夫のDOCTOR-HASEGAWAさんは、京都の木屋町で居酒屋やバーを4軒経営する傍ら、趣味でトランペット吹きながら音楽活動をしています。妻のyachiyoさんは、京都南丹市にある「HACHI_HACHI_cafe_studio」を主宰するヨガインストラクター。6人のお子さんを育てながら、お互いにやりたいことを優先する人生を送っているというお二人のお話の中には、夫婦として添い遂げるための大切なヒントがたくさん詰まっていました。
DOCTOR-HASEGAWAとyachiyoさんの出会い
――お二人の出会いについて教えてください。
yachiyoさん(以下:yachiyo):私が学生時代にバイトをしていたお店の同系列のお店で彼がバイトをしていたのが出会いのきっかけです。
DOCTOR-HASEGAWAさん(以下:ドクター):同系列の店舗のバイト仲間だったんです。
――お互いの第一印象は?
ドクター:僕は彼女に興味ありましたけど、僕の見た目はその頃からこんな感じなので、彼女は僕に興味なかったと思います(笑)。
yachiyo:印象……。どうでしょうね(笑)。当時私は18歳で、彼は7歳上の25歳。歳が離れているからか?大人だなぁという印象だったような気がします。
――どんなきっかけで仲良くなったんですか?
ドクター:僕がバイトしているお店だったり、共通の知り合いがいたりしたので、みんなでよく集まって飲んだり、食べたりしてたんです。そのときに、彼女が「何か作ろうか?」とパパッと作る料理がめちゃくちゃうまくて、僕はそれで彼女を意識するようになりました。本当に料理がうまい! 何を作ってもおいしいんです。
yachiyo:小さい頃から料理が好きだったんです。胃袋を掴んだってことですね(笑)。今は、料理も仕事になっていて、ナチュラルフードコーディネーター、薬膳インストラクター、パンマイスターの資格を取ったり、最近ではケトジェニックダイエットアドバイザーの資格も取得しました。
こだわりのない結婚観
――お二人にとって“結婚”という選択は自然な流れでしたか?
ドクター:当時、僕は30歳前で、親を安心させなくちゃいけないという考えがあったので結婚という形にはこだわっていたけど、結婚後の形にこだわりはありませんでした。結婚したって、お互いに好きなことをしたらいいし、好きに旅行にいけばいいし、結婚をすることで何かが変わることもないし、変えなきゃいけないということはないなと思っていました。
yachiyo:22歳の時に結婚したんですが、私はあまり結婚という形にこだわりがなくて、籍を入れてもいれなくてもどっちでもいいという考えでした。お互いがよきパートナーであればそれでいいんじゃないかなというタイプ。結婚する、しないということにそんなに執着がないので、逆に結婚が人生の大きな1歩という感覚もなかったです。
――結婚当時から、お二人はそれぞれにやりたいことをお仕事にされていたんですか?
yachiyo:ドクターから、「働かないで」と言われていたので、私、結婚当初は仕事をしてなかったんですよ。
ドクター:それには理由があって、うちの父が事業に失敗したあと、ずっと母が仕事をしているのを見て育ったから、女性が仕事をするのがあまり好きじゃなかったんです。とはいえ……、僕が全然稼げない時期に彼女にも働いてもらうことになりました。感謝しかないですね(笑)。
yachiyo:当時は子どももいなかったですし、ドクターも夜は仕事でいませんし、暇で暇で仕方なかったんです。やることがなくて(苦笑)「働くな」と言われることがすごく苦痛でした。感謝してると言ってくれるけど、私は自分がやりたいことを仕事にするようにしていたので、働くなと言われるよりずっとよかったです。
――ヨガインストラクターのお仕事はいつからはじめられたんですか?
yachiyo:長男を妊娠中に、クリニックでヨガのクラスがあり、そこでヨガに興味を持ちました。実際、ヨガをしていたおかげで出産がスムーズで!(6人とも安産です)。その後は、子連れのヨガクラスをいろいろなスタジオに通って受けていくうちに、ヨガの良さを実感し、ヨガを仕事にしたいな!と思うように。4番目の子供が保育所に通うのと同時に、私もヨガ養成スクールへ通いました。無事資格を取得し、インストラクターの仕事を始め、その後もいろいろなヨガの資格をとり、今に至ります。
料理の方も同じで、子どもが小さいときは仕事にでれなかったので、子育てで家にいながら自分のやりたいことを勉強したり、資格を取得したりしました。今は動けないけれど「これから先の人生のために今やれることはあるよね!」という感じで準備をしてきましたね。
――ドクターは、yachiyoさんがやりたいと言ったことに反対したことはないんですか?
ドクター:ないですね。やりたいと言ったことに反対する権利なんて、いくら夫婦でも無いですからね。
yachiyo:反対されたら、カチンとしちゃいますよね。私の人生なんだから(笑)。子どもが増えて、子育て中心の毎日を送ってきて、本当は子育てだけじゃなく好きな仕事をしたいんだけど……という壁にぶちあたったり、迷ったりしたときもありました。けれど、自由じゃない時間がいつまでも続くわけじゃないし、いつか手が離れて自分の時間が持てる時がくることがわかっていたので、乗り越えられた気がします。子どもが6人いて、今もまだ子育て真っ最中ですけど、子育ても楽しいし大切にしたいですが、それが全てではなく、自分のやりたいことも大事にしたいなと思っていて。やりたいこと、たくさんあるんで!(笑)
ドクター:それは僕も一緒です。子育てをするのは当たり前の話。だけど僕も彼女も、時間やお金をまだまだ自分たちに投資していきたいと思っています。
――自分のやりたいことを叶えながら、6人のお子さんを育てるというのは大変ではないですか?
yachiyo:やることをは多いんですけど、そんなに大変とは思ってないです。
ドクター:うるさいですけどね(笑)。子どもは一人一人全然違うので。
yachiyo:確かに、うるさい(笑)。子どもたちもそれぞれ自由な子が多いですね!個性豊かです。
ドクター:子どもたちは、僕たちに対して、良い意味で「お父さん」「お母さん」という感覚がないと思います。「ドクター」「やっちゃん」って呼ばれてるんですよ。子どもの友達にも学校の先生にもそう呼ばれてるます(笑)。
――お話を聞いていると、それぞれがやりたいことをしながら自然体で生活されているんだなと感じますが、お二人はケンカすることはありますか?
ドクター:お互い自由で好きなことを言うのでぶつかることもありますよ。一般的な夫婦がどのくらいケンカをするのかわからないから、うちが多いのか少ないのかわからないけど、何年に1回くらいは大きなケンカもしますね。でも、だいたい寝たら忘れちゃうんです(笑)。
yachiyo:私は思いを伝えるというのが苦手なので、翌日に長々とLINEしたりしますよ(笑)。
ドクター:長いなと思いながら読んでますけど(笑)。普段、長いLINEをするタイプではないので、本気だなというのはわかるのでちゃんと読んでいます。
――yachiyoさんが送るLINEは、ケンカのモヤモヤをクリアにするためですか?
yachiyo:結婚ということにこだわりがないので、別れる別れないにもこだわりがないんですけど、一緒にいるなら、子どもも多いから協力し合って頑張ろうっていうことを伝えるためですね(笑)。
――夫婦でありながら、そうであることに変に縛られていないという感覚なんでしょうか。
ドクター:お互いに、結婚や家族が1番ではないから切り替えられるというのはあるのかもしれないですね。家庭が1番ですごくそこに集中していると妥協できなかったりすると思うんです。そうなるとケンカに出口を求めたりするかもしれないけど、僕たちはお互いに好きなことをしているので多少なりの妥協ができることが秘訣なんじゃないですかね。
yachiyo:私もいろいろ頭の中では画面が切り替わります。家に帰れば嫁、お母さんのスイッチになるし、ヨガのお仕事の時はヨガインストラクターのスイッチに切り替わる。カフェのお仕事の時は、料理人&オーナーのスイッチが入るし…いろいろな自分を遠くから見るのが面白いんですよ。ヨガをやっていることで、客観視できているのかもしれません。日常的にマインドフルネスしているというか。
――お二人はお仕事も一緒にされることがあるんですか?
ドクター:手伝うことはありますけど、一緒に働くということはしないですね。
yachiyo:それこそ、ずっと一緒にいないから続いているんだと思います。もし、一緒に働いていて、家でも一緒だったら辛いかもしれないですね(笑)。違う職種だから、お互いの仕事の話を聞くのが面白いですし。
長谷川夫妻プロフィール
DOCTOR-HASEGAWA
飲食店経営の傍ら、パンキーレゲエダブバンド「BANYAROZ」(バンヤロウズ)のトランペッターとして活動。鯖街道レコーズ主宰。2021年7月7日には1st album『HAJIKORO』をリリース予定。インスタグラムアカウント@doctorhasegawa
yachiyo
"カラダにいいこと"がコンセプトのカフェ兼ヨガスタジオ「HACHI_HACHI_cafe_studio」(京都南丹市)を主宰。自身もヨガインストラクターとして活動。yachiyoさんのインスタグラムアカウントは@yachiyo32、カフェ&ヨガスタジオのインスタグラムアカウントは@hachi_hachi_cafe_studio