな思いからスタートした企画「夫婦は続くよ、どこまでも」。今回は、トータルビューティーアドバイザーの亜耶バネッサさんと、動画クリエイターのテルさんの人気ご夫妻にお話を聞きました。

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特集:夫婦は続くよ、どこまでも

Instagramで夫婦仲良くライブをしている亜耶バネッサさんと夫のテルさんをご存じの方も多いと思います。多くの方から憧れのまなざしを向けられるお二人は、産後に物を投げ合うほどケンカをする時期もあったと言います。大変だった時期をどのようにして乗り越えてきたのか、詳しくお話を伺いました。

セックスレス中に言われた最悪な一言

亜耶さんテルさん

――産後数年は、お互いのことを異性として意識していなかったというお話がありました。“セックスレス”について悩んでいる方もいると思いますが、お二人にもセックスレスの時期があったということですか?

亜耶さん:セックスレスでしたね。うまくいっていない期間も、お互いに「処理」という感じでたまにあったけど、そこに気持ちは一切なかったです。それについて話し合ったこともあるんですけど、彼は正直なので「俺はもう女として見てないから」と言われました。

テルさん:いや、「母親として見ている」と言ったんじゃなかったかな。

亜耶さん:女性からしたら最悪な言葉ですよね(笑)。

テルさん:子どもができて3年くらいは、亜耶のことを完全に“母親”として見ていましたね。

――その関係について、お二人でいろいろと話し合われたのですか?

亜耶さん:価値観のすり合わせを何回もしました。彼が「めんどくさい」と言うときでさえ。お互いの性格のことがわかったし、彼も忙しいのは良くわかるから「めんどくさい」と言うことも理解できるんです。でも、今話さなかったら私がつぶれちゃうと思ったし、時間の無駄になることはないと思ったので。

例えば、私がアクションをかけると「俺、疲れてるんだよね」と平気で断る。私からアクションを起こすのだって勇気がいるのに、断られることが結構あったので「どうアプローチしたらいいのかな?」と聞いたり。

テルさん:そうね……。亜耶はその問題を解決するために、いろいろやってくれたなぁと思います。

亜耶さん:「これだったら興奮するかな?」とか、彼が理想と言っていたものに挑戦してみるとか、いろいろやってみたんですけどね(笑)。

テルさん:全部がちょっとズレてるというか、「そういうんじゃないんだよなぁ……」と思っていました。

お互いの両親が夫婦としてのロールモデル

亜耶さんテルさん

――そういう努力をしている亜耶さんを見て、「かわいい」と感じることはなかったのですか?」

テルさん:当時の僕は、なかったですね。ひどいですよね。今振り返っても、なんだろうな……。あの頃は、亜耶が怖かったという記憶の方が残っているかもしれない。

亜耶さん:私は、どうやったらレスを解決できるんだろうって一生懸命考えて行動しているのに、毎回「そうじゃないんだよなぁ」みたいな感じのことを言われて、私も悲しくて泣きたいけど「じゃあ、いいよ!」と怒り出すという悪循環が続いた時期がありましたね。

テルさん:そうだったね。あぁ、なんか懐かしいね。

――今のお二人からは想像できないというか、信じられないです。お二人がその問題を乗り越えられたと感じた瞬間はいつですか?

亜耶さん:ケンカをして悩んだときに、テルのご両親のところに行って話を聞いてもらったことがあるんです。夜中までずっと私の話を聞いてくれて、お義母さんが「昔の私たちもあったわ~」って。「亜耶ちゃん、わかるわ」って話を聞いてくれたんです。本当に素敵なご夫婦なんですけど、お二人にもあったんだ! というのは、なんかすごく心強かったです。

テルさん:僕のロールモデルが両親なので、その二人が若かったときに経験したことを話してくれると、今、自分たちの仲が悪いのも、プロセスの1つなんだと思えるようになったし、より良い姿を想像できるようになりました。親のサポートは大きかったですね。

徐々に取り戻した“ときめき”

亜耶さんテルさん

――冷めきった関係になってから、再びときめいた瞬間は?

テルさん:いつなのかなぁ。僕、昨日あったことも忘れちゃうから……(笑)。この日からときめきが戻ったということはなくて、徐々にお互いを理解しはじめて、夜の営みも増えてきて、段階を経て気づいたら、お互いにときめきが戻っていたという感じかな。

亜耶さん:私が覚えているのは、普段泣かない私が泣いたときに、初めて優しい顔で見てくれたことがあったんです。いつもなら怒りの感情を出してしまうときにグスッグスッと泣いていたら、彼が初めて寄り添ってくれて「愛おしいって思った」と言ってくれたことがありました。

テルさん:産後って家にいることも多いし、ノーメイクで髪もボサボサだったりするじゃないですか。僕は、亜耶のことを「干物女だな」と思ったことがあったんですよ。それが関係を修復して、例えば夜の営みが増えていくと、家の中でもきれいでいようみたいな亜耶の変化があって、それを見て「かわいいな」と思う瞬間が増えたり。段階を経て魅力的に感じるようになってきたのはあるかもしれません。
あと、亜耶のことを母親として見なくなったというのもあります。

家族

――母親として見ないように意識したということですか?

テルさん:僕の場合はまず、子どもを子どもとして見なくなったんです。2人の子どもたちのことは、友達くらいの感覚で接しています。体は小さいし確かに子どもだけど、子ども扱いするのではなく一個人として扱っています。そうすると、必然的に亜耶のことを母親として見なくなるんです。これは僕だけの感覚かもしれないけど。子どもを子どもとして見ると、どうしても亜耶が“ママ”という感じになりますよね。でも今は、亜耶のことを母親として見ることがなくなって、一人の女性として見ています。

亜耶さん:夫婦関係が悪くなってから、子どもはもう欲しくないと思っていたけど、仲良くなりだしてからもう一人ほしいという気持ちになったんです。でも、また産後にテルがいない時間が増えるのかな? とか、ワンオペに加えて上の子がいるのも不安でした。でも、コロナ禍の出産になり、テルが家にいるという安心感があって、その中でお互いに向き合えたのは大きかったですね。

テルさん:それまで住んでいたのは小さいマンションだったので、二人目が生まれる年に家を買ったんです。そのタイミングでコロナになったので、狭いマンションで4人で引きこもるより一軒家で過ごしてゆとりが持てたのかなと。あと、ライフワークバランスが整い始めたのもその時期ですね。

亜耶さん:今は、テルが6時半に子どものお迎えに行ってくれるんです。以前は毎日12時過ぎて帰ってくるとか、タクシーじゃなきゃ帰れないとかだったのに。

テルさん:今は、お迎えは基本的には僕がやっています。すごい変化しましたね。

夫婦出典:stock.adobe.com

これまで、たくさんのご夫婦にインタビューをしてきましたが、セックスレスについてここまで語っていただけたのはテルさん、亜耶さんご夫婦が初めて。多くの人たちが悩んでいるテーマであること、乗り越えてきたという経験をされたからこそ、誰かの役に立つのなら、とお話しくださいました。きっと、それぞれの立場の気持ちを「わかる」と感じながら読み進めた方が多いのではないでしょうか。結婚、出産といろいろなことが起こる中で、“一緒に乗り越えていく”ことが夫婦なのだなと感じるお話でした。

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